« ユビキタスるは我にあり(予告編)(☆) | トップページ | みそかに深酒する一種のカルマ。(★) »

2010.01.31

ユビキタスるは我にあり(放浪編)(☆☆☆)

 というわけで、今を去ること何日かそこいらくらい前。東京ユビキタス計画の実証実験と言うのに参加してきました!

 東京ユビキタス計画とは。東京と言う街の情報、今立っている地点の情報を、誰でもいつでも取り出せて、利用できるようにしようと言う、ざっくり言ってそんな感じの大プロジェクト。今はその実証実験として、銀座と西新宿で期間限定で実験が行われており、誰でも申し込めばそれに参加できる、と言うわけです。
 詳しい詳細などについてはデイリーポータルZさんのこちらの記事が大変詳しいですが、僕もこの記事を見て、ウワー面白そうステキキャーやってみよう。と実に軽薄に考えて、でももう埋まってるよな人気ありそうだしな…… とか思って申し込んでみたら、さっくり成功して逆に戸惑いながら出かけて来た、と言う寸法です。

 土曜の銀座に繰り出すのに、訳あってスーツを着てきた男が現場に到着したのは11時30分前後。11時からの申込で、一時間以内に着かないとキャンセル扱いなのでいきなりどきどきです。受付の男性の人に、あのうー、と低姿勢で申込み。書類を書いて。この実験のキモである、ユビキタスコミュニケータを貸してもらいます。

2010013101

 これがユビキタスコミュニケータ、本体部分。かなり薄いです。
 これに片耳にフックするタイプのイヤホンと、イヤホンと本体の間に挟む、MP3プレイヤーみたいな小さい機械の三つのパーツで構成されます。(こちらの記事のまんなかくらいの写真のやつですね)。
 で、この間にはさまる機械。これは「服の上など、外から見えるところにつけてください」と言われます。上のところが赤外線か無線LANのアンテナみたいな外見なので、たぶんここが外付けアンテナで、ucodeタグと更新しているのでしょう。この中間部から伸びたケーブルは、本体のすぐ手前で二股に分岐して接続しています。見た感じ、miniUSBと音声ミニプラグの二股っぽい感じ。
 説明を聞きながらコートの襟とかにケーブルをクリップしますが、気分はこの時点ですでにケーブルにからまった男。土曜の銀座のランチタイムに、露骨にキカイをぶら下げた黒いハーフコートの男が登場です。もー。

 ちなみに、裏側はこんなかんじ。つるっとしてますね。

2010013102

 外から見て解るハードウェアキー的なものはふたつだけで、前面下部にあるホームボタンと、見えていませんが右上のフチに操作ロック(もしくは省電力モード)のボタンがあります。一定時間操作をしないか、もしくはこのボタンを押すと、バックライトが消灯し、タッチパネルの操作を受け付けなくなります。その状態からもう一回押すと解除。左上には赤外線受光部のようなものが露出していました。
 ハードウェア的には多分ありものを使ってるんじゃないかと思うんですが、これが何なのかは今ひとつ解らず。こんど調べて見ます。

 操作説明と諸注意を伺い、こんがらがったケーブルを整理したら、いよいよユビキタスに野放し開始です。チュートリアルの画面の最後が、まずは銀座四丁目交差点に向かってみましょう、と言うガイドなので、それに従ってみることに。
 言うのがすっかり遅れましたが、今回の実験範囲は銀座と西新宿の二カ所。西新宿は丸ノ内線西新宿駅から都庁舎までと、都庁舎内部(でも都庁はお休みのはずなので、今回は見送り)。銀座は有楽町駅前からシネパトスくらいまでの晴海通り沿いと、銀座通りを一丁目から八丁目までの大十字型。その起点となる中心地の銀座四丁目の交差点に、まず誘導されると言う寸法です。
 そして銀座B2交差点のエレベータが、「ふたつのドアが90度ずれてついている」形なのにすごい感動。出てきたところが、不自然なくらいビルとビルの間なのにまた感動。まんずどうでもいいところではまっています。

Cocolog_oekaki_2010_01_31_10_40

 こんなかんじ。

2010013103

 思いっきりビルの隙間にあります。ほんとびっくり。
 さて、コードにからまりながら地上に出て、そのまま案内に従って直進します。さきほどエレベータに乗っている前からそうだったんですが。チェックポイントに近づくと「ぴぴーん♪」と言う感じの軽快な電子音が鳴り、それにつれて端末上の案内画面と音声ガイドが更新されます。実際の現場の写真の上に半透明の矢印が乗っかっている様は、これをもうひとひねりすれば拡張現実だよな、って言う感じ。
 そうこうしているうちに、銀座四丁目交差点に到着。銀座四丁目の交差点っていえば時計だよな…… と、ぐるぐる見渡しますが見つからず。当たり前のことで、肝心の時計の真下に立っていたわけですからして。

 そんなわけで、和光の下に辿り着くと。再び「ぴぴーん♪」と言う音とともに、端末の画面が切り替わる。次に表示されたのは、すぐ左手にある和光の情報です。

2010013104

 新着情報がいささか古い(今秋って……)ですが、これは和光さんから提供されている情報がそもそも古い、ってことなんでしょうね。ここでは周辺の大きなお店の店舗情報や営業情報が見られます。さらに面白い、と言うか、僕が一番はまったのは、その下の「銀座探訪」。場所場所ごとにちなんだ珍しいショートフィルムや解説を見せてくれると言うもので、いろいろありましたが、この和光では「和光上の大時計は実は四面ちゃんとある」と言う豆知識と、その普段見られない残り二面の画像が登場。おもしろうございました。

