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2007.05.25

砂とスコッチ、バイオエタノールと酩酊するロボットについて。(☆)

リンク: コラム:通りすがりのロボットウォッチャー未来にゃロボットも腹が減る?.

 この記事から触発されて、なんだかいろいろなことを連想したので、あえてとりとめを持たせず。

 松本零士先生の漫画に「砂とスコッチ」と言う作品があるのを、まず思い出しました。北アフリカの砂漠のど真ん中に、何故だか山ほどのスコッチと一緒に取り残される羽目になった二人の連合軍兵士。銃も車も飛行機もなし、なぜだか酒は溺れるほどある、と言う笑うしかない状況下で、酒のにおいに引きつけられた両軍の戦闘に巻き込まれたり、燃料切れで墜落したドイツ空軍のパイロットと取引したりあれこれするのですが、最後に二人は、その飛行機をせしめて、スコッチを燃料にして飛ばそうと試みるのです。呆れたのか感動したのか、見送るドイツパイロットを尻目に、スコッチを満杯に飲み込んだ空軍機は…… と言う話なのですが。

 考えてみりゃあバイオエタノール、バイオエタノールと言いますが、要するにアルコールです。とうもろこしで作ればテキーラになり、さとうきびで作ればラムになります。カリブ海のさとうきびから作るラムは、カリブの海賊達の心の酒でありました(アメリカで海賊といえば、映画を見ても分かる通りカリブです)。このラムをコーラで割ったのがキューバリバーと言うのは、なんとなく皮肉めいた名付け方のような気もしなくもないですが。

 アルコールを燃料にしてロボットを動かすのは現実味のありそうな話ですが、カクテルやジョッキなんて生やさしいものではなく、バケツで浴びるように飲むことになるんでしょうねー。タンクからガソリンスタンドのように、っていうのは味気なさ過ぎますし。もちろんロボットであるからには酩酊する必要はなく、むしろ酩酊されて暴れられたりすると人間としては非常に困るので、ロボット三原則の補足として「ロボットは酔っぱらって外出してはならない」とか入れたくなる気分です。

 操縦するロボットの場合、たとえばこれがレイバーとかであれば、ロボットの酔っぱらい運転は特車扱いにつき四輪車に準ずる、でいいのですが。なにしろ自律型の場合、本人=特車=ロボです。ロボの飲酒は自宅に限るべきで、その場合でも自宅を破壊しないよう細心の注意もしくは設備が必要です。さもないと、米が原料だから、と甘酒を飲んだあ~る君みたいな惨劇を引き起こす事になります。なりますとも。
 しかしこうなると、アルコールを燃料にしてロボットを動かすのが非常に困難になります。ロボット用のアルコールスタントなんか、もうなんか危険すぎて近寄れません。18m級のロボットが、千鳥足で歩いてきたら人間はどう自分の身を守ればいいと言うのですか。しかもその彼が「地球の制止する日」の物まねなんか始めた日には。

 まあ、杞憂ではあります。ロボットにわざわざ酔っぱらう機能でもつけない限り、上記のような事態は起きえないでしょう。

 しかしもし、ロボットに酔っぱらう機能をつけたとして、ロボットはあえて「酔っぱらおう」とするでしょうか? 酩酊は公平に言って、一種の機能不全です。自律するロボットがいるとして、自らを機能不全に陥れようと言う行為は、ロボット三原則を持ち出すまでもなく普通やらないでしょう。ではなぜ、人間は酒を飲むのか? そこに酒があるから? ロボットでも同じ理屈は成り立ちます。会社でいやなことがあったから? ロボットにストレスがないとは誰にも言い切れません。彼らはそれを訴える手段がないだけなのです。いきなりキれるロボットが社会問題になるかも知れません。怖怖怖。禁止されているから? ロボットの場合はどうなんでしょうね。稼働して20年以上の稼働歴のあるAIしか酒飲んじゃダメとか。
 まあ、素直に言って、それが「快」だから、人間は酒を飲んで酔っぱらうのでしょう。お酒が苦手な人や嫌いは人は、あえてお酒を飲みません。それが「不快」だからです。ロボットが積極的に酔っぱらうには、「快」「不快」を理解し、快を求め、不快を避ける必要になります。それは生存(ロボットの場合は自己保存)に必要かどうか、と言う原理に即してはいますが、直接つながってはいない問題でしょう。繰り返しになりますが、酩酊状態は一種の機能不全と見なせますしね。
 なんだかクオリアがどうこうと言う問題につながってきそうですが、その話は前に読んだきり復習していないのでともかくとして。ただこういうことを考えていると、ロボットの持つ文学的な部分と言うか、「ロボットは感情を持たない」「ロボットは人間に憧れている」と言う、ロボットもので好んで使われる定番の前提二つが、なんていうか。人の漠然とイメージしてるロボットと、つきつめて考えてみたロボットって、あんまり似てないのかもなあ、と再認識する次第です。
 バールのようなものはバールか否か、と言う質問がアバウトミーでありましたが、「人間くさい」と言う形容は人間ではないものに用いるべきものなのかな。とか、そんなことを考えて。

 記事の結びでは、人とロボットで食べ物の奪い合いはしたくない、となっていますが。最近のニュースを見るにつけ。ロボットが世に現れるよりも前に、機械と人間の間での食料争奪戦は始まってしまっているようです。

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コメント

そういえば懐かしの映画「ガンヘッド」では、
燃料切れの際にウィスキーを代用してましたね(笑

「死ぬ時はスタンディングモードで!」

投稿: Lizzy | 2007.05.27 01:11

 えええ、そんなステキな話がありましたか!(笑)>ガンヘッド
 どうもロボットのデザインは非常に記憶に残っているんですが、どういう映画だったか思い出せない昨今です……。そういうの多いなあ……(笑)。

投稿: sn@散財 | 2007.05.27 18:53

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