第1回バトルカップ観戦記【決勝戦・準決勝~決勝】
■準決勝
○Gram vs ×サアガ
ここからは準決勝となります。かなりの体格差があるグラムとサアガの戦い。まず接近して攻めたサアガ、攻撃の拍子に後転、しかしこれは接触前と言うことでノーカウント。位置を取りながらグラムに次々と攻撃を仕掛けるサアガ、しかしグラムも倒れない。逆にサアガの攻撃の戻りに、こつんと軽く攻撃を当てていまきます。サアガ1ダウン、グラムの方が背が高く、サアガの攻撃が捲りきっていけません。一方のグラムも攻撃の打点がサアガの重心に比べ微妙に高く、両者手数を繰り出しますが、がちがちと音はするものの有効打が稼げない展開。しかしグラム、距離を置いたところで突然の転倒、これがダウン。再開、時折高速横歩きで距離を置きながら、再び接近し攻撃のサアガ、両者手数を繰り出し続けるも、おっと、サアガ攻撃の拍子に後転ダウン、これで2-1。残り1分。後ろを向けたサアガ、背中合わせで攻撃を繰り出す構え。グラム、背中側に両腕パンチ、しかしなんとどうだ。サアガ前方に攻撃を繰り出した拍子に前方へダウン! これで3-1、なんとサアガ準決勝で敗れ、グラムが決勝に進出しました!
×コガルー vs ○キャバリア
さあ、試合前に妙な沈黙が会場に立ちこめる。話題を呼ぶコガルーとキャバリアの対決です。まずはリング中央でキャバリアの回転パンチ、コガルー一回を凌ぐ。大股な横突きと回転パンチ、しゃがんで盾を縮め耐えるコガルーですが、一撃を食らった瞬間に転倒するコガルー。打点が違う両者、回転パンチと横突きをめまぐるしく繰り出すキャバリア、後方を取るコガルーは膝を捲るような攻撃ですが、しかしキャバリアの姿勢が微塵も崩れません。キャバリアの腕とコガルーの盾が交錯し、がちんばちんと鋭い音が響きます。位置取りは妙技です、コガルーはキャバリアの後方にぴったりとくっついて離れない。後方からコガルー、絶妙のタイミングでキャバリアの股下に攻撃を叩き込む。一瞬視線を前に崩したキャバリア…… しかしここでキャバリア、半分崩れた姿勢から「しゃがみ」の動作! 一瞬で姿勢を沈みこませ、姿勢の崩れを吸収したキャバリア、転倒の勢いから見事に復帰! 会場からどよめきの起きる中、コガルーはめくるような攻撃を打ち込み続けますが、キャバリアは素早く姿勢を沈める動作を繰り出し、打撃を吸収し続けます。コガルーはなおも後方から仕掛け続けます。盾を突き出す両腕突きがキャバリアの片足を後ろからえぐる。キャバリア、微妙に姿勢を崩しかけはするものの、勢いに負けてのはコガルー。跳ね返されて転倒。
なんと3-0、キャバリア今だ地を這わず。無傷のノーダウンで勝利を収め、決勝に駒を進めます!
リング上では、舞妓さん4号・さくら2号、KHR-赤、シーラカンスによる、ランブルと言うか落としあいが行われております。
さてさて。残すところ、これで二試合。三位決定戦はサアガとコガルー、決勝はGramとキャバリアとの決戦となります!
■三位決定戦
○サアガ vs ×コガルー
さあ、下馬評では優勝候補と言われた両者の対戦カードがここで実現です。コガルー対策を入念に練ってきたサアガと豆戦車コガルーの対決。サアガのイガアさんは、いきなりの「投げのみ」宣言でチャレンジ。気合い十分のサアガはリングを縦横に駆け回る。試合前からいきなりリング上にネジが落ちています。一体誰の。
リングの整備のあと、いよいよ試合開始! 両者リング中央まで一気に殺到、いきなり投げもーどのサアガ、ずっと投げモードで接近します。両腕パンチでガルーが押し戻そうと試みるも、鉄砲のような強引な勢いで押し続けます。しかしサアガ、ガルーの脚首を強引に掴んで投げを打つ! 自分自身も後方にダウンするものの1-1。再びサアガは延々と投げの構えで攻め込み続ける、逃げるコガルーをリング脇に追い詰めるサアガ、コガルー両腕パンチを次々と繰り出し、ほとんど必死にサアガを押し戻すも、コガルー押しのけられてどんどん後退。リング脇に追い詰められたコガルー、とうとうリングの外まで押しのけられる! ものすごい勢いで押しのけられたコガルー、なんと勢いでリングアウト!
