それは、流されたんじゃないの?
ところが奇妙なことに、ゾウはおろか、野ウサギの死がいもまだ発見されていない。
政府の野生動物保護の担当官は、「動物には天災を感知する能力があり、第六感で異変が起きる時を知るのだろう」とコメントしている。
屍骸は見つからない。じゃあ、生きている動物は見つかったの?
事実は「動物の死体がまだ発見されていない」と言うことだけのようだが、これも怪しいといえば怪しい。
大津波で交通が寸断された地域に陸軍が入り、被害者数が一気に二倍にも跳ね上がったほどの被害を、スリランカは蒙っている。動物の屍骸が発見されていないと言うことは、動物の屍骸が発見されたと言う報告がまだなされていないということであろう。
死者の数も正確に分からない状態で動物にかまっている場合じゃないというのが順当な解釈ではないだろうか?
「動物の屍骸が見つかっていない」と言う、それ自体怪しい事実から、「屍骸が見つかっていないということは動物は生きているということだ。生きているということは被害にあわなかったと言うことだ。被害にあわなかったと言うことは動物は地震を事前に感知していたと言うことだ」と言う論法が完成し、先ほどの担当官のコメントに至る。
屍骸が見つからない唯一の説明は、動物が被害に遭わず生きているということなのか? 屍骸が見つかっていないのは、まだ発見されていないからではないか。動物の死体を探し回るほどの余裕が現地にないからではないか。て言うか、単に流されたからでは(特に野ウサギ。あの被害を見ればゾウの死体が流されてたっておかしくはない)。誰か地震の後におおざっぱな動物の数の調査を行ったのだろうか。
この記事を、
「動物には天災を感知する能力があり、第六感で異変が起きる時を知ることができる。しかし動物と日常触れ合っているはずの職員はそれを感知できなかった。動物と心情が通じていない証拠である。つまり職務怠慢である。
もしくは動物の異常を感知し、それが大災害を示すことを知りながら黙っていた。つまり職務怠慢である」。
そんな風に解釈するのは曲解の極みであり、職員の方たちに対し果てしなく失礼であろう。
動物が事前に異常行動を行った事実はあったのだろうか。そしてその異常は事前に察知できなかったのだろか。
なんにもなかったと言う回答は、人気はあるまい。いや察知していた。事前に予兆があった。そんな話が、もうすぐ持ち上がるに違いない。当面の被害が落ち着き、人々が原因を探し始める、一ヶ月か半年か、それほどの後にはきっと。
予言や予知が好きな人の為に。素人考えで僭越ながら、一つ予言をしておきましょう。
今後一年もしないうちに、「あの地震を私は予知していた」と言う予言者や占い師や教祖が必ず現れます。これはもう間違いありません。
そしてその人達は「次はこれこれこのときに地震が起きます。私を信じないと被害に遭います。このあいだの災害に遭った人は私の宗教を信じていないから被害にあったのです」ときっと言う。これもほぼ間違いありません。
二万人以上もの生命が奪われたこの大災害を、売名行為に利用しようとする人が、きっと現れるに違いない。
一言忘れてました。動物保護の担当官の人が、動物になにか神秘的な力を感じるのは、日常的に触れ合う相手として動物を捉えている人の言葉として、納得できなくもないことです(これがインタビューに答えた人の個人的な意見であると思っていますが)。問題はそれを、ことさらに取り上げたことにあるかと思うのです。
先ごろの予言に続く道は、ここに開かれている。
…まあ、「天災を感知できる第六巻を持ってるんなら、人間なんかにつかまるなよ野生動物」とは思いますけど。
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コメント
>「天災を感知できる第六巻を持ってるんなら、人間なんかにつかまるなよ野生動物」
人災ですから~残念!
天象は読めても心象は読めないんだな。
(経験値を得た時点でそのコはあぼ~んょ)
で、動物たちはすでに避難を終えていたと仮定したとき、
観光客らは何を見ていた?という疑問が出てくるわけだが。。。
その辺はどうょ?
投稿: 。と | 2004.12.29 20:46
>人災
!
仰る通りです!?
ううう。一敗地にまみれました。
投稿: sn | 2004.12.29 21:57