忍者ハイド・アンド・シーク(☆☆☆)
平穏な日常、我々の暮らすそれと何も変わらない二十一世紀。しかしその陰では、脈々と生き続けた忍者達がその超人的な技術を磨き続け、誰一人知られぬ事なく忍者同士の闇の戦いを繰り広げていた。と言う道具立てで。PCはその忍者…… 忍者と言っていますが、光速で走り回ったりとか友達汁(吸収すると友達になってしまうおそろしい汁)出したりとか、なんていうかおおむね超人と区分して構わないと思います…… となり。GMから呈示される【使命】を達成するために活動する事になります。
面白いのは、その【使命】がPCそれぞれによって違う事。従って、いわゆるTRPGのように、必ずしもPCが全て協力関係にあるとは限りません。全員が敵対しているシナリオだってありえるわけです。忍者的に。
そしてもうひとつ、PCそれぞれには、必ず(マスターが決めた)【秘密】があります。秘密は秘密であり、自ら開かす事はできません。そしてその【秘密】の中には、そのPCが果たすべき【本当の使命】が書かれていたりするのです。
誰が敵で、誰が味方なのか? その【使命】は本当に【使命】なのか? 友好的に接してきて、味方のように振る舞う彼は、本当はあなたを殺さなくてはならない【秘密】を抱えているのではないのか?
かくて、PC達はそれぞれ、お互いの【秘密】を探り合うことになります。時に情報戦を挑み、時に実力行使に繰り出し、他のPCと【感情】を結び…… 【感情】を結んだ相手とは、相手の暴いた【秘密】を知る事ができる、相手の戦闘中に途中から介入ができるなど、有利不利双方を含む様々な影響を及ぼし合う事になります…… 暴き出される、あるは暴き出されなかった真相とともに、最終決戦へと流れ込む事になるのです。
本当に面白いのは、いや最近のゲームあんまりやってないのでみんなそうなのかも知れませんが、この情報戦やクライマックスの最終戦当などの部分が、マルチゲームのようにシステマティックに決まっているところ。
たとえば秘密を探り合う情報戦のパートでは、GM以外のそれぞれのPLが順番に、言わば、親と言うか、ミニGMのような存在となります。
ルールは厳密に決まっており、数値的には、その通りのことしかできないのですが。彼や彼女のシーンでは、全ての描写を決定できる表現者、演出家として振る舞う事ができます。他のPCを登場させたり、NPCを登場させたりと、自由気儘に演出を行う事ができるわけなのです。
で、リプレイは、このルールをかっちり演出する部分を押さえつつ。自由気儘に想像力、と言うか妄想ぢからをフルパワーにしていい、と、力強く納得させてくれる、愉快にもほどがある代物なわけなのです。
うまくいけば来月には初トライできる見込み。ルールの数値的なところはまだまだ理解していませんが、未読のぶんも読み込んで、しっかり予習しておきたいと思います。それにつけても、幻蔵先生はステキでした。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 2020年読書録(一部その他含む)(2020.12.31)
- あるいは謎を語る者の覚悟について:「死に山」(☆☆☆)(2019.01.24)
- 奇譚を売る店(☆☆☆)(2019.01.17)
- 湖を越えて行け、海原の覇者となれ:新・水滸後伝(☆☆☆)(2018.09.21)
- 星を渡るは九重の塔・天駆せよ法勝寺(☆☆☆)(2018.07.09)
コメント