 で、このシステムのしくみなんですが。どうやらこんなふうになってるみたいです。

2010013105

 たとえば街路樹の花壇。これをよく見ると……

2010013106

 ところどころに、こういうものが埋まっています。かたちはこれ以外にもいろいろあるみたいですが。
 これはucodeタグと言うもので、言うなればビーコンのようなもの。これにユビキタスコミュニケータを近づけると、さきほどの「ぴぴーん♪」と言う反応音が鳴り、ユビキタスコミュニケータは「最後に更新したucodeタグ」の位置から、現在位置を取得します。で、最寄りのスポットの場所の観光情報やビデオ、お店のお得情報などが、言うなれば「解禁」され、ユビキタスコミュニケータで閲覧できるようになるわけです。
 一方、別のucodeタグの存在を認識すると、それまで別のucodeタグで閲覧できていた情報は、再ブロックされて閲覧できなくなります。これで要するに、一番近い場所の情報だけがユビキタスコミュニケータで閲覧できるようになる…… 不要な情報をフィルタリングすることで、ものすごく狭い範囲で必要な情報を、自動的に受け取れるようになっている、と言う寸法です。
 もちろん、閲覧範囲外の情報を全く見られない、と言う意味ではありません。それは検索などでいつでも見る事が出来ますが、自動的にメニューの最上段に出てくる選択肢を、こうやって絞り込んでいるわけですね。

 道案内も、地図情報も同じ仕組みl。移動していくとつぎつぎと、ucodeタグを言わば綱渡りして歩いていくことになります。こうして次々と連鎖的に「長短距離の道案内」をつなぎあわせることで、「ucodeタグからucodeタグへの道案内」さえ用意しておけば、どこからどこでもルート案内ができる、と言う寸法です。地図の場合はもっと単純で、最後に更新したucodeタグの位置がだいたい地図に表示されて「いまだいたいこのへん」と言う情報が出てくるわけですね。端末そのものにGPSや基地情報などを取っている気配はありませんでした。
 ちなみにビデオを見るなどのメニューも、別にダウンロードしているようなタイムラグもなく即時出てきます。最初はucodeタグが無線LANのアクセスポイントになっていて、ビデオをダウンロードしているのかと思ったら、そうでもないみたいですね。

2010013107

 ちなみに、これが道案内の光景。
 商工会議所の碑は、捜したんですけど見つかりませんでした。あれ結局どこにあったんだろう。

2010013108

 関係有りませんが、間隔的にちょうどいいのか、ucodeタグと喫煙所はだいたい並んでおいてありました。

 さて、この面白いucodeタグによる認識が、実はちょっと困った点でもあります。
 というのは、移動していて新しいucodeタグを認識すると、たとえばビデオメニューなどが再生中でも、強制的にメニューまで戻ってしまうと言う点。これは移動して次々と情報が書き換わる、と言う前提から言えば当然の仕様なのですが、ビデオ再生中に歩いていると新しいucodeタグを見つけてしまい、再生が強制終了してしまうのがちょっと悩ましいところ。まあ、見ながら歩くな、ってことだと思うんですが……(汗。

 もうひとつの問題は、もうちょっとシンプルで深刻です。と言うのは、ucodeタグを端末が認識しなくなるケースがある、と言うこと。こうなってしまうと、困った事に打つ手がありません。誤った現在位置を認識したままになっているので、地図情報も間違っていますし、道案内もとんちんかんな場所から始まってしまいます。
 地図を見れば間違った位置にいることは解るのですが、強制的にucodeタグを認識させる方法がわかりません。ハード的にはリセットスイッチもないですし、Q&Aのメニューを見ても、相当する対処法が見あたりません。ucodeの前で機械を降っても近づけても、反応してくれないので、なんともしようもなく。

 まあ、ほっておけば直るか、と思って、10分くらい放っておいたら、何ブロックか歩いたところで、聞き慣れた「ぴぴーん♪」と言う音が。……結局、ほっといたら直った、みたいな寸法で。これは強制的に認識させる方法とか、ucodeタグを見失った時用の「迷子スイッチ」みたいなものが欲しいな、と思った次第です。
 実際に観光の人とかがこの事態にぶつかったら、どうしようもないし、困るだろうなあ…… と。

 と、困った事態に見舞われつつも、あちこちぶらぶらしていました。

2010013109

 ビルからまっすぐ伸びる、あやしのパイプ。

2010013110

 ブラタモリでも出ていた、朝日稲荷神社さんでした。

2010013111

 こんなところでKHRの姿を見ようとは……!
 工具屋さんだったかな。

2010013112

 博品館さんの裏出には、なんとおもちゃの自動販売機がありました。のっそり顔をのぞかせるスライム。これにはびっくり。

 そんなかんじで、一週間もかかってしまったので最後が取り急ぎになってしまいましたが(汗。東京ユビキタス計画と銀座ぶらぶら散歩、とりあえずのまとめでありました。
 なんだかんだで楽しかったですよ。気がついたら三時間近く散歩していたみたいですからねー。

 精度やサービスにまだ角がとれてほしいところがあると思いますが、将来性と言う意味ではなんとも面白いサービスでした。ブラアプリなどと競合もしくは補完するかたちになるかと思いますが、こういうのが一般化した、ロボット化していく街、って言うのも面白かろうな(考えるとちょっと恐いけどそっちはまた後日)、と思いました。

 というところで、さしあたり。

|

« ユビキタスるは我にあり(予告編)(☆) | トップページ | みそかに深酒する一種のカルマ。(★) »

散歩」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11580/47437780

この記事へのトラックバック一覧です: ユビキタスるは我にあり(放浪編)(☆☆☆):

« ユビキタスるは我にあり(予告編)(☆) | トップページ | みそかに深酒する一種のカルマ。(★) »