ハーレイ&アイビー
バットマン:ハーレイ&アイビー JIVE AMERICAN COMICSシリーズ
いやー、面白い面白いですこれ。
アニメ版バットマンを手がけたスタッフ達の手で、バットマンからスピンオフしちゃったミニシリーズが、ありえないくらいのスピード(原書出版は2004年4~6月)で日本語訳です。
アニメシリーズをそのままコミック化した感じの、書き込みはそりゃ少ないけど躍動感とポップさが魅力な絵柄です。
で、ハーレイ&アイビーって一体誰? と言う感じでしょうが。ハーレクインとポイズンアイビー、二人とも「バットマン」に登場する敵役の女性キャラです。
なんの因果かコンビを組んだパワフルな二人が、珍しい植木鉢を盗もうとしたことから巻き起こる、事件騒動またトラブル。たまにバットマンも巻き込んで、ゴッサムで、中南米で、あげくのはてはハリウッドで、繰り広げられる珍道中。悪女二人の運命やいかに!
とまあですね。コメディとか言うよりきっぱりギャグですこれは。こういえば判る人にはわかりますけど、獨伝把マスター入ってます(笑)。
片割れのポイズンアイビーは一応「怪人」と言うに相応しい外見&能力(緑の肌の美女で、キスした男を自由に操る)、自然を愛するあまり人間を憎悪する、と言うファナティックな性格と備えています。こう書くと、まともな話になりそうなんですが。
一方のハーレクイン、あのジョーカーに入れ込んで押し掛け女房状態になっていると言う、けなげと言うかおかしいと言うか、とにかくめげない人。だってあのジョーカーをストーカーしてるんですよ。さすがのジョーカーも時々イヤになって本気で殺そうとするらしいのに、どっこい生きている実力者です。
おかしいくらいの大失敗を繰り返しながら、めげる気配も見当たらないハーレイに振り回されて。悪人のはずのアイビーが、なんだかものすごく可哀想な人に思えてきます。褒めてるときの言葉が「あんた、見た目よりバカじゃないじゃない」だもんなあ。
同スタッフの手がけた、ラーズ・アル・グール(エトリガンも)の登場する短編も、一緒にバインド。
非常に面白い… んですけど、アメコミ好きの人はもう読んでるだろうし、アメコミに興味のない人に勧めるには濃い&高いし、微妙ですねこりゃ。
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