エリア51・怪物愛の楽園、人外坩堝の地獄（☆☆☆）

　「人に感動させられるのは好きじゃないのかも知れない」などと世の中を舐めくさったことをツイートしていたら、烏羽さんが貸してくれたマンガ。カバーめくった瞬間に一瞬でバカはまりして、自分の分をお買い上げになりました。ビバ感動。レッツ前言撤回。
　そんなわけで、エリア51です。

　神様亡霊妖怪変化、悪魔にUMAに宇宙人。有名無名、ありとあらゆる人外化生が押し込められた、いてはいけない住人の住む、あってはならない隔離地区。住民は呼ぶ、アメリカ51番目の州・《エリア51》。
　道行く者もみな人外のこの無法の土地で、トラブルを叩き潰しながら生きる女探偵マッコイ。今日も愛用の拳銃と相棒のキシローを振り回し、加害者も被害者も人ならざる者の事件の中へと飛び込んでいく……。

　そんなわけで、作者の方の溢れ出る怪奇愛と云うか異形愛のストーリー運び、陰影の極端についた、身も蓋もない言い方をすればマイク・ミニョーラばりな絵柄と、極端に極端を掛け合わせたような作品です。
　取り上げられる怪異のチョイスの狙い撃ち感（普通ペナンガランを話のメインに持ってこない）、溢れるような小ネタの遊び感がのびのびしすぎていてもう。チョイ役のパン屋の名前を普通デルトロとかつけない。しかも牧神パンだからパン屋って。なんでもないシーンに書き込まれたネオンまで読み込んでしまう濃さ加減です。ほんとうにもう。

　なかなか気になるところで1巻が終わりになっており、これは続刊が楽しみですねー。続きが楽しみな作品が増えると云うのは実によいことです。
　それにしても、この人の作品って今までもずっとこんななのかしら。気になりますなあ。