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2005.04.29

PC履歴(遊演体編)

N91『那由他の果てに』

 神奈川県波津野市、波津野ニュータウン。閑静な新興住宅地はしかし、多次元世界の交差点となる特異点だった!
 次々と開く異世界との扉、陸続する時空罹災。そして迫り来る時空嵐。独自に「時空救助隊」を立ち上げた市役所を中心に、市民とご近所さん達が世界を守るため立ち上がる!

南船北馬(みなふね・ほくば)

 丁寧な口調で喧嘩の弱い郵便屋さん。でもバイクに乗ると人格が少し変わり気味。19世紀の地球にそっくりな異世界・XEUS世界で、世界を支配する宇宙人と戦った。

 石井先輩に誘われ、PBMに初参加した際の記念すべき初PC。「名前はインパクトがあって覚えやすいほうがいい」と言う観点から、以後えんえんと続く駄洒落ネーミングシリーズの第一号となった。
 同じ選択肢の人達が運営する交流誌に参加したおかげで、キャラクターのサイドストーリーを追いかけ続ける楽しみを覚え、以後これが病みつきになることに。このときはそのまま南船北馬で、「あっちこっちに行く人」と言う意味から。

 この時期は、石井先輩が月刊で刊行していた「猿新聞」の発行手伝い(主に封筒詰め)で、たびたびご自宅にお邪魔していました。いつかああいうものを自分でも作りたい、と言う願望はつのったものの、まがりなりにも実現したのは実に六年も経ってから。

N93『夜桜忍法帖』

 赤い流星が空を覆う時、忍者が夜を跳梁する! 枯葉忍軍、叫一族。シュヴァルリィ、第二警察、歯車党、光の風忍者倶楽部、そしてHORRORS、卍宗。
 世界の覇権を競う八大忍軍の闇の戦いは、やがて壮絶な種族同士の戦争へと発展していく。生き残れるか忍者。そして生き残れるか人類。

論依荘子(ろんより・しょうこ)

 無口な大女の歯車党員。物語中盤で小型潜水艇『闇鮫』を開発、その他もろもろの功績で中忍にあたる助手に昇進する。
 
 ネットゲームは小説なので、登場人物は「名前」と「台詞」とでほとんど表現される。では名前はともかく、台詞を否定した=無口なPCだとどういう風に描写されるのだろう? と言う観点から作ってみたPC。結果的にはマスターが描写しづらいPCになっていたような。
 最終的には無口がネタになっていたりしたので、それはそれで成功。
 石井先輩のPC、科野貢子女史とは姉妹と言う設定で、そのせいで名前はそれぞれ子貢(孔子の弟子)と荘子に由来している。「論より証拠」と「荘子」の両方にひっかけて、多弁を嫌う性格と言うことで。

Sネット(1994)『蓬莱学園の休日!』

 生徒数10万! 絶海の孤島に浮かぶ超巨大学園・蓬莱学園。
 90年動乱や六・四内戦の危機を乗り越えたこの学園で、今日も「終わらない青春」を謳歌し続ける生徒達の物語。

清進潔斎(しょうの・しんげっさい)

 お掃除大好き高校生。ネーミングは相当苦しかったのを今でも覚えている。大体、正しくは「精」進潔斎であることではあるし。
 お掃除同好会のメンバーだが、本編ではほとんど搭乗せず、主にプラスチックモデル研究会(通称プラ研)を舞台としたプライベートリアクション誌ナッツネットで拾ってもらっていた。

 とにかくこのナッツネットが凄かった。毎月百数十ページと言うものすごい枚数を叩き出すプライベートリアクション(参加プレイヤーがPCを使って小説を書く、いわば二次創作)集で、PBMにおけるプレイヤーの熱意というものがどれほど物凄い物かと圧倒されっぱなし。
 中には本当にマスターになってしまった人もいるほどで。
 PBMって言うのはゲーム本編がアレでも、プレイヤーの熱意次第でいくらでも楽しめるものなんだなあと思った作品でありました。

