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2005.06.09

ブラッドオペラ : 誰かがもし、<黒>を作ったとしたら?

 血液記憶の話を考えていて、ふと思い至った事。
 黒は吸血鬼である、と言う世界観的な前提を、とりあえず頭から追い出すとして。<黒>はそもそも、どうして生まれたのか、と言う事を考えてみましたよ。
 いわゆる始祖のように、なんらかの実験で自発的に生まれたとか、宇宙から降ってきた赤い因子に感染したら吸血鬼型生命になったとか、知能の支配者的なものに寄生されたら吸血鬼になったとか、そういうありそうなネタはまあ置いといて。
 あまり推測されてなさそうなラインで、<黒>が何者かに人為的に作られた存在ではないか、と考えてみる。
 誰が、はまあ置く。宇宙人かも知れないし、<漆黒>なのかも知れない。
 何のために? 血液記憶を保管する、生きたストレージデバイスとして。
 ドレーガは血液で記憶を保管し、ロアドと違ってその記憶が劣化する事はありません。そして天井知らずの記憶容量を持ち、しかも記憶を増すたびにその力をも増します。銀や太陽やアウスターグの力で血液記憶を破壊されることはありえますが、それを防ぐ能力をも備える訳です。
 しかも全てのドレーガは記憶中毒症であり、放っておいても「血液記憶を自動的に集積しようと」します。ドレーガを放置しておくと、彼(彼女)は周辺の血液記憶を自動的に集積し、自分の中に蓄えていくわけです。

 さて、ドレーガが記憶を記録するストレージだとすれば、記憶を生産する存在がロアドになります。ドレーガが一定数のロアドを保護する、と言うシステムは、「ロアドの集団の血液記憶を効率的に集積・蓄積する」のに最適なシステムである、と言う事に他なりません。
 核家族化や都市化が進んだ現在であればともかく、土地と血族の結びつきが強かった、特に封建時代や中世などにおいては、一人のドレーガが蓄えているのは、まさに「一つの地域」の全ての知識に他ならなかった筈です。

 このように蓄積された記憶は、しかし活用する方法が限られているかのように見えます。確かに現状、ドレーガ同士は孤立し、対立すらしていますし、錬金術の血液記憶(これも不完全なものなのでしょうが)を使わない限り、蓄えた血液記憶を他のドレーガが閲覧することすら叶いません。
 しかし、これにも例外があります。漆黒の記憶空間を彷徨うことが可能になる《記憶宮殿》です。条件はいろいろとありますが、とにかく他者が<黒>なり<漆黒>なり、他人の血液記憶空間にアクセスできる手段があることは、すでに提示されているわけですね。

 ここで重要なのは、<黒>同士は血液記憶の吸収ができるのか、と言うことかも知れません。
 <黒>同士はいずれ、闘争して数が減っていくことでしょう。庇護するロアドが滅んでいくことで精神的な死を迎えるかも知れません。しかし、蓄えられた血液記憶は残ります。それを中毒に苦しんだほかの<黒>が啜り、記憶を我が物にしていったとしたら…?
 いずれ地球が太陽に飲み込まれるほどの未来。そこに立っているのは、人類の歴史と知識全てを(破壊された分は差し引くとして)蓄えた、ひとりの<漆黒>なのかも知れません。
 そんな遥かな未来に「文明を収穫する」ことを目標にして、始祖と呼ばれた何者かは、最初の<黒>を若い地球へと撒いたのではないでしょうか…。

 と言うのは、まあ、妄想なんですが。
 始祖が古代人のたぐいで、生体ストレージとして<黒>を、<黒>のメンテナンスツールとしてのフェリオンとアウスターグを、そして全く別の目的に<青>を作り出した(アウスターグが黄金に執着するのは、<黒>が錬金術で血液記憶を移す媒体が黄金であることと、まさか無関係とは考えられません)のではないかとか。そんな風に考えているわけです。

 ゲーム終わってからこれ読んだら笑えるだろうなあ。当たってるにせよ、そうでないにせよ。

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