PBMアクション検討:アクションはなぜ失敗するのか?
えー、最初に断りますが、以下はPBMと言うゲーム上における方法論としてのお話であります。
現実には殺人は罪でありダメでありスットコドッコイであり、そういう意味でゲームと現実をごっちゃにするような行為は言うまでもなくNGです。
ついでに念を押しますが、ゲームと現実を故意にごっちゃにするような解釈もお断り致します。
以下はPBMとは何か、って言う段階の説明を必要としない人だけにお勧め致します。
ぜえぜえ。これだけ前置きすれば大丈夫だろうか。では。
PBMにおいて、「(他PCを)殺す」と言うアクションは、基本的に下策である。
下策とは、
1)成功の確率が少ない。
2)成功したとして状況に与える影響力に乏しい。
アクションのことを指す。
「同義的にマスターがそんなアクションを認めないから」
「プレイヤーは平等な顧客である以上、一方的に害を為すアクションを会社として認めないから」と言う意見、及びそれに対する反論は、ここでは論じない。
あくまでアクションの方法論として、「殺す」アクションがなぜ下策なのかを検討したい。
では、なぜ成功の確率が少ないのか、から論じる。前提として、アクションとは、登場人物(=PC)の行動を通じて、物語世界の状況に影響を与える行為である、と規定する。
では、アクションが失敗する要因とは何か。
まずそのPCが、アクションが要求しているスペックを満たしていない場合、アクションは失敗する。
ひょろひょろのPCを作っておいて、肉体労働を要求する方が悪いのである。どうしてもそういった行動が必要である場合、肉体労働を得意とするPCと提携し、そのアクションを提案する、あるいは提携する、といった、アクション以前の交渉が必要となる。
要求するスペック、と言う点で見落とされがちなのは(あるいは必要以上に問題視されがちなのは)他のPCとの能力的競合と言う点である。
キャラクター作成時点で最大の戦闘能力を持たされたPCであれば、殺害アクションは問題無く成功するのか? 答えは否だ。
競合する(つまり殺害対象となる)PCも同じ程度の能力を有している、あるいは抵抗に必要な能力を備えている、と言う視点を見失っていれば、そのアクションはPCに「あらゆる抵抗を排除しうるスペック」を暗示的に要求している事になる。
端的に言えば、PCが無限の能力を持っている事を前提としたアクションであり、これは既に崩壊している。
逆に他のPCとの能力的差異を十分に認知し、それを前提としたアクションを仕掛けているとする。この場合、一見要求スペックは一定しているように見えるが、アクションに提示された前提条件が狂った場合、このアクションは簡単に崩壊する。
アクションに提示された前提条件が狂う場合とは何か? 言うまでもなく他PCのアクションがそれにあたる。対象PCのアクションを予測し、それを組み込んだ上で殺すアクションを仕掛けた場合にはでは成功するのか? 第三者の介入がなければ、と言う前提の上で、そのアクションは成功する。
逆説的に言えば、ただ「殺す」と言うアクションを仕掛ける場合、それだけの質が要求される、と言うことである。ここで言う「質」とは、殺害方法を詳述することではない。他PCとの駆け引き、行動の予測、能力の見極めといった、PBMアクションとしての質である。
PCが「殺す能力を持っている」=「他PCを殺しうる」=「アクションさえ仕掛ければ殺れる」、又はプレイヤーが「殺害方法に詳しい」「いい殺し方を思いついた」と言う理由で仕掛けられた暗殺アクションは、過去数知れず多かっただろう。そしてそのほとんどが失敗しただろう。
そしてその失敗が反省されることはほとんどありえないだろう。失敗した者には、一番最初に否定した、二つの言い訳が常に与えられる。
「マスターが無知だから」と言う言い訳を付け加えてもいい。
本当に意地の悪いマスターは、暗殺アクションを成功させて、PCを本物の破滅に追い込む。「自殺する」等と言うアクションを用いてプレイヤー自らPCを始末しなければにっちもさっちも行かなくなるような、そういう破滅である。
「殺そうとした以上、殺されても文句は言うなよ。」
N97において、乱戦のさなか一人のPCが放った言葉である。
これがPBMにおける「殺す」アクションの、あるべき取り扱い方(のひとつ)ではないか。と自分は考える。
前述の2)については、またこんど。
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