N95『鋼鉄の虹』

 1937年!
 ナチスドイツの支援を受け、中欧の小国ケルンテンの北部諸州は、グリューネラントを名乗り独立を宣言した。内戦状態に陥るケルンテン、両軍が繰り出すのは有り得ざる人間型の兵器イェーガー、そして祖形たるウービルト。
 激しい内戦の最中、神話と融合し取り込まれていく国土。母神エルダと父神オーディンの狭間、暗躍する炎の男ローゲ。血と硝煙の童話、伝奇じみたこの戦記は、二つの祖国を何処へと連れて向かうのか。

大丈夫(だい・じょうぶ)

 いずれも「戦場の次に危険な町」こと、港町マインファルケンで活躍。中欧の国家なのにPCが日本人なのは… えー、あの。今は反省しております。
 大丈夫は身長2mを越える大男の消防士。保母さんをほのかな目当てに、マインファルケン孤児院に入り浸っているが、その保母さんが結婚したのをきっかけに結構人生で挫折して終わっていた。一時期は「類先生に振られた大丈夫」まででフルネームと看做されていた時期もあったほどに。
 街中では常になにがしかのトラブルがおきていたので、パッシブに出番にありつくことが多かった。名前の由来は… 言うまでもありませんな。大きくて丈夫で大丈夫で口癖も「大丈夫」。当時魔神Vとかも流行ってました。

暗中飛躍(くらなか・ひやく)

 初めて追加PCとして投入した第二のPC。マインファルケン市警の悪徳女刑事。生き別れた実の父親が、市警と微妙に対立する国家警察で陣頭指揮を執る警部だったり、小さい頃に一緒に過ごしたお姉さんが有名な反戦歌手になっていたりと、色々ドラマティックなネタを仕込んで活動した。ティックときたか。
 同僚の刑事をたらしこんだあげく最終回で結婚式を挙げたが、実際のところそのきっかけは「たらしこむアクションかけたらきっと吃驚するだろうな」と言う、あー、なんだ。お茶目な動機だったわけで。今に至るも、一部の人から「腹黒い」と言われ続ける根拠となっている。

 あちこちの勢力にわたりをつけたり情報を売ったりしていた小悪党な描写が、実は結構お気に入り。名前はもちろん暗中飛躍から。

N96『こうもり城へようこそ!』

 ペンシルヴァニア州シスタージョウン、ここは本物の怪奇に会える街。世界で唯一、本物の怪物が住み本物の超常現象が起こるこの街は、今日も危機寸前でいっぱいいっぱい。ゾンビとキョンシーが抗争し、タコゲル星人やロボットが徘徊し、吸血鬼よりもヤバい警官達が闊歩する。窓に、窓に、今日は怪獣昨日は隕石、銃撃戦もお好み次第。異常が普通なこの街の、人々そして人外達の毎日とは…。

ラッカ・ローゼキ

 人狼なのだが、自分のことを「どこにでもいるごく普通のしゃべる犬」と看做している人。カタカナになったあたりが多少反省しているような気がしなくもない。
 アメコミヒーローの抗争するゲインタウンで、当初は善人側のミュータントナイツに、後半からは悪役側のフォクシーズに寝返り、エリート部隊ダークブレイズセブンと(正確にはその中の人狼の人と)行動を共にした。もうちょっとアメコミな空気を煮込めば楽しかったのに… とちょっと燃焼不足気味。こうもり城はどこもそうだったが、一緒のエリアに居た人達がとにかく濃くて面白かった。
 取り散らかった様と言うことで「落花狼藉」からそのまま。狼の籍みたいに読めるので人狼の名前にはもってこいじゃないかと思って。

リテラリー・ツール

 市役所が管理運用している観光アンドロイド、アダリーの研究をしている科学者の下に訪れた押し掛け助手(の実はロボット)。髪の毛が緑色のR・田中一郎と言う、今となっては元ネタ詰め込みすぎと受け取られそうな外見をしていた(ちなみにこうもり城の開催は1996年)。
 最終回に「まあ最終回だし」とものすごい裏設定(実は20年後の未来からやってきたアンドロイドであり、科学者が居住しているマンションオーナー夫婦の娘がモデルで云々)を冗談のつもりで書いたら、全面的に採用されたあげく「本物の娘」がタイムマシンで20年後からやってきてしまった。ここまで滅茶苦茶をやったのも最初で最後なら、それが採用されてしまったのも空前絶後。以後は反省して控えております。
 リテラリー・ツールとは「商売道具」と言う意味。

N97『勇者110番!』

 剣と魔法の世界フィア=メルトはいま、魔族の進行の前に滅亡の危機に瀕していた。若き王はこの苦難を乗り切るべく、古の秘術で異世界の勇者を召喚する。
 やがて門は開き、勇者が現れた… 呼びも呼んだり二万人!

