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2008.01.18

【ロボット競技会見学の手引き~ 格闘観戦編・ルール、よく使われる用語】

 ロボットイベントで行われる競技は多岐にわたります。代表的なものですと、バトル、サッカー、短距離走、アスレチック(ROBO-ONEイーグル等)が挙げられるでしょうか。最近ですとレーザーを使ったシューティングのシステムが発売されるなど、ロボットを使った競技のルールはまだまだ揺籃期にあります。
 ここではその中でも人気が高く、また目にする機会も多いであろう格闘、バトルについて、観戦においての着目点などを説明したいと思います。

 ところで、ここで述べているのは、あくまで現時点での総論としてのルールであることにご注意下さい。競技の種類そのものも増えているロボットですが、競技のルールも日々変更されています。特に格闘におけるルールは、最大の格闘大会であるROBO-ONEのたびに微調整が行われ、そのたびに各地の格闘大会も「ROBO-ONE~回大会準拠」と言うかたちで競技のルールを修正し、またそれぞれの大会独自のルールを規定しています。
 そのため、ここでの説明はあくまで「格闘大会において、予想されるルール」として捉えて頂ければ、と思います。

 まず最初に誤解を解いておかないといけないのは、ロボットの格闘だからと言って「相手を破壊するまで行う」と言うわけでは、もちろんない、と言う事です。実際の格闘技がそうであるように、たいていはダウンか判定で決着がつくことになります。以下、代表的なルールをいくつか挙げておきます。

・1R3分
・3ダウン/10カウント制
・リングアウト/タイムは1ダウン
・スリップ2回で1ダウン
・捨て身技は1試合につき1回(あるいは1種につき1回)
・攻撃の瞬間に足裏以外の一点が地面に着く事は、スリップと見なさない

・3分で決着がつかない場合は、2分の延長戦。1ダウン先取で決着のサドンデスマッチ。

 さて、もうこの時点でいくつか判らない単語が出てきたと思います。とりあえず順を追って説明すると、試合時間は3分。この間手を繰り出し足を繰り出し、自分は倒れないで、相手のロボットを倒そうと両者が試みます。
 片方のロボットが3回ダウンするか、もしくはダウンしたまま起き上がれず、10カウント経過しても復帰できなかった場合は、その時点で試合終了。
 両者3ダウンを奪えないまま3分が過ぎた場合、奪ったダウン数の多いほうが勝利。さらにここでダウン数が同一の場合は延長戦突入。先に1ダウンを奪った方が勝者となる。わけです。

 リングアウト。これはそのままです。リングの空間は有限であり、そこから転落した場合は1ダウンと見なされます。だいたい落下しそうなリング周辺の下のところにはクッションが置いてあり、ロボットが落下しても致命的なダメージを受けないようになっています(重要:ですから、ロボットがもし落下しても、決して手を触れないようにしてください)。
 ただし、例えば相手の有効な攻撃でダウンして吹っ飛んで、その余波で落下したとしても、これは1+1で2ダウンとは見なされず、1ダウンとなります。

 タイムとは何か。試合中、レフェリーの許可がない限り、操縦者はロボットに触ってはいけません(ロボット同士が「からんだ」場合や、前述のリングアウトなどがレフェリーの許可した場合にあたります)。
 しかしロボットは精密機械ですので、試合開始直後、または試合中にダメージを受け、機能が低下する場合があります。この場合、操縦者はタイムを申請し、1ダウンを失うかわりに、最長2分間の整備時間を得る事が出来る、と言うルールです。
 言うなれば「応急手当」ですが、わずか2分とはいえ効果は非常に大きく、調子の悪い機体を抱えるとタイムを取るかどうか選手も(レフェリーも)悩むことになります。
 ちなみに、相手方がタイムを取っているあいだ、タイムを申請していないほうの選手も整備に取りかかっている場合があります。これは別に構わないようです(タイムを取った当の本人より時間がかかったりすると、いろいろ問題になるような気はしますが)。

 機能不全に陥ったロボットは、全く行動できなくなり、ただ突っ立っているだけの状態になることがあります。これでは試合にならないため、あまりにもロボットが動かないと、レフェリーにより「スタンディングダウン」が宣告され、1ダウンを失います(操縦者が復帰不能と判断し、そのまま棄権するケースもままあります)。

 次に、スリップです。スリップはこれもそのまま転倒を意味しますが、多くの競技会においては「ダウン以外での転倒=相手の有効な攻撃以外での転倒」と見なされているようです。
 これはどういうことでしょう? 競技会を見ているとお気づきになるかも知れませんが、ロボットは、まあ転びます。実によく転びます。現状のロボットは外部環境の変化による影響を受けやすく(特に、歩く床面の「滑りやすさ、滑りにくさ」は、ロボットの歩行の安定性に多大な影響を与えます)、場合によっては、ロボット同士がリング中央で接敵するまでのあいだに、お互いごろごろ転倒してしまい、いっこうに接敵しない、と言う状態が発生する事も起こりえます。
 昔、と言ってもつい最近のことですが、ロボットの歩行技術がまだそれほど安定していなかった時期においては、ロボットの歩行が安定せず転倒してしまうのは普通の光景であり、スリップは特段に問題視されることはありませんでした。しかし目覚ましいスピードでロボットの歩行技術が進歩し、歩きそのものも安定するようになってくると、逆に「一定水準以上の歩行技術」が、基礎能力としてロボットに求められるようになりました。
 他に後に述べる捨て身技との関連もあり、スリップはノーカウントから、「2回のスリップで1ダウン」と見なされる、とROBO-ONE本大会においてルールが変更。試合時間の短縮などの顕著な改善が見られた事から、標準的なルールの地位を確保するに至りました。

 ただし、難しい、また判定上で揉めやすいポイントとして、ダウンとスリップの見極めどころ、と言う問題があります。ロボットが攻撃に失敗して、勝手に転倒した場合はスリップとなりますが、そこに相手ロボットの有効な攻撃が重なれば、これはダウンとなります。ここで何をもって「有効」と見なすかは非常に難しいところです。例えば、相手のモーションの大きな攻撃にカウンターで攻撃をぶつけることで、ダウンを回避してスリップで済ませる、と言う行動もありえるわけです(攻撃中にバランスを崩したと見なされるため)。
 さらに最近では「相手の攻撃の勢いを利用して倒す」と言う、投げ技を繰り出すロボットまで出てくるなど、ダウンとスリップの判断は難しさを増すばかりです。
 何の競技でもそうですが、レフェリーだけが審判ですので。判断を信じつつ、しかし目を皿のようにして、「今のは何だったのか」と判断しつつ見られるようになれれば、と思います。

 紙幅をとりましたのでいったん中断。次は捨て身技について、あたりから。

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