第十回ROBO-ONE観戦記【予選編(1)】
【午前の部】
1 195 クロムキッド KUPAKUMA
まず先陣を切るのは、鮮やかなエメラルドグリーンが印象的なロボット、クロムキッド。両肩に、両端のめくれたスキー板のような増加パーツを装着しています。あれはどういう動きをするんでしょう。
なるほど、肘から先がまるごとアームになっているんですね。この腕を駆使し、間合いが随時拡大する攻撃モーションが展開します。また、兎跳び用に足裏にグリップを装備し、それを使用することでジャンプしつつ前進する、との事。うさぎ飛びはただ跳ぶだけではなく、うさぎ跳びの定番、タイヤにロープをつけて引っ張ったり、兎飛びで段差を乗り越えて登ったり、とバリエーション豊かに披露。よく見ると、頭にも耳っぽいパーツがついていますね。
攻撃モーションは、攻撃を放った後すぐに後退し、また接近して叩く、と云うヒット・アンド・アウェイ戦法です。うさぎ跳び用グリップで機動性が上がっている様ですね。
2 201 Frosty フロスティデザイン
腕に緑色のボールのようなものを装着した、銀色のロボット・フロスティ。腕を上げたファイティングポーズから、歩行、横歩き、力強くしゃがんでから、兎跳びを披露… しますが、猛烈な勢いで震動して前に倒れてしまいます。
膝が非常に大きく曲がり、腿が大きく上がるフロスティ。やろうと思えばかかと落としもいける稼動範囲です。腕をついて起き上がり、またそこから、姿勢を完全に丸めた、頭を抱えたような防御姿勢へ。脚を伸ばした姿勢で伏せ。最後は時間に余裕を持っての終了となりました。
3 69 ヤンヤン 井伊 祐介
ドーム状の頭部を搭載したヤンヤン。まずは「ゆっくりとした兎跳び」を披露し、モーションを説明したあと、まずは前進しない兎跳びを披露。ジャンプして着地した時に後ろに転んでしまいますが、確かにジャンプしています。
2,3回跳んで、後方に転んだ拍子に頭が取れてしまったりした後、ちょっと不安定かな、と云う前方兎跳びを披露。ううん、やっぱり転んでしまいます。そしてまたも取れる頭。
歩行のデモは、連続しての横や後方への歩行、カメラを使っているのか、対象への距離を認識して自動的に車間距離を保つような姿勢になっているようです。
前回は予選参加最下位だったとの事。リベンジなるか、評価の気になるところです。
4 107 T-9 ふるた
細身のロボット、T-9。空手のような礼から、一寸不安定含みながらも、大股な歩行で前進。あきらかに跳んでるのがはっきり判るほど、大きく跳んだ兎跳びで、後方へと連続ジャンプを披露します。後ろに飛ぶときに腕を振って、バランスを取っているみたいですね。
どよめきの起きた兎跳びの後は、左右へのステップと前方起き上がり。後方起き上がりのデモは、なんだか準備のねっころがる姿勢が妙にリアルで格好良い感じで。
2分をフルに使い、最後も礼で締めての綺麗なデモでした。
5 315 RX-00 CARGO RX
ROBONOVAの改造機、RX-00登場。兎跳び用に脚まわりが強化されているらしく、膝のあたりに追加パーツの影が見えます。左右への横歩きから綺麗な兎跳びを5回連続で披露。兎跳びは安定していたんですが、起き上がりの時の転び方具合がちょっと不安な感じを誘います。
製作者さんとのゆるやかな掛け合いで、汗を拭いたり肩をすくめたり、相手のロボットを油断させて平手(裏拳説も)を打ち込む作戦などを披露。最後はHGな勝利のポーズで締め、としました。
CARGOさんは初参加とのこと。奈良から来られたとの言葉に拍手が巻き起こります。
6 241 ファイマン 5 AIR
青い目に巨大な爪を装備した、青いファイマン登場。ちょっと起動直後にトラブルが発生してしまったようです…… 大丈夫でしょうか?
