ROBO-ONE第七回大会予選、その3
さて、このあとは一気に最後までゴー。
No.52、GOGG type AM6。なんとゴッグをイメージしたデザインで、どんな動きをするのだろうと期待したんですが… はじまったとたんにリングの後ろに転落し、マットもなにもないところにガコン。…足がもげてしまい、そのまま演技不能となりました。修理ができたらデモはできるよ、と声はかけられていたみたいなんですが…。リングの外に転落するロボットは2、3体出ており、転落しそうになると緊張してフォローに走る姿が散見されました。
No.53、アリウス2。絶妙の片足バランスは今回も健在。規定の厚さをはるかに越える、9cmもの段差を軽々と乗り越えてちゃんと降りてきました。片足で降りる先の地面をさぐりさぐり体重を落としてくる姿は思わず祈りが入ります。それにしても見事。
No.54、IsseI。今回の一押しその2の方々です。見た目ファンシーな、黄色い頭とボクシンググローブ風の手先を持ったロボット。女性の方がぱん!と手拍子を打つと、音声センサーで次の動作に移る、と言うギミックを搭載したロボットです。動作は安定していたんですが音声センサーの設定が少々厳しめだったらしく、会場で一斉に手拍子を打っても、製作者さんの意図通り「びっくりして転ぶ」のリアクションを取ってくれずに少々苦労したようです。まあ、手拍子を打っていた方も、なかなか認識されずにぱんぱんぱん!と何回も試す羽目になっていましたが。
最後は時間切れになりましたが、ボールを抱えて移動するデモも披露。しかしながら通称は、「耳が遠いロボット」になったようです。
ここで再び審査員の方からコメント。サンライズの方からは「機能美はうちの仕事にも参考になります」等のコメントがありました。なんだかツノがあるからって強いってわけじゃないんだなあ、とか言ってたような気もしますが。
また、今回はセンサー制御のロボットが多く参加していたことから、上位入賞を狙うのであれば今後センサーの装備は必須になるのではないか、とのコメントもありました。
間にツナギを挟んだNo.55のToyGodさんは、結句良くトラブルが復旧せず71番目としてトライ。腰や胴体の動きが柔軟なところが印象的でした。
No.58、Aerobattler。Zガンダムまんまのコピーな機体ですが、HMDディスプレイでロボットと視界をシンクロしたり、障害物を自動回避し、標的のサイズを認識するセンサーを指先にも搭載するなど、見た目によらない高性能ロボットです。わけても審査員の喝采を浴びたのが、足元をチェックして(多分)、落下を防ぐ、命名「落ちまセンサー」。そのうち商標登録されるんじゃないかってくらいの代物を標準装備です。
No.59はテレビ局の取材も受けていたダイナマイザー2。歩行の間隔が大幅に高速化され、なんと本に乗ったあと、そのまま歩行で段差を無視して駆け下りる、と言うデモを披露。さらには高速回転からジャンプ、覆いをリングの上に用意することで、一時的に四つんばいの姿勢になることで狭隘な地形を突破する、と言う、実用に応用できそうなデモまで披露。一瞬のことでなんのことか自分は見逃してしまったわけですが、これはもう大喝采でした。
No.61は木人 海香人2x4。金属フレームのほかは木製で出来ている、と言う、肌触りなどを重視したロボットです… もっとも資格審査通過でモーションが尽きてしまったみたいなんですが… 残念至極!
No.63のArichyonは、アリウス2のスミイファミリーが用意した全く別のロボット。赤い女の子型といった風情で、顔のLCDで表情を出すロボットですが、規定演技をきっちりとこなした後、発生システム(奥さんの声をサンプリングしたとか)による、恐らくは擬似的だろうと思われる対話や、「品物当てゲーム」として目の前にあるものを認識するシステムなど、アリウスとは別個のベクトルの機能を搭載しているロボットな感じでした。足裏のサイズは早くも次回大会規定をクリアしているとのことで、時期主力機の先行型なのかも?