サアガ、投げ技で押し出しと言う斬新な展開で勝利を収め、三位を勝ち取りました。
残すはいよいよ、決勝戦を残すのみとなります!
■決勝
×Gram vs ○キャバリア
一ヶ月続いたバトルトーナメントも、とうとうこれが最後の試合。
最終決戦は、学生チームの雄、決勝トーナメントの決勝まで駒を進めたグラム。今日のグラムは安定しています。そしてもう一方は大きな大きな台風の目、巨大メカキャバリアの決勝戦です。大きなグラムと、もっと大きなキャバリアとの対決です。バトル寸前、ちょっと調整の入るキャバリア。ちょっと心配な展開ですが……。おっと、無線トラブルのようです。大丈夫でしょうか。しばらく順延となります。
あ、直ったみたいですね。いよいよ試合開始です。
まずは両者、中央で慎重な接近。キャバリア、しゃがんで回転パンチを放ち…… グラム姿勢を崩す、ゆっくりとしたダウン、これでまずキャバリアが1ダウン。キャバリアの伸びる突きを横にかわし、回転パンチを微妙に姿勢を崩して凌ぐグラム。両腕を持ち上げるパンチを繰り出すもなかなか引っかかっていかない。しかし回転パンチをグラムもがちがちと音を立てつつも凌ぎます。横突きを微妙に受け流し、キャバリアの後方にうまい位置取りをしていたグラムですが、しかし突然その場で横転! 2-0となります。
リング脇に詰めたキャバリア、横突きを繰り出す。グラムの繰り出した攻撃がキャバリアの脚に引っかかり、一瞬姿勢を崩しかけますが、これは自力で復帰。しかし最後はグラムが自爆気味にダウン、これが決勝の最終カウント。3-0、キャバリアが一気呵成の勝利。3-0、なんと無傷のノーダウンでキャバリア、一気に優勝を勝ち取りました!
「問題点を洗い出せた」とキャバリアのえまのんさん。「もう二度とやりたくないです」と芝浦工大グラムチームでありました。
リング上では決勝進出機体によるランブル開始。と言う話だったのですが、出てきたのはとくに関係のないクロムキッド。こにサアガも乱入、さくら2号とキノピーも、キノピーも!? 四角いリングは今やもう、ルール無用の有様です。
さてさて、ちょっとインターバルがあったのち表彰式ですよ。
3位はサアガ。アールティの中川社長より、表彰が行われます。2位は芝浦工大チームのGram。
ここで特別賞として、奨励賞が舞妓さん4号チームに。そして最後は優勝。キャバリアのえまのんさんに贈られます!
特別解説のDr.GIYさんによる総評にて、次回はキットモデル限定による大会が行われる旨発表があったのち、記念撮影となります。
4月8日より計5回に渡って行われた、アールティ主催バトルカップもこれにて閉幕となりました。
計32体のロボットが入れ替わり立ち替わり登場する、関東では珍しいバトルオンリーの大会。それも一ヶ月にわたって長期開催されると言う、全国的にも非常に珍しいスタイルの大会でしたが、終わってみれば盛況での終了でした。
余裕を多く持った大会運営や、参加選手の負担を減らすための幾多の工夫、またわかりやすさとスピーディさを重視した独自のルールなどが上手く機能した結果だと思います。
予選においては、誰でも同じ数だけ試合の出来るスイス式トーナメントの導入や、ダウン数で有利となってもドローや逆転に持ち込む望みの持てる、タイムアップやリングアウトの独自の解釈も、選手主体の大会運営と言う趣旨に上手く噛み合っていたと思います。きっぱりしたコンセプトは逆に、観戦している側にとっても良かったんじゃないかと思います。
予選と予選の間が一定期間空くことが、そのかんに参加ロボットの情報が参加者に徐々に伝わったりするなど、変なドラスティックさが生み出されて独特の面白さが出ていたんじゃないかと思います。
すでに次回大会の開催も予定され、レギュレーションについての方向性も発表になっています。バトルと言う二足歩行ロボットの沃野に参加する人がこれからも増えていくよう。大会の今後にも、期待していきたいと思います。
ともあれ、参加者の皆さん、そして主催のアールティの皆様。おつかれさまでしたとともに、ありがとうございましたー。
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