本は扉が取れるまで。(☆)
・勤務先近くの図書館、あの多情剣客無情剣のある実にイカした図書館にて。新春最初に借りたのは、ジョセフィン・ティの「時の娘」、あと「アーカム計画」でした。
・「アーカム計画」は未読なんですが、「時の娘」はもう何回か読んだはず。小さい頃は、同じ本ばかりよく飽きもせず、繰り返し読んだものです。
・吉川英治の「三国志」、陳瞬臣の「中国の歴史」は特に格別のお気に入りで。ばらばらになる、は大袈裟ですけど、扉が取れるまで読み返したものです。同じ陳瞬臣の「中国五千年」や「アヘン戦争」、駒田信二訳の「水滸伝」も大好きでした。
・「アヘン戦争」はとりわけ、引用されている当時の文章がひどく心に残ったもの。PBMなどで文章を書くときでも、とりわけ「海賊王女」の時は、この一冊が念頭にありました。
・「抽象的な無いものねだり」とか。短いですけども、人の心理を突く言葉としては、実に的確です。「天理から論じよう」から始まる、林則徐の文面なんかは、何度読んでもわくわくします。関天培将軍の最後と、その後のエピソードなんかはもう。もう。
・最近は本を読む量も増えていませんし、そもそも扉が取れるほど、繰り返し繰り返し本を読む、と云う事自体、無くなってしまいました。
・眺めたのではなく、読んだと言い切るには、すりきれるほど読み返さなければ頭に入らない性質にとっては、これは嘆くべき事です。入力あってこその出力、引き出しに無いものはそもそも取り出せません。
・今年一年は個人的に、古典復興の年にしようかなあ。などともくろんでいる、そんな昨今です。
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コメント
「時の娘」は良作でしたね。駒田信二訳の水滸伝は10年ほど前に都内各所の本屋を巡って、ようやく全館集めたという懐かしい記憶があります。陳舜臣の中国物は大半読んだし、こうしてみるとsnさんと本の趣味は似通っているのかも(笑)。
中国物だと、宮城谷昌光辺りは読んでますか?
投稿: 紅葉屋 | 2007.01.10 21:52
アーカム計画って、ロバート・ブロック…とは違いましたか(うろ覚え
投稿: Aruyo | 2007.01.10 22:18
>紅葉屋さん
おお、読まれましたかその辺一通り。だいぶ似通ってますね(笑)。
宮城谷昌光さんは確か「晏子」「天空の船」あたりをつまみぐいして、これはもっと読まなきゃ! と思って中断しているところです(笑)。
後はそうですね。アレクザンダー・ケントのボライソーシリーズも、結構好きで途中まで読んでました。男気溢れる登場人物が、ぼろぼろ死んでいくあの有様がですね……。号泣。
>Aruyoさん
そうそう、そうです。ロバート・ブロックですー。
仕事帰りに図書館にうっかり寄ってしまい、30分も根を生やしたあと、ようやく借りて帰ったのがこのアーカム計画でした。
家のどこかにラブクラフト全集も確かあったはずなので、いつかきちんと読んでおかなければ、と思っています。いあいあ。
投稿: sn | 2007.01.10 23:04
お、やはりロバート・ブロックでしたか。
全集と一緒にどこかにしまったはず、探してみようかなあ。
投稿: Aruyo | 2007.01.11 17:52
あの書き方だと、アーカム計画もジョセフィン・ティだと思っちゃいますよね。どうも申し訳ないです。
いや ……それもちょっと読んでみたいかもしれません。いやかなり読んでみたい。ベッドに寝たまま暗黒教団の陰謀をば打ち砕く、好漢アルバート・キースとかそんなノリで一つ。
投稿: sn | 2007.01.12 23:18