30秒後、回復。片腕にサーボ一個分の重量となる重し(おにぎり)を持たせたまま、片脚バランスにうさぎ飛び、走行などを次々と披露。
今回はすでに無線システムと攻撃モーションを仕込んであり、即戦える状態、との由。ボールに向けてのキックのモーションを披露。最後はたぶん、ヒートシンクの説明中に時間切れとなってしまいました。
7 319 Brownie04 ジャンクバルク2世
肩幅の広い、ヒロイックな体格がかっこいいブラウニー。特徴は稼動する「つま先」です。
まずはつま先を使っての兎跳びから開始、爪先立ち… は転倒してしまいますが、前方後方への歩行、膝を伸ばしたまま安定した大股歩きを披露。非常にかっこいい、堂々たる歩きです。
前転から、足先をうまく使っての起用な起き上がり。うさぎ飛びはディスプレイを別角度から見ると、ちゃんとつま先で飛んでいるのが判りますね。
大股歩きは途中でちょっとバランスを崩して転倒してしまうものの、非常に格好良い動作。綺麗な動きで締めとなりました。
8 213 締め切りF インプレスTV
高橋敏也さん作成によるのは、攻防一体の巨大な盾。締め切りシリーズ最終モデルの締め切りファイナル…… いや、予定を変更して「締め切りフューチャー」になったそうです。むむ。
兎跳びから、大きな腕を披露しての腕立て伏せと横突き、腕を一杯に伸ばしての、オムニゼロを彷彿とさせる上体回転攻撃など、攻撃的なモーションを連続披露。がちがちと盾を打ち鳴らし威嚇する様は、まるでそう。あれです。悪魔騎士ジャンクマン。
何気なく、前に進む兎跳びも披露。盾を使っての倒立を披露。足裏で立つよりもこちらのほうが安定しそうな気がしますが。
最後には、周期を大幅に高速化した、連続最速兎跳びを時間ぎりぎりに披露。終始安定した動きでアピールでした。
9 4 トコトコ丸 ちーむトコトコ
いよいよ登場、トコトコ丸。紫の髪に陰陽師っぽい衣装で、今日も今日とて雅やかです。不安を感じさせない安定した歩行はさすがの一言。後方八の字歩行などを、まるで当然のようにこなしていきます。両腕の扇を広げての舞から仰ぐまでを連続披露。
兎飛びで一回跳んだ後、歩行の安定性をアピール。ピコピコハンマーを持ち出して、歩くトコトコ丸の後頭部をぴこぴこぴこぴこ叩きますが、なかなか倒れません。前方からハンマーで押さえても倒れ… あ、倒れましたね。
「なんかちょっと虐待っぽいですけど」と云う声も飛びますが、トコトコ丸さすがの安定性。飛騨大会の再来なるか楽しみです。
10 295 まさよし NCCロボ科
あれはグローブでしょうか? 横長のボディに大きな黒い腕先をつけたまさよし。段ボールの椅子から立ち上がり、中央へと歩く最中転んでしまいます。
脚を大きく上げたモーションは、一寸不安定というか力みが抜けない感じ。なんでも前日に膝のサーボが壊れてしまったとのこと。
兎跳びは膝を抱えて確かにジャンプ。一回ごとに後方へ後方へと退いてしまいますが、後ろが重いのかも知れませんね。
格闘モーション、腰のひねりをパンチに乗せた攻撃は綺麗なモーション、運動エネルギーが勢い良く伝わりそうな感じです。
最後は挑発のモーションを放っている最中、終了となりました。
11 146 ドリラー 法政大学電気研究会
喋りの小気味良い製作者さんと、両腕がかっこよくとんがったドリラー。ドリル腕先を地面についての起き上がりから。捨身攻撃はしないのをポリシーに、移動しながらの攻撃を重視しているとのこと。歩行で前進しながらの正面突きとアッパーカット、最後は岩の模型をドリルで突き崩して、中からうしくんを取り出して終了となりました。
電気研究会は総勢11名のチームで参加されているとのこと。決勝進出に期待がかかります。
12 273 ナガ・レインボー 長井工業高校機械システム
地元、長井工業高校のチームが登場。胸にハートマークをつけたナガ・レインボー、これはKHR-1の改造機のようですね。兎跳びから、脚を大きく上げて力強く四股を踏むモーションを披露。がっちんと床を打つ音が聞こえてきます。倒立のデモを披露… あ、足裏にも虹型のモールドが。
起き上がっての安定した小走り、ちょっと小刻みなチョップ、うつ伏せからでんぐり返しての起き上がりなどを次々と連続して披露。先川原さんから「ちゃんと兎跳びに挑戦している」と好評価でした。ロボットボーイズとか言われてましたが、果たして。
13 2 ダイナマイザー スギウラファミリー
ここで登場、小さな巨人ダイナマイザー。なにやらロープが持ち出され、何事? と思っていたら。なんとしょっぱなから意外な登場の仕方をします。リング上にロープをわたし、手足でしがみつき、綱渡りをしながらイーグル風の登場です。綱をつたって移動したあと、脚でロープにぶら下がって頭頂部からごツんと落下。
