おしえて☆RIKYU様!(☆☆☆)
リンク: Amazon.co.jp: 利休にたずねよ: 山本 兼一: 本.
タチの悪い冗談のつもりでつけたタイトルですが、本当にこんなライトノベルありそうだなあ(ただいまの検索の結果0件)。
冗談はともかく。いつもいつも悪球打ちみたいに変わった本ばっかり読むばかりじゃなくて、普通に売れ筋の本も読もうと思ったのが半分。のこり半分は、烏羽さんか借りたへうげものがあまりにも面白かったので、ついついと利休関係の本に引っ張り込まれて、手配してきた次第でありますよ。
まだ途中までしか読んでいませんでしたが、これはさすがにと唸る作品です。題材と話の筋立てもそうですけども、なんといっても構成が強烈です。
物語の皮切りは、天正19年2月28日。秀吉に切腹を命じられた利休が命を断ったその日を出発点に、物語は果から因へ、現在から過去へと戻っていきます。利休はなぜ死ななくてはならなかったのか? 利休はなぜ利休となったのか? その因果が解き明かされていくうち、のちのちの…… つまりは物語の順序では先に読んだ出来事のその遠因が、過去、つまりは物語の先方へと配置されている、と、まあそんな感じのその構成。ミステリでは見かける事もある構成ですが、これを利休と言う人物の解き明かしに使っている、そして何より、無理なく読ませるほどきちんと構成しているところ、圧巻です。
まだまだ途中までしか読んでないのでなんとも言えませんが、現在から過去へと飛んでいく伏線が、どう回収されて解決するのか。非常に楽しみでありますよ。
まあなんだ。売れ筋だからと敬遠しないで、きちんと読むべきものは読んでおかないと。と、いつもいつも思う事を、また繰り返してみた次第であります。
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