最近出たマーブルの邦訳アメコミの時系列順を整理してみたいと思います・その2。(☆☆)
なんだかきりの悪いところで終わっちゃったので、続きをば。
アベンジャーズもX-MENも、それぞれ決戦や損失を乗り越えて再始動を果たした。と言うところまで昨日は書きましたが、邦訳もそのあたりの続きが手厚く出ています。
とりあえず、先に巻数の少ないX-MENから先に紹介しましょう。
ギフテッドの続編は「デンジャラス」。これはアメリカの連載順でもそのまま話として続いている恰好になります。
復活したコロッサスを加えたX-MENと生徒達が、学園の内部から現れる敵デンジャーと戦うストーリーライン。珍しい日本人女子のヒロイン、アーマー(本名ヒサコ)も出てきます。
ちなみに後半から登場するプロフェッサーXは、この時期、学園の運営をX-MEN達に任せており、はるかインド洋にある島国ジェノーシャに長期出張していました。
このジェノーシャと言うのは、マーヴルコミックでたびたび登場する、だいたいマダガスカルのあたりにある架空の国家。ミュータントに圧政を引く政府ができたり、逆にミュータントの解放区になったりと、なにかとX-MENに縁の深い島。一度はミュータントが世界中から集まる大都市になっていたのですが、センチネルの襲撃と大虐殺によって国家は瓦解。プロフェッサーXはその再建のためにジェノーシャに詰めていたわけです。
デンジャラスのクライマックスは、そのジェノーシャの廃墟が舞台。そしてこのあとの「ハウス・オブ・M」でも、再びジェノーシャの名前が登場する事になります。
さて、ここでX-MENは一旦おいといて。
新メンバーで再始動したものの、シールド(やアメリカ政府)とはちょっと微妙な関係にあるアