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2010.08.12

文明刻みとどめしは、いつかどこかの牛の骨。(☆☆☆)

リンク: 東京国立博物館 特別展 特別展「誕生!中国文明」.

2010081201

 今日から弊社は盆休み(今日は誰かひとり留守番してるらしいけどスルーする方向で)。と言うわけで、前々から気になっていた、上野でやってる中国文明展を見に行きました。

 上野の国立博物館に行くとなれば、普通に考えればJR上野駅で下車するのが素直な考え方。今回はちょっとひねって鶯谷で降りて、裏側からぐるっと回ってみました。変なところにタクシーだまりが出来ていたりしてちょっとびっくりしつつ、普段とは逆の角度から博物館正門に辿り着きました。
 さぞかし死ぬほど混むでろう。と思い、開館時間前に行った(余裕を持って行くつもりが結局ぎりぎりになりはした)のですが、開館前の待ちの人がほんのちょっといた程度。ほとんどスムーズに入場していきます。
 人のまだいない博物館の敷地内はことのほか快適なり。そんなことを思いつつ奥の平成館へ入ります。
 古代から中世にかけて、河南省は中国世界の中心地でした。神話と実在の両方にまたがった夏王朝をはじめ、歴代統一王朝の多くのみやこがここにありました。のち元の時代から、いまの北京に政治の中心が映り始めるまで、おおむね中華世界の中心で有り続けていたわけです。そんな中つ国に遺る文物遺物の数々が、今日紹介されていると言うわけですね。

 展示は1部~3部と分かれており、1部は主に副葬品などの出土品を歴史年代順に、2部は装飾品や日用品などのさまざまな工芸品を。そして3部では、仏教や自然といった題材別に、書画など美術作品が展示されています。
 見所は、と言うか目当てだったのは、1部にある古代中国、商や西周の時代の青銅器でした。ソリッドであり機能的であり、表面をみっしりとしたテクスチャで埋め尽くした様は、これが古代に作られたものなのかと思うほどの意味の密集され具合です。これを、何を思いつつなのか、作った人がいた。使った人がいて、埋もれた姿を掘り起こした人がいて、今ここにこうしている。そう考えると目眩が起こりかねないほどの意味の凝縮。まして古代の青銅器、それも大量生産をしうるだけの技術や必要がない…… 要するに、どれだけコストや万パワーをかけても構わないと言う意図のもと生産された…… 作品は、気圧される迫力を無音に放っている気がするのです。それは妄想ですと言われたら、かなりそうなんじゃないかと言う気はしますが。
 鼎などの比較的有名なものから、何に使っていたのか今もってよくわからないもの(本当に多い)まで、それもかなりの大きさを持つ青銅器の展示をみっしりと見てこられて、これは幸せでありました。
 しかもうっかりしていたら、最後に大きなおまけまでついてきた。古代の商で占いに使った骨、卜骨って言うんでしょうか。その実物です。
 何の話? と思われるかも知れませんが、漢字のルーツは甲骨文、と言う言葉を知っている人は多いと思います。甲はカメの甲羅、骨は牛とかの骨。占い師は固いこれらに占いたい事柄を文字を刻み、火にくべて焼き、入ったひびで占いの結果を判断してその答えを骨に刻み込みました。それがすなわち、今日に伝わる漢字のルーツと言われる甲骨文であり、そして、その漢字のルーツを刻み込んだ当の骨が、今日見た卜骨なのです。
 古代とはいえ、牛はわりとどこにでもいて、殺されて骨になったあと、占いに利用される牛もそれなりにいたでしょう。卜骨はいくらでもあったありふれたものだったはず。そのひとつが、生き延びて、硝子のケースに入っているものを目にしているわけで。
 誰かがこの骨に文字を刻んだ、もはや名を知るすべもないその誰かが、でも数千年前に確実に。
 その結果が今ここにある。当たり前だけれども、あまりにも不可思議。

 そのあとは一般展を見て工事中のお隣から引っ越してきていたミイラを見て驚き、ミイラが上野に来たそもそもの由来に驚き(なんか日英同盟に関係してるらしい)、常設展示で土偶を見て、豊満な女性を象っており豊穣を祈願したと思われる、と言う説明に、ああつまり土偶とは古代の萌えフィギュアなのだなあ、とうっかり自分の考えを斬新だと思いこみかかるものの、つい最近そんなドラマあったような気がするとか思って危うく踏みとどまったり、頼光の土蜘蛛退治の絵巻を見たりしました。

 楽しかったのですが、午前中の段階で歩きに歩いて、すでにぐったり……。
 ともあれ、早起きは三文の得。どこかに出かけるには開館時間ぎりぎりを狙うに限る、と言う主義を強くした、そんなお盆休みの初日でした。

 おまけ。

2010081202
 鶯谷から上野公園に向かう途中。お寺ごしにスカイツリー。

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