死体狩人ジョン・ハンター(☆☆☆☆)
いや、実は1巻は持っていなくて(品薄だそうです)、最近出た2巻だけ買ったんですけども。これがまた、とんでもなく面白い代物でした。
原作がペロー・ザ・キャット全仕事とかのシリーズの吉川良太郎さんで、こら面白くないわけがないな、とは思いつつも。ああでも1巻とか読んでないし買ってないしなあ。などと思っていたら、ご本人のブログのほうで、2巻だけ読んでも大丈夫ですよ。と言うお知らせが。じゃあってなもんで買って読んで見たら、とてももうなんか面白かった、と言う次第。
歴史上の実在の人物に架空の事件を織り交ぜる、露骨に言うと「誰もが知っているあの人物が実は歴史の陰でこーんなことを」と言う、アントールドテイルズなスタイル、と言うと、まあよくあるものに聞こえてしまいますが、決しておもねってそうなっている訳ではないところがすごいところ。
主人公ジョン・ハンターは、解説を読むと初めて判る、世紀の奇人と言うべき人物ですが、決して一般的にものすごい知名度のある人物と言うわけではありません(ワトソン、と言うかヘイスティングス役を努める弟子のジェンナーのほうがずっと有名です。種痘を編み出したあのジェンナーです)。そして彼らを取り巻き、その周りで起きる事件は。いつ、どこで起きてもいいような事件を安易に18世紀に当てはめたようなものでは決してない、その時代だからこそ、でなくてはならないものなのです。
道具立てと舞台の新奇さ、着眼点の面白さの裏に、しっかりと堅牢に構築された物語が築き上げられている。この濃ゆい話を単行本一冊にしっかり詰め込んで纏め上げているものすごさ。すっかりやられてしまいました。関連書籍も集めたい……。とりあえず1巻が欲しいですね。本物のジョン・ハンターの伝奇も読んで見たい。
もっとも、前々から気になるのはシガレット・バルキリーなのですが。ペローとボーイソプラノは読んだんですが。再版、されないのかなあ……。
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