 住民も建物も、まるごと引っこ抜かれて異世界に召喚された十万都市・桜崎市。勇者になった人もならなかった人も、元の世界に戻るためには魔王を倒すに他はない。出だしから調子の外れたヒロイックファタジーがはじまった!
 
天手古舞(てんて・こまい)

 二万人って書いたばかりですが一万人だったかも。それはともかく、色々な意味でターニングポイントとなったゲームでした。自分自身の環境が大きく変わった(就職したりネット環境ができたり本格的にPCを使うようになったり)のが一つ。六年越しの野望を実行すべく月刊交流紙「波頭郵政通信」を発行したことが一つ。苦労もしましたがこのときに既知となった人は多く、今でも知遇を得たり、お世話になったり、チャットしたりしております。
 さびれた漁村であるセラス村と、海を挟んで向こうにある、魔物が住むと言う悪夢の島を巡るシナリオに参加していましたが、この「セラス村」こそが今まで参加したネットゲームの中で永遠に朽ちる事がないであろうベストでした。

 村に財宝がある… と言う噂は、勇者に村を守って欲しいがために、村長が流したデマだった。勇者達の過失(打ち倒した魔族の死体を食料在庫にした事)で、守るべき村人はゾンビの集団と化してしまい、自分たちの手で全滅させる事を余儀なくされる。
 そして「勇者が発狂し村を絶滅させた」と言う布告が流れ、勇者による討伐隊がやってくる。一方で、悪夢の島に渡った勇者達は、そこで魔王の圧力によって戦いに駆り出され、絶滅寸前に陥った魔族ダークフロランス達と出会う。
 同士討ちの犠牲を出しながら討伐隊を退け、悪夢の島に眠ると言う究極の生物兵器を探す勇者達、一方で魔王の側近である上級魔族・魔将グレモリーも、彼女に組し付き従う勇者達と共に島に訪れて… と言う。こうして書いているとどんどん読んでいる人をおいてけぼりにしていしまいそうな。そんな熱い話でした。だって一ヶ月にバージョン違いのリアが13本発行されたこともあるんですよ先生。信じられますか?

 天手古舞の人はセラス村にやってきた勇者の一人。こうもり城では人間ではないPCがいくらでも作れたので、普通の人を作るのに苦労したあげく、「小さいドラゴンに乗って空飛んでく郵便屋さんとかってメルヘンっぽいなあ」と、一番最初のPCのコンセプトである郵便屋さんを受け継いで誕生。空を飛べる、と言う特性は、偵察に通信に輸送に、と非常に重宝したが、直接戦闘することがないのでレベルの上がりは仲間内でも異様なくらい遅かった。

 PC作成時、外見特徴を98種類の中から三つ選べると言う状況下で、リストの98番目にあった「おでこ」をなんとなく選んだところ、周囲から矢の様な突っ込みが絶えず打ち込まれ続け、しまいにはそれが「おでこの人」と言う、あー、名誉とはあんまり言いがたい称号として結実していくことになる。名前はもちろん「てんてこ舞い」。のちの友人から聞いたところでは、当初「こんなバカな名前で登録してるのがいる」とかなり笑われていたらしい。いえーい。

普賢実行(ふげん・さねゆき)

 山梨県警(桜崎市は山梨県。PCの中は山梨県知事の人も居た)の警官で、勇者の力に目覚めた他の警察官達と「勇者特捜課」なるチームを組む。無口で突撃型で格闘タイプの性格で、チームの中で突破口を開くタイプのはずだったのだが、戦闘することはあんまりなかった。
 セラス村に討伐隊が派遣された際に、討伐隊の中に「捜査員」として参加。他のPCと連絡を取り合い、全面対決を回避させるべくあれこれやりました。その後はセラスの勇者と合流して殴ったり殴ったり蹴ったり。
 「普通にかっこいい男性キャラ」を作ろうと思い、挑戦してみたPC。それなりにかつ地味に活躍していた。論依荘子で反省したはずなのに、これまた口数の少ないPC。名前は「不言実行」から。

