第23回関東組ロボット練習会 in 高津市民館
小雨に煙る長崎屋の屋上は、切り取られた昭和に充ち満ちていました。
十二階の窓からの風景にうっかり気を取られる第二十三回の練習会は、これは初めての会場。溝の口駅のすぐ近く、川崎市高津市民館での開催です。渋谷から東急田園都市線に乗り、ちょっとした手違いで行き過ぎたりした後溝の口へと到着。いきなりの高架遊歩道に、駅直結の丸井のビルがあってびっくり。普通に10階レストラン街とかがあり、日曜だけあってご家族連れで混雑しているこの有様の上に、本当に市民館があるのかと思ってエスカレーターに乗ったら…… そこは普通に公民館な雰囲気でした。このシームレスな落差にびっくり。
それはともかく、会場設営中の人形つかいさん達にご挨拶したあと、うっかり窓の外の風景に引っかかったが為に上記のようなことになっていたわけでした。いやもう眺望のいいこといいこと。
視界はつづくよどこまでも。あいにくの天気にもかかわらず、うっすらと東京タワーや新宿ビル街まで見えましたよ。
窓の外の風景は、まるで合成写真のようです。会議室の机の配置は独特のものでしたが、「机に奥行きがあると作業性が上がっていい」とのご意見が。これは文京で練習会をやるときの参考にしなくては。
悪と戦うその男には二つの顔があった。と言うわけで、「ゴッサムシティみたいですよね!」といすぜんさんと二人して大盛り上がりしてしまった、新宿ビル街のうっすら見える光景。
荘厳な雰囲気でしたが、オチとしては「ゴッサムシティに髙島屋はないですよね」と言う結論に。
なんだか何をしに来たのかすっかり判らなくなっていますが、もちろん今日は関東組ロボット練習会です。驚いたのは高齢の方が初めて見えられていた事。あとから伺った話では、なんでも御年97歳でロボットを始められたのだとか。アールティさんで話を聞いて、ここまで電車で来られたのだそうです。持ってこられていたのは外装装着型のKHR。側転がうまくいかない、と言うことで、居合わせたイガアさんが調整してくださってました。
本当はアニメイダーさんが今日来られると言うことで、本日こちらに来られたみたいなんですけども、そのアニメイダーさんは一向に姿を見せず。処でいしかわさんは二時頃に到着、それはいいんですけども、いきなり一口たい焼きをかじりながらTOBBYさんと一緒に会場入りと言う、一体どういうリングインの演出ですかそれは状態。
SDレイズナー。細かい外装が増えて、だんだんそれっぽいルックスになってきました。
心配なのはこれでも歩くかどうかなんですが、今回は旋回しながらの移動も追加。ロボビリヤードにも初挑戦していました(記録は1本でしたが)。「起き上がれないので転倒した時点で競技終了」と言うのは、ロボビリヤードでは初かも知れませぬ。
手前にいる銀色のものは、イガアさんの新作(こちらは後ろ側です)。実はこれはロボットではありません。
半固定式の関節を持った言わばロボットサイズのダミー人形。両腕を使っての投げ技を編み出したナアガの練習相手となっていたもの。今日は色々なロボットと手合わせ(主にガルーの打撃技の標的でしたが)していました。
シンプルでかっこよいルックスです。
ガルーががつーん。
この日の朝に改造を受けて、背がかなり伸びたクロムキッド。
手の甲の白い部分、初期の頃のクロムキッドの手の幅がこれくらい。いかに掌が巨大化したか良く分かります。
クロムキッドの掌の内側。五指は飾りではなくきちんと稼働かつ機能すること、皆さんご存じの通りです。
中に黒いベルトのようなものが通してあって、それで指が動くみたいです。人体の構造に似てるかもです。
元々同型のクロムキッドとガルー。かなり足が伸びているのが判ります。
そしてナアガの投げ技。
がばあっと開く爪。この爪がわきわきしながら接近してくるのはかなり怖いです。
そして前後逆に腕を構えて突進することも可能で、またこれが一段と怖いです。