No.64のHAYABUSA ver.3、肝心要の足首のサーボが片方おかしくなってしまったらしく、起き上がり不可能となってしまっておりました。実に惜しい。次のNo.65、武蔵工業大の635式機龍は、転んだ拍子にハロっぽい頭が半分割れて転がっていってしまうと言うダイナミックなアクシデントが発生。
そしてNo.67、韓国から来た超大型ロボットMYRO。身長は70cm、体重はゆうに8kg。日本語を一生懸命話して解説してくれた開発者さんの話によれば、当初6kgの予定が8kgになってしまったそうなんですが(当初予定でも充分巨大だ…)、それにしても重量級の2325RV改の1.5倍以上、G-Tuneあたりと比べると8倍弱。片腕で3kgずつの物を持ち上げられる(即席ダンベルで試してました)パワーと、片足立ちで180度開脚ができるバランス感覚。
予選通過したこの機体、本選でも台風の目になりそうです。先川原さんからは(風花氏からも)「是非G-Tuneとの対決を見てみたい」とのコメントが(「G-Tuneに勝機があるとすれば、上げた足の下に入って転ばせるしかない」(先川原さん談)とも)。冷たい話です。よよ。
No.68、MAGI-TYPE1。ガンダムSEEDのジンだっけ? と思ってしまった外観ですが、機能は確か。本の上で足を揃えず、一歩またぎで渡っていました。
No.72のBrownie03dは、爪先を装備したロボット。足の裏を有効活用して、段差の乗り越えなどに応用していました。何気に爪先立ちを披露してみたり。
No.73の吉村さんは、Z'GOK type RB8と言う事で、ズゴック型機体で参戦。ズゴックといいゴッグといい、なんだか水陸両用の年が来ています。センサーで敵を自動発見して撃破する、と言うデモで、手書きのマジンガアやらアドやら(の札)をなぎ倒す吉村さんの清清しい笑顔が印象的でした… ええ、印象的でしたとも。
No.75、たぬたぬG。合っているのか間違っているのか僕には判りません。とにかくすごいロボットです… フィギュアが動いてる! みたいな。ルックスだけではなく、ロボットだからとモーションにまで魂を込めようとするその意気はなんだかものすごいものがあります。原画担当者が名を連ねている時点で、既にすごいと言うか。背中にバッテリなどのでっぱりのない真に人間型、と言うあたりは凄いと思うんですが、そのアピールとして「こんなのもこんなのもこんなもの」と色違いチャイナやら色々出てくる辺りが、あー、すごい。すごいぞ!(汗。
No.77、えまのんさんのCavalier。えまのんさんはLancer(81番目)と二体エントリしていて時間が割ききれなかったらしく、「二兎を追うものは一兎をも得ず」と言うコメントを残しておられました…(笑)。81番目に登場したLancerの方は資格審査動作だけだったんですが、キャバリアの方はキャリアを積んだだけあって安定して動いていました。足の裏にターンテーブルを搭載してるのって、ボトムズっぽくて面白いですな。
No.78、SHINING FAITH。工業高校(…あれ?専門学校だったか)の生徒さん三人組によるチーム。人間工学に基づいたデザインとのことで、足の裏がかなり小さいにも関らずちゃんと動いていたのが好印象でした。そういえば、関節(腿とか)のつき方も他のロボットとはちょっと違う様子が感じられましたか。
No.79のC-YANは、AeroBattlerに続いて登場の、HMDに連携して操縦するタイプ。ただHMD機能をイネーブルにしていたAeroBattlerさんと違い、製作者さんがちょっとルールを勘違いされていたようで審査委員皆から注意を受けておられました。ちょっと可哀想でしたな…。頭にカメラがついていて、無線経由で画像をPCに転送、ジョイスティック改造(なのか?)の操縦システムで動かす、と言う仕組だったようです。
No.80のブレイブカイザーさんと、No.82の宇宙ロボコンファイターさんは、ビジュアル的にはナイスだったんですが、惜しくもシステムが上手く動作せず、でした。宇宙ロボコンファイターさんはレーザーブレードのギミックがあったんですが、あろうことか腕ごともげてしまい、会場の明るさもあって披露できず。「1Gだと調子が出ないみたいですね」と言う解説が泣かせます。
最後のロボット登場前に、前述のアルバトロスさんはじめ、中途リタイアのロボットがここでデモンストレーション演技。最後は浜松工専さんのロボットが登場… のはずだったんですが、やはり不調だったらしく。上半身を使ってのロボコンへエールを送る、と言う趣向を披露して、会場大拍手の中、すべての演技が終了いたしました。
演技がすべて終了した後、第六回決勝大会の映像を見ながら風花さんとあれこれ話をしつつ審査終了待ち。
最後に発表になったスコアでは、ダイナマイザー2が圧倒的なスコアで1位でした。総合特典で400点越えはダイナマイザーだけだったわけですから、強さが光ります。二位は圧倒的に安定し、滑らかな動作のオムニゼロ。「僕の定位置です」と言うコメントにはなんだか物悲しさが…。
3位はスミイファミリー別働隊の新機軸ロボット・アリチョン。4位は猛ダッシュを見せたはじめロボット、そして5位は完全変形G-Tuneでした。決勝でもG-Tuneが見られますよ。楽しみだなあ。
そんなこんなしているうちに、終了した頃には閉館時刻も過ぎている、と聞き、ほうほうのていで科学未来館を脱出した自分と風花氏でした。会場の外に出てから、「そういえばmixiの人探せなかったなあ」等と話をしてみたり。
明日はご挨拶できればいいなあとか。そんなことを思いました。
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コメント
今日は仕事でしたが・・・明日は行けるはずっ!
投稿: 烏羽 | 2005.03.20 02:39
というわけで、昨日はどうもでしたー。
最後の最後、ほったらかしにして挨拶行っちゃったりしてどうも申し訳なかったです(汗。
どうにも後先考えずダッシュする悪癖の抜けない今日この頃。
投稿: sn | 2005.03.21 11:15