マグロと人生。（☆）

マグロ船で学んだ人生哲学　－ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集 (講談社BIZ)

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齊藤 正明 腹肉 ツヤ子
講談社
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　土曜日の移動中に、駅の地下の本屋にディスプレイされているのを見て思わず買ってしまった本。
　いや、どういう本か、と言う予備知識は多少あったんですが、これは拾いものでした。

　著者さんは昔、新人研究者だった時代に、上司のひょんな命令でマグロ漁船へ乗船した、と言う、なんていうか右から左に突拍子もない経験をされた方。
　タフでマッチョで肉食系、ヒゲもまぶしい8人の漁師に囲まれて、ヤンキーばかりの学校に転校になってしまったような心境の著者の方。ところが思いもよらず、マグロ漁船と言う「職場」は、人間が協力して働くための、たくさんのヒントに満ちていました、と言う話。

　とかく箴言や名言と言うものは、何を言っているか、と同時に、誰が言っているか、と言うファクターが重きを為します。著者の方が謙虚に、漁師の歴々から自分の学んだ事を、自分が学んだと言う体裁を崩さずに書いているところが、突拍子もないシチュエーションとも相まって、この本を受け入れやすくしているのでしょうね。

　同じ人の書いているファシリテーションに関する本のほうが実は自分の本命だったんですが、そっちのほうは捜して今度読んで見たいと思います。@niftyとかに連載していた会議の例が、また突拍子もなくて素敵だったんですよねー。