【映画】アバター(☆☆)
もうそろそろ見てこないと、公開期間的にやばいかも! と不意に思い立ち。気力放散気味の現状に軽く刺激を入れておこうと、見てきました噂のアバター。
3Dの字幕版で見てきたのですが、字幕は画面の一番前に浮き出ていて、ちょっと面白い感じがしました。それにしても席が一番前しかなかったもんで、首の疲れること疲れること。そして噂の立体メガネの所作で、脳のへんなとこがなんだか疲れた感じになることなること。いろいろな意味で、このくらいの時間が限界だな、と。作品そのものとは別にそう思ったシステムでありました。
3Dの映像は、最初こそ、おおっ、と言う驚きと、それに違和感を覚えますが、映像の作り方が、逆に3Dであることを意識させすぎないような方向を向いているのか、慣れてくると3Dであることを忘れて、つまり特に意識せず、映像に没頭できるようになります。予告編が3Dだった「アリス・イン・ワンダーランド」が、結構俺の3Dを受けてみろ-! 的な作りだったのと比べると、それほど押しつけがましくなく、3Dであることを途中から忘れて没頭できる感じです。惜しいのは、折々挟まれる、夜空を見上げるような超ロングショットのシーン。それだけ見ると美しいはずのシーンが、思いだしたように物凄くのっぺりと映ってしまう事でしょうか。プリミティブであり空想的でもあるパンドラの風景の中で、そこだけが急に、書き割りの空を見上げているようなシーンになってしまうのです。
話の筋そのものはものすごくシンプルで、アバター、つまり人造の「もうひとつの肉体」を遠隔操作して、他惑星の異星人とコミュニケーションする…… と言うギミックを除けば、ほぼ西部劇的な筋立てで成り立ちます。
いいネイティブが住んでいる土地。悪い白人は土地を狙ってる。主人公は悪い白人のスパイ。正体を偽って(特に偽ってなかった気がしますが)、現地の部族に入り込む。ところが族長の娘と仲良くなり、現地の風習にどんどん馴染み、俺こっちの暮らしのほうがいい、と思うようになる。ところが悪い白人は土地を狙ってとうとう攻めてきた。白人にはネイティブの仲間と思われ、ネイティブには白人の仲間と思われて。二律背反板挟み、どうすりゃいいのさこの渡世、とそんな感じの筋働き。
上手いのは、この筋立てを映像美を見せるのに上手く使っている事ですね。最初は未知の惑星だったパンドラの風景が、現地人であるナヴィの暮らしと生き方を学び、行動範囲を広げるたびに、次第次第に美しさを称えた雄大な風景になっていく。中盤での飛行のシーンは、まさに白眉と言っていいでしょうぞ。
新しいギミックに雄大な映像美、そしてシンプルな筋立て。これは映画館で見るべきだし、映画館で見ておきたい映画だと思いました。公開期間があとどのくらいあるか解りませんが、うわーーーーー! と言う思いをしたい方にはさしあたりお勧めです。
でも、、最前列の席だけはやめたほうがいいですよ。
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