がっしりホールド。そして一気に。
おんどりゃー! ちゃんと片足上げて蹴り上げてます。
中央のリングでダミー君がサンドバッグになってたりロボビリヤードが行われていたりしているあいだ、周囲では調整や情報交換などが行われているのもいつもの光景です。
キノピィの表面に貼られているテクスチャの元の状態。木の模様が描いてある紙、ではなく、本当に薄い木のシートなんだそうです。質感にこだわった結果がキノピィなんですねー。
もちろん今日もキノピィは大人気。今回の新要素は「音」。
歩けばぴっぴっとかわいらしい音(これがまた右足と左足で違う音)。そしてなんとボイスも搭載。可愛い声で「こんにちわー! ぼくきのぴー!」と名乗りを上げます。個人的にはいつ「原点復帰完了!」って言い出すんだろうかとか変な意味でわくわくしておりましたが。
首の後ろにスリットがあり、そこにスピーカーがついていた様子。結構大きな音が出ています。
ひさびさに現場に登場したゴーレムくん。「ネットでは見たことあるけど実物は初めて見た!」と言う人も出る大人気。今日はSDレイズナーとの対決のため、人形つかいさんも熱心に調整に励みますが、「あと二時間くらいで出来ます」と言った後、もう一時間後に聞いたところ「あと二時間くらいで出来ます」と……。ハンガーにつるされたゴーレムくんは、なんか小刻みに膝がぷるぷる痙攣しています。ええと、大丈夫なんでしょうか。
下の写真は大きいサイズのものにリンクしております。容量もかなりなものですが、ゴーレムくんの巨大感を是非味わってください。何かに似てると思ったら、実写版トランスフォーマーに似てるんだ。
さて。イガアさんにKHRを調整して貰っている長老さんですが、本当はアニメイダーさんと会う手はずだったはずでした。人形つかいさんが調整に苦心されている間、そのアニメイダーさんはどうしていたのでしょう。「いま渋谷にいます」と言う声から約二時間後、「いま新宿にいます」との声が。 あれ?
……色々ありましたが、長老さんがお帰りになったのと入れ替わりくらいにアニメイダーさんが登場。会場を間違えて川崎に向かってしまい、いったん新宿に戻った後渋谷から田園都市線に乗って到着されたのだそうです。
「川崎からいしかわさんに電話して場所聞けば良かったんじゃ」「そういえばそうッスよね」 流石です。
顔が二つたぁナマイキな、な感じのマノイガンメンも。
さて、結局時間ぎりぎりまでゴーレムくんの調整は続いたものの、人形つかいさんから戦闘不能の宣言があり、SDレイズナーとの対決は次回に持ち越しと言う事に。かたちとしてはSDレイズナーの不戦勝となりますが、いしかわさんの喜ぶことといったら。でも今のところマノイオー>SDレイズナーなので、ぜひゴーレムくんにはマノイオーを制圧してほしいものだと思います。
そうこうしているうちに、時間が来まして撤収。
最後は駅前にて、ちょっと高級な感じの飲み屋であれこれ皆さんのお話を伺ったり。やけに充実している黒ビールを喜んで頂いたりして。
最後はもくろみをちょっと誤って、自宅最寄りのJR駅から20分ほど歩いて帰宅しましたが。初めて行った高津市民館は会場も綺麗。何より97歳でロボットにチャレンジしたと言う長老さんのバイタリティに感じ入った、そんな練習会でありました。
次回開催は11月18日、文京シビックセンターの三階会議室の予定です。
見学はご自由なので、皆さんロボットに興味のある方はぜひぜひどうぞー。
おまけ。
空に虹がかかりました。
これほどの大きな虹なら、その麓に何かがあると人が思うのも当然なのだと思うほど。大きく綺麗に空にかかった、それはそれは、大きな半円でありました。綺麗に撮れませんでしたが、それはそれでいいのです。記録に残らなくてもいい。永遠である必要もない。
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