芙蓉条(ふよう・じょう)

 桜崎市内で「フーゾック」なるギャグ系悪人集団に所属していたPC。一応スキル上は医者だった(「医者の不養生」と言う冗談のつもりだった)のだが、医者らしいと言うかまともなことは何一つやっていなかった。
 他の二人がとてもとても真剣だっただけに、15分くらいで下書きもしないでアクションを書き上げるのは、とても楽しくかつ楽だった。一発ギャグを楽んでいたが、後半になり話の展開が真面目になるにつれて勢いを失ってしまった。それじゃダメだろ。

N98『星空までは何マイル?』

 近未来、人類は宇宙へと雄飛していた。政府に変わる新たな社会組織フェデレーションを基盤に、エングラム能力に目覚めた人々は、はるか海王星を望み、他の惑星系を視野に入れるほどになっていた。
 だが輝かしいはずの未来に影指すいくつもの事件そして事故。一つの糸に結びつくそれが導く結論は、太陽が超新星化しつつあると言う遥かな脅威の存在だった!

ユーゴー・ウィゴー

 遊演体としては最後の作品となった、『星空までは何マイル?』。ゲーム期間が半年だったり、当時はまだ普及期だったネットを大胆にゲームに取り入れたり、そもそも世界がSFであり宇宙でありハミルトンでありバロウズであり子供の頃は空を飛べたりしたのだが、いかんせん世界観についていくことが出来ず、自分としてはあまり楽しめなかった作品になってしまった。その一方で最高傑作と讃える人もまた多く、人を選ぶゲームだったようである。

 ユーゴーは宇宙救助隊の隊員。宇宙救助隊、と言う組織はオフィシャルには存在せず、PCの有志で立ち上げた組織。言いだしっぺにも関らずあんまり熱中できなかったのは心苦しく思っております。
 ユーゴー自身は短期と言うか、裏表のなさ過ぎる性格… 思ったことをぼろぼろ言っちゃう性格… の救助隊員。一言で言うとバカなんですが、考え出すとなかなか複雑な性格をしていたように思います。

ラッカ・ローゼキ

 きっかけはある方のページでキリ番を踏んだ事。その方からイラストを頂けることになり、「次のネットゲームで僕が使うキャラの絵を描いて下さい」と言う無茶な頼みをした… どこがムチャかと言うと、「どういうPCを作るのか」とか、そういう予備情報一切合財全く抜きで依頼して、「頂いたイラスト通りのPCを必ずやります」と言う、我ながら根拠のない約束までつけて… ところ、頂いたイラスト。
 そのイラストを元に知人友人に「この人はどういうキャラクターだろうか」と意見を募り、適当に自分の好みで(…)取捨選択したのちに誕生したと言う、ライブ感あふるると言うか、ある意味ものすごく滅茶苦茶なPC。名前だけは制限時間までに決まらなかった(確か)ので、前に使った名前をそのまま流用した。

 地球育ちで異様な怪力を持つメカニック。父親のつてで救助隊のメンバーとなり、ユーゴーらと行動を共にする。妙な設定がいっぱいある面白いキャラクターだったのだが、上記のような事由で、作中ほとんどまともに動くことはなかった。

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コメント

ネットの海を漂っていたら、なんか懐かしい名前を見かけたので記念カキコ。お元気そうですね。

投稿: 天羽&正宗 | 2006.11.10 20:38

 ややや、ご無沙汰しておりますー。鳴海さん…… ですよね(汗。政宗貴子さんの。

 進歩がないというか、相変わらずの調子で当方暮らしております(笑)。
 PBM関係については、もうひとつのblogで最近進めておりますので(http://sn.cocolog-nifty.com/hyohakusya/)、ご興味ありましたらそちらも是非。

 そういえばPCまとめ、途中で放り出してた、と思い出した昨今でした(笑)。

投稿: sn | 2006.11.10 22:11

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