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2007.06.10

あるいはこれこそがアーキタイプ論。(☆☆)

 勝利とは、すべての人を救うことではなく、自分が依然として救いたいと思えることだ。
 あるいは、選択の道が与えられさえすれば、依然として、最も良識のない者にさえ良識があると見なすことができ、殺人者が必ずしも"それほど悪い人間じゃない"と認めることができることだ。
(中略)
 彼は、自分自身と自分の見方の愚かさを理解している。にも関わらず、彼は、自分の見方を絶えず確かめ続け、暴力と死に直面してもそれを維持することに専念する。感情にとらわれた見方でさえ、死の危険にさらされれば、道徳的な重々しさが加わるのだ。

 -『ハメットとチャンドラーの私立探偵』 ロバート・B・パーカー

・というわけで、スペンサーシリーズの作者、パーカーが20年くらい前に書いた『ハメットとチャンドラーの私立探偵』を読む。元々は、まだ作家デビュー前のパーカーが博士号取得のために書いた論文を書籍として書き改めたもので、パーカーによるアメリカ文学史における、言わばアメリカ人のアーキタイプの研究と、「西部の狩人」が、やがてコンチネンタル・オプ、サム・スペード、そしてフィリップ・マーロウへと至っていく道を書いた本。最初はなかなか難物ですが、読むとなんとなく、なるほどと思える本。
・文中で「ハードボイルド探偵小説がアメリカ独自の現象」と(20年前の)パーカーが考えて、あるいは悩んでいる通り、この本に語られているヒーローの姿は、もちろんアメリカ文学史とアメリカ人の性質論的から見たものですが。そこに他国の人間でも共感しうる、頭悪い言い方をすれば「かっこよさ」があるからこそ、日本でも本邦風に調律されたハードボイルドが書かれ続けているんでしょうね。

・つづいて、段ボールを開けたら出てきた「タイムマシンの作り方」(ニック・ハーバード)にチャレンジ。
・あいまに漫画も買ってきました。「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R」は、スーパーロボット大戦Wを通じて遊んで「ASTRAYはおもしろいじゃん!」と開眼した上、なおかつ作画が戸田泰成さんと聞いてこれはーと衝動買い。MSサイズの日本刀を鍛えます! とか、無茶しすぎです。色々。
・もちろん「クロスボーンガンダム鋼鉄の七人」も。F91、オリジナルよりハリソン大尉機のほうが出番多くなっちゃってますよね、もう……。

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