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2009.02.24

未来方向にベクトルを向けた因果律の確定、またの名を前借り(☆)

 ちょっと必要があってカーボンオフセットがどうこうと言う話を聞いてきたんですが、その話を聞いているうちに、なんとなく先物取引みたいなイメージを脳内に持って。さらにそこから派生して、帰ってきてから思い出したのは、なぜかドラえもんの「のび太の大魔境」でした。

 冒頭でスネ夫がいきなり放つ名台詞、「世界はもう あらかた探検されつくしているんだよ」で印象深いこの作品ですが、何違う。僕はそうでした。それはともかく、作中にも、多分ここだけに登場する、非常に興味深い道具があります。その名は「先取り約束機」。
 これはなにかと言うと、一言で言うと万能タイムシフト機能、あるいはスーパー前借り機。「あとである行動を必ず行う」と宣言して認められると(誰が承認してるのか知りませんが、やけに一生懸命約束を訴えているシーンがありましたが)、その結果を先に得られる、と言う道具です。
 たとえば作中では、食べるものがなく困り果てたドラえもん達一行がこれを使う、「あとで必ずご飯を食べるから」と宣言することで飢えを凌ぎます(実際にそのあと、二日分の食事を「たいへんだなあ」とか言いながら食べています)。この道具は作品中で実に重要な役割を果たし、ちょっとした矛盾を解消する事になる(むしろ、ちょっとした矛盾がこの道具を使うと言うアイデアを生んでいる)と言う、面白い道具です。
 結果を先に受け取り、原因をあとで必ず果たさなければいけなくなる。物事の因果関係を入れ替えてしまうと言う、一種、未来方向に干渉できるタイムマシンと言ってもいいでしょう。逆に言えば、この道具で結果が実現してしまった以上、必ずその原因が、未来のある時点で起きる事になるわけですから。因果関係が破綻する事はない、と決めてかかれば、前借りの約束を守る事ができない-- 未来のある時点で原因となる行動が出来ないと判っている-- 場合は、もちろん結果そのものが起こり得ません。そして、結果が起きるか否かにより、未来の時点で起きうる事も予想できてしまうのかも知れません。これって観測問題にも関わってくるのかなあ。

 作中で登場したこの道具は、通信機みたいな形をしていましたが、実際にはこの道具の実体はサービス会社のようなものであって、そこにアクセスするための存在として「先取り約束機」があるのかも知れませんね。

 アジモフの冗談エッセイに出てきた、試薬を入れる前に反応しちゃう、うっかり化学物質みたいな話ですが。排出量取引の話を聞いていて、なんか先取り約束機みたいだなあ、ってそう思った次第でした。まあ双方納得しているのなら大丈夫だと思うのですが。

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