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2009.01.07

【読書】「天の光はすべて星」(☆☆☆)

 原子力ロケットエンジンが実用化され人類が金星まで歩を進めた、輝かしい過去の煌くもう一つの1997年。しかしマックス・アンドルーズと人類は、星を遠く仰ぎ見るだけの日々を送っていた。かつての宇宙飛行士、腕利きのロケット技師である還暦前の片足の男、そして宇宙への情熱を忘れ果て、些末な日々に囚われ続ける地上の国。朽ち果て続ける男と星の日々は、しかし突然終わりを告げる。議会上院の補欠候補が、『木星飛行』を公約に掲げた事を知った時。蒼空を目指す男マックスの人生最後の挑戦が始まった--。

 これ、今ドラマ化したら予想以上に受けるんじゃないかしら。と言うわけで。主人公はかつて宇宙を夢見て、事故のために夢破れた、初老の素晴らしきロケット野郎。自分にも世間にも我慢がならない彼に、ひょんなことから火がついて。破天荒な行動力と一瞬たりともぶれない上向き視線が、周りをどんどんと巻き込んで事態は急展開していきます。最大の同志たるギャラハー候補(のち議員)や、ロリイやクロッカーマン達ロケット仲間、『星屑』と呼ばれる宇宙開発派の人々。そして政界や大統領までも動かし、人類初の『木星行き』へと向けて。片足の彼が全てを引っ張り牽引していくのです。
 読後思う事は。確か心理学の本で読んだ用語だと思うんですが、『周辺人のルサンチマン』とはこのようなものか、と言う事。たとえは悪いですが、ヒトラーが決してドイツ人ではなく、ナポレオンがフランス人と言うよりイタリア人であったことが、彼等の行動の一つの原動力であったように。主人公の暴発的なエネルギーの根幹に、挫折し排斥された者の爆発力を垣間見る気がするのです。
 そして何より、出てくる人々の気っ風のいい事気持ちのいい事。弟のビル、甥のビリーといった家族達や、ギャラガーやクロッカーマンと言う盟友達は勿論、探偵や名前も出てこないロケットマンなどの端役に至るまで、皆それぞれにプロフェッショナルなのだろう、と気概を感じる快い人達ばかり。本編の中の「いい友達が揃ってるな、あんたには」と言うくだりには、流石にぐっと来ます。
 本編300頁と中編程度。まだ手に入りやすいと思いますので、是非一気に読んでみて頂ければと思います。

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 気紛れに読書感想文カテゴリを作ってみました。
 文字数制限つけないとだらだら書いちゃうので、一冊につき800字前後でとりまとめたいと思います。ヴォー。

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