SNIKT!(☆☆☆)
日曜朝の新ピカで、見てきましたよウルヴァリン。
こいつはまた大変にお勧めです。X-MENシリーズ(ことに映画シリーズ)の予備知識がないと、若干筋運びが解りにくいところはあるかも知れませんが、それでも単体として見ただけでも、ジャックマン版ウルヴァリンの魅力を、これでもかとばかりに喰らわせてくれる一作です。
さて、今作の面白さなんですが、ストーリーテリングです。筋運び話運びが、がなんとも絶妙なのです。もちろん基礎設定が頭に入っているから、と言う前提あるがゆえの強みなのかも知れませんが。むろん単純ではなく、さりとて、複雑すぎもしない。意外性を求めるあまり、ひねりすぎて訳がわからなくなってしまったり、登場人物の考えや動きに都合の陰が見えてしまったり、そんなふうに破綻してしまったりしていないのです。
あらすじの紹介を半分ばかり書きかけたんですが、やっぱりいかんこれは出さないほうが、と引っ込めてしまう面白み。こればっかりは本当に、見てみてほしいと思います。そりゃあ映画なんてそれほど熱心に見ているわけではないのでそう思うのかも知れませんが、おっ!? えっ!? と思いながら、かなりがりがり楽しませてもらいました。…………まあ、個人的にアメコミ原作ハリウッド映画ばっかり見ているわけですけど、「ダークナイト」とか「ウォッチメン」とかそのへんはもう別格として。娯楽であり、ヒーロー映画であり、その軸線からぶれない範囲での、意外性に満ちた筋運び、とそんな表現をすればいいでしょうか。いやもうねえ。
そして別の方面の魅力はといえば、ウルヴァリン自身はもはや言及するまでもないとして。敵味方、幾多の登場人物達。ウルヴァリンの最大の敵、悪のウルヴァリンとも言うべき"セイバートゥース"ビクター・クリード。明快なようで不可解な、凶暴さ剥き出しなのにどこかクレバ-、と言う振る舞いがなんともかっこよく。映画版一作目のセイバートゥースのことは忘れてあげてください残念ですけど。作中でも、何度もウルヴァリンとセイバートゥースの対決が繰り広げられるんですけど、同じような能力を持つ二人の個性を、挙動で目に見えるかたちではっきり描き分けるのはうまいなあ、と思う次第。
それ以外の登場人物も、一癖も二癖も魅力的な人々ばかり。電気人間ブラッドレー、テレポート能力を持つ渋い黒人さんライス、意外にもここで初登場の"ブロブ”フレッド。そして序盤の戦闘シーンで、まさに人間離れした華々しい戦闘シーンを見せつけてくれる"デッドプール"ウェイドと、"マーヴェリック"エージェント・ゼロ。そして彼等を率いる黒幕ストライカー。X-MEN2の時と違ってダニー・ヒューストンが当てていますが、狂信的な存在感は決して劣ってはいません。
意外なところでは"ホワイトクィーン"エマ・フロストと、"サイクロップス"スコット・サマーズ。X-MEN本編では重要人物である彼等も、ちょっとした、しかし重要な役で登場しています。……そうそう、本編で重要な人物と言えば、ガンビット、レミー・ルボーです。カードが爆発するおしゃれなケイジャンも、本編よりかなりかっこよくなって登場しています。おなじみカード投げも勿論やってくれてます。カードにチャージして爆発するまでの流れが、なんとも華麗でかっこよい、と思ったら、なかなかどうして、ダイナミックな真似もしてくれます。
そんなこんなで、詳しい事は言えないけど見て欲しい、とそんな感じの一作です。ウルヴァリンの恰好良さ、外さないけど外してくる筋運び、そして次々出てくるウェポンX関係者の恰好良さ。ヒーロー作品として、普通に見てきて、損をすることのない作品だと思います。ぜひぜひぜひ。
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