逆襲のディセプティコンズ！（☆☆☆☆）

　オートボットとディセプティコンの最終決戦で、オールスパークが失われ、メガトロンが倒れた最後の戦い。それから2年後－。

　オプティマス・プライム率いるオートボットは、人類と協力して秘密防衛組織を結成。宇宙から飛来した新たな仲間と共に、ディセプティコンの残党狩りに当たっていた。上海に出現したディセプティコンを迎撃したコンボイ達は、しかしディセプティコン同士の同士討ちと言う、予想外の事態を目にする。スタースクリームの「フォーレンは、やがて到来する」と言う言葉に、困惑するオートボット達。
　一方、サムは念願の大学進学を前に悩んでいた。2年前の戦いをともに勝ち抜いたミカエラとの関係は、サムが大学の寮に入る事になってからぎくしゃくし始めていたのだ。進学したサムの前に立ち塞がる、もう一つの問題－。肉体に次第に起こる変容を目の当たりにして、メガトロンを発見した「先祖」が残したものを調べるべく、サムは行動を余儀なくされる。一方、地上では、アメリカ政府の方針転換を受けて、オートボットと米軍の関係にすきま風が吹きつつあった。
　－－軌道上では、ディセプティコン同士の睨みあいが続いていた。軍事衛星を乗っ取った新幹部・サウンドウェーブと、スタースクリームが主導権争いを演じていたのだ。デプスチャージやデバステーターを初めとする新戦力を率い、情報操作を駆使してメガトロン復活を目指すサウンドウェーブ。しかし、スタースクリームは彼に冷ややかな態度を取る。その背後には、メガトロンとはまた別の、巨大なディセプティコンの陰があった－－。

　迫り来るフォールン、それは惑星規模の危機。時間と星々の果てに引き裂かれた己の運命に気付くサムとオプティマス。サウンドウェーブが誰も予想もしなかった手段でメガトロンを復活させた時、オートボットと人類の未来をかけて二人は最後の賭けに出る……。

　と言うあらすじは全部ウソです。
　このままパワーマスターで合体するといいと思うんだ。

　冗談はさておき、トランスフォーマーリベンジ見てきました！　前作をいろんな意味で超えちゃった、と言うか、前作にはまだちょっとあった迷いとか躊躇いみたいなものが、完全にブッちぎれてどっか行っちゃった感じです。普通、2作目って1作目よりも筋立てが複雑になるものだと思うんですけど、単純になってますからね、なにしろ。登場人物もおおむね減っていて、メインキャラ級でも名前を呼んで貰えない人が（ロボが）ごろごろしています。

　ただアクションはこれでもか！これでもか！ああこれでもか！と言う感じで、時に重そうに、時に軽々と、オートボットとディセプティコン達の大暴れを思う存分見せつけてくれます。最初のコンボイ空中降下だけでも完全におなかいっぱいですよ。それだけにカメラワークが揺れ続けて、巨大すぎるトランスフォーマー達の全貌がなかなか解りにくい、と言うか、ずばり言って、今何が起きているのか解りづらい、と言う部分は（特に最初のほうは）かなりあるのですが、中盤以降は見通しが良くなるせいか、そのあたりもすっきりしてきます。

　とにかく全編、鉄の塊が歩くわ殴るわ撃つわ投げるわ、のバトルまたバトルのオンパレード。人間キャラでは、前作でもある種好き放題暴れていたサムの両親が、今作でも大暴れ。「親はむかつく」とか言われて、あやうくアイアンハイドに蜂の巣にされかけたご両親ですが、好き放題大暴れです。お母さん明らかにやりすぎ。ていうか映画的にいいのかあれは、と言うくらいに。
　さらに今回は、ＴＦキャラのコメディ担当要員が大増量。しょっぱなから大暴れのマッドフラップ＆スキッズ、双子のトランスフォーマー、通称「ツインズ」は陽気なイタズラ好き。バンブルビーにとっては手の焼ける弟分、と言うところ。そして中盤から後半にかけて、いろいろとまた面白いキャラが出てくるのですが、このへんは見てのお楽しみ、と言うところです。

　アクション作品としては上質で、何より監督の「俺はポップコーンムービーが撮りたいんだよ！　悪いか！」と言うある種の気迫が漂ってくる、そういう意味では一本筋の通った派手一辺倒の作品です。ウワーーー！　オワーーーー！　と言う思いをしたい方には是非是非お勧めです。前作もそうでしたが、やはり野郎共で連れ立って見に行くのが正しいと言えましょう。

　一つだけ残念だったのは、筋立てを削り込んだためなんでしょうが、主役級以外のトランスフォーマー達が見せ場に乏しかった事。ディセプティコンが次々と名乗りを上げるシーンとか、ああいうのが欲しかったなあ、と、それだけは残念だったこの作品でした。