起き上がって歩行、片脚で立って両腕を広げ、ひらひらと上体を振る、飛行機のポーズから、さらに両手先をついて倒立。上体を逸らせた喜びのポーズから、兎跳びへと移行。
両腕を背中側で組む本格的な兎跳びのポーズから兎飛びへに移行するも、最後の最後で前方へと転倒してしまいます。これは点数にどう響くんでしょう… ちょっと心配になる流れです。
14 37 ボルボックス ロボ・タスティクス
四角い胴体に手足の生えたボルボックス。山形大の学生さんチームの手によるチームのようです。「イタリアの某選手」と描いたものを頭突きで倒したり、フラットな頭頂部を地面にぺったりくっつけての一点倒立などを披露。なんか製作者さんのものすごい勢いの喋りで押し切りそうな雰囲気です。時間がまだありますよと言われて、持ち運び用のハンドルを掴んで「持ち上がります!」て。
地元のメンバー4人での作成によるもの、と云うことです。
15 10 Metallic Fighter 森永 英一郎
古豪メタリックファイター登場。渋いカラーリングは今日も健在です。挨拶から開脚屈伸、一寸お前に転んでしまいますが、脚を完全に開いての開脚。3.5kgと云うメタリックファイターが、うさぎ飛びではごがんごがんと豪快な音を立てつつ大跳躍、ものすごく跳躍します。
続いては攻撃モーションを連続披露。腕を振り脚を振り、トンボ帰りのような前方連続蹴り、腕を使っての逆立ちは途中で固まってしまいますが、最後は自力復帰し、片腕を突き上げてのガッツポーズで締め。
「今回はリングは持ってきていないけど違ったものを持ってきました」「何を持ってきたんですか」「ひみつです」 なんでしょう。今後出番があるんでしょうか。
16 102 R-Blue 吉村 浩一
白いアーキタイプ、こちらも古豪R-Blueの登場です。挨拶から綺麗な前屈と後屈、長い脚を綺麗に折り曲げての屈伸から、オリジナルとなる腕立て伏せ。これはいきなり高速腕立てに移行。片脚をそろえて立ち上がったと思った直後、いきなりものすごい勢いで兎跳び。一回目で転倒してしまい、素早く立ち上がらせますが、ものすごいスピードでの脚の伸縮。下手をすると手を挟みそうな俊敏な動きです。すごいなあ。
最後はボールを蹴るモーションが入りますが、ボールの準備がちょっと間に合わず、でした。
17 337 Reborn DA-YAMA
複雑なパターンの貼り付けられたKHR-1改造機でしょうか、センサーを追加したモデルで、不屈の再生を誓い、その名をリボーンと定めた、との由です。
駆け足による移動から自動起き上がり、小突いても倒れない、と云う安定性をアピールした後、腕立てから片腕腕立てに移行しますが、これはバランスを崩してしまいます。兎跳びはちゃんと腕を後ろ出に組み、小刻みながらも兎跳びを披露。腕をほどいて振りながらの別バージョンも披露し、時間ぎりぎりの終了となりました。
この方も初参加、目指すは自作機による搭乗、とのことです。
18 24 ivre ゆ
エッジの立った設計が非常に男らしいイーヴ、今回も長大な手先をつけての登場です。真っ先に兎跳びをがんがん連続で披露してクリアしたあと、両腕両足を完全に展開してXの字型に前進を展開。脚にサーボを7つしか使っていないことなどを解説します。
前方後方への移動を難なく披露した後、長い腕で地面に設置させ、反動をつけて上体を反転させる、体操選手みたいな豪快な逆立ちを披露。
最後はもう一度、豪快な兎跳びとXの字開脚を披露し、終了となります。
19 65 T-Storm tom-I
KHR-1改造機なんでしょうかTストーム、まずは走行から兎跳びを披露。倒立から、頭頂部だけで倒立する一点倒立に入り、さらにそこから首がぐるんぐりんと廻る事で、前進のほうが廻るというブレイクダンスな動きを披露。脚でバランスを取っているとのこと。
ボールを蹴るデモのあと、片脚立ちから片脚屈伸、飛行機からさらに、後方に上体を振ってのいわば後方飛行機を連続して披露。「安定性を重視した」と云うコメントの通り、非常に優れたバランスをアピールしてのデモでした。
20 335 EMMA-U0A ROBO-ENGINE
これは小さい。非常に小さいキュートなロボットです。宇宙大会想定で、身長は2/1、重量は4/1、かかった手間は6倍とのこと。フレームからサーボまで、ほとんど部品を自作しているとのこと。片脚を大きく跳ね上げての蹴りから腕立て伏せ、ゆっくりした歩行から横歩きを次々披露。兎飛びの行動はでも6分の1だそうです。
最後は腕先で小ペットボトルを掴んで持ち上げ。投げ飛ばすのではなく、持ち上げてしまいます。そのまま放り投げると言う技を披露しました。
さて、これで午前の組、21体のデモが終了です。
午後は13時10分からの開始となります。
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