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2011.09.30

天涯の東にある国は西方に浄土の夢を見る。(☆☆)

日本仏教の思想 (講談社現代新書)

 実は仏教史と仏教思想史には、前々から結構興味があります。
 そんなわけで、前から家にあって、もう何度も読み返してる本。何度目かの読了でした。

 日本における仏教と各教団の歴史を、中国やインド、チベットやあるいはアジアの他の国々における仏教の展開と比較しつつ紹介している、と云う本なのですが、膨大な仏教史を(すくなくとも鎌倉新仏教の時代までは)手際よく判りよく要約している本だと思います。
 空海展を見に行った時に、知識が錆び付いてるのを改めて感じたので、もう一回見に行こうと思ったんですよね。

 前近代、日本化し俗化する過程で、論理と考察を失っていった、と。そう日本仏教は総括されています。

 自然と云うものに対する崇拝、それは確実に畏れに根ざしています。
 常々の豊かな恵みと、あまりにも唐突な災害をもたらす、そんな日本列島と云う国土にあって。世界観を鍛える余地は、あるいはなかったのかも知れません。どれほど精緻な救済と世界構造を組み立てたところで、無視できない確率で起こる天災をどうにかすることは、誰にもできなかったし、今でもできないのですから(そういう意味では、タタリガミとしての自然をもっとも正しく捉え、利用さえしたのは、かの日蓮上人なのかも知れません)。
 それは「基本的に恵まれてはおらず、ただ努力によってのみそれを改善しうる」国土と、あるいは「恵まれてもおらず、努力による改善の余地もまたない」国土に生まれた人々の中にあっては、それぞれ違うかたちで、仏教と云うひとつの教えも受領されていったのだろうなあ。と、そんなことを思うばかりです。

 それはともかく、折に触れ読み返したいし、実際読み返している、そんな本であります。
 なぜか気がついたら同じ著者さんの本がそこそこ家にあって、「はじめてのインド哲学」なるなかなかに深淵なタイトルの本もあります。このへんもあわせて、再読しておくべきところですねー。

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コメント

ところで、なんで仏教なんですかー?

投稿: ヨッコ | 2011.10.05 08:15

 いや、なんででしょうね?(笑)
 昔から仏教ちょっと好きなんですよ。ヒンズー教も好きですしイスラム教も好きですが。
 たぶんファンタジー趣味からはじまって、現実の宗教のほうに若干シフトしたんでしょうね。そんなわけで、表面ちょっとなぞっただけですけど、割といろいろ好きだったりします。

投稿: sn@散財 | 2011.10.06 21:27

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