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2009.03.07

【映画】ヤッターマン(☆☆☆☆)

2009030701

 現実が妄想を超えちゃってました。
 まんぷくです。これだけやっておいて、まだ何か不満なのかと言う感じ(特にスタッフロール後)。明らかにやりすぎです。誰か途中で止めようとはしなかったんでしょうか。暴走させてくれて本当にありがとうと言いたい。

 さて、お題はもちろん実写版(特撮版?)ヤッターマン。新宿ピカデリーの上映、第一回で目撃。
 お客の入りは朝10時だと言うことを考えるとびっくりするほどです。ピカデリーの控え室が人でごったがえして、グッズ売場が入り込めないほどだ。まあヤッターマンのぶんだけではないと思うんですが。

 さて、劇場版と言うことでいろいろ気にしている人もいると思いますが、これは確実にヤッターマンです。とりあえず、始まった瞬間に渋谷もとい渋山がもう廃墟。待ち合わせの名所ハッチ公前もがれきの山、という、衝撃の、と言うか、始まった瞬間既に突っ込みどころ満載のオープニング。それにはあえて誰も触れず、いきなりメカ戦から開幕、回転するわ車は飛ぶわのアクション大全開、キャストも最初こそ違和感を感じますが、トンズラーの暴れ具合の格好良さとボヤッキーの振り回され具合を見ていると、そのうちピタリはまって見える、と言うか、もうヤッターマンだよこれは、もういいじゃん、と言う気になってきます。……そうそう、「予告編でいいシーンをみんな使っちゃう」ってよく聞く話ですけど、この映画に関しては、予告編は本当に予告編です。それ自体が皮肉かパロディかと思うほどに。

 きちんとヤッターマンのフォーマット(バトル編)をきっちり消化して、タイトルロールがでてきた時でまだ5分か10分。僕らはもうおなかいっぱいです。これで終わりとか出てきても僕は満足だと思っていたら、そんな単純な話じゃなかった。
 フォーマット通り、といま言った通り、突っ込みの入り方から音楽の鳴りはじめまで、参ったかとばかりに、これはヤッターマンです。それもなんていうのか。記録されたヤッターマンではなく、記憶されたヤッターマン。
 たぶんこれを見たあと、CSとかでヤッターマンの再放送を見たら「あれ?違う?」と思うのかも知れません。過去をそのままなぞったわけでは、きっとないはずです。監督に限らない、誰もの、あるいは誰かの脳内で醸造され、いい感じに発酵した。三十年もののヤッターマンの映像がここにあると言う感じなのです。

 途中に絡むギャグが不発弾を含むのも、なんだかある意味原作に忠実な気がするのも不思議な所ではありますが。もっともこの映画の笑いどころは、テンションを上げるだけ上げておいて、急に現実とか常識が無言で突っ込みを入れてくる(あるいは「その流れだと確かにそうだよな」とか思っちゃう)流しっぱなし投げっぱなしのところだと思います。まったくお人の悪い。知っている人には判る書き方をすると、獨伝把マスターのリアみたいな感じで。

 パンフレットにもちょろっと書いてありましたが、原作三話分くらいを無理なく映画に詰め込んだと言う感じで、密度は感じても詰め込み感はありません。まあもともと、筋書きやプロットこだわる作品じゃあありませんよね。むしろ、過剰なまでに丁寧に、過剰なまでに懇切に作りこまれたビジュアルに、隅々までぜひ目を向けてほしいところです。だって渋山から乗る地下鉄の路線図には火天宮とか言う駅名があるし、家電量販店の看板はトドバシカメラなんだぜ。オジプトとかナルウェーとか大きな地名ももじってますけど、そういう細かいところまでいじり倒して作り込んでいるところに是非注目です。細かいところでは、ガンちゃんがヤッターワンを整備するために分解しているシーンがあるんですが、大きな部品を運ぶためのクレーンが、ちゃんと古風な手元リモコンなんですよね。あのごっついボタンがついてるやつ。

 ドロンボー一味の演じ具合は、なんていうか、針が振り切れててステキな感じ。ドロンジョだけではなく、ボヤッキーとトンズラーもきちんとクローズアップされている所は、脚本も演出も愛情たっぷりです。おしおきもそうですけど、むしろ異常にハイテンションなインチキ商売にぜひ注目。メカ作らないでこれで十分以上に食っていけるよ君らと言う感じ。キーワードは十万円だ。
 ヒロインの丁寧な扱いの悪さとか、「こんなところまで原作(原作シリーズ)通り?」とか言う観客おいてけぼりすれすれの細かい展開とか。照れもてらいも気負いも感じさせない、純粋にいい意味で、頭を空っぽにして見に行くべき映画だと思います。

 これは面白い! これはBD買うね! 僕は買うね! と言うことで。
 「どうかなあ」と思っている人は、見に行くべしと思います。見てつまらなくても金は返さないけどな!
 ドロンボーに騙されるつもりで、ぜひ見に行って下さい。僕は文句なしに面白いと思いますけども。騙されたら騙されたで、話のタネには確実になりますゆえ。

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 以上までの文章は、だいたい映画を見た直後に新宿のマックでポメラを使って打った(帰ってきてから手直しした)んですが、これこそポメラの正しい使い方だと思いました。もう進む進む。
 あと、お隣のお子ちゃんが「ヤッターマンだー」ってパンフレットに非常に良い食いつきを見せていました。このくらいの子なら新ヤッターマン見てるんだろうなって思うと、世代を超えて云々って本当にあるんだなあ、と思わず納得した瞬間でした。

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コメント

見ようかどうしようか迷ってましたが、これ見て気持ちが固まりましたW 子供のころ見てたのが再放送なのか新なのかも知らないのですが。

投稿: にゅうがわ | 2009.03.07 19:19

 おおう、そう言って頂けると感想を書いた甲斐がありますです>これ見て
 ぜひぜひ劇場に足を運んで、いかす三悪ダンスを見てあげてください。なんていうか、ときどき獨マスノリですからほんとに(笑)。

 新ヤッターマンは昨年2008年からの放送なので、ごらんになってたのは初代の再放送ですね。故・富山敬さんのナレーションは絶にして妙でありました……。

投稿: sn@散財 | 2009.03.07 21:30

こちらも見て参りました。正に2次元から飛び出して3次元を突き抜けて宇宙の彼方まで行っちゃった様な面白さでした。深キョンのドロンジョ様も最高でした☆

個人的には「決して無くなってはいけない物」のその後がとても気になりましたが(笑)。

投稿: LILY | 2009.03.10 00:09

>LILYさん

 大スクリーンと全力で予算使って、あんなベタなネタをやっちゃうところが素敵ですよねー(笑)。

 メカニック関係の金属むき出し感も大好きであります。また来週とは言いませんが、もう一回くらい見に行きたいなあ。まだ見てない人を巻き込んで(笑)。

投稿: sn | 2009.03.12 22:04

同感です
私は今日までに、2回観に行ってきました。
初回は、冒頭の10分を見逃してしまいましたので。
ヤッターワンの形が、どうこうって言うのさえ、気にならない程、ヤッターマンでした。
びっくりどっきりメカに涙。あの日の土曜日に、どっぷり浸かった気分にさせて頂きました。
ところで、なんでドロンジョ様の3Dポスターが無いの?公開されてから、まだそんな日にち経って無いですよね?
それとも、私が知らない内に、物凄い人気になっており、速攻売り切れだったとか?
知っている人いたらおせーて

売ってないなら作るまでだ、深キョンドロンジョ。 より

投稿: きんたぐんて | 2009.03.16 00:13

 遅くなりましたが、コメントありがとうございました!

 3Dポスターについては、公開初日初演の段階では、確かに展示されて販売されておりました。恐らくあっと言う間に完売してしまった(あるいは入庫数が少なかった)のではないかと思われます。おろろろ。

 知り合いにもだいぶ好評で、なんだか嬉しい昨今です。BDが出たら小ネタの復習会をやろうみたいな話になっているくらいで(笑)。
 ともあれ、ありがとうございましたー。

投稿: sn | 2009.03.20 19:21

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ヤッターマン (2008)今回の映画は、「ヤッターマン」です。本作「ヤッターマン」は、ヤッターマンとドロンボー一味が、ドクロストーンをめぐってせめぎ合う姿を描くアドベンチャー・コメディです。監督は三池崇史。ガンちゃん(櫻井翔)は父の遺志を継ぎ、巨大犬型ロボ... [続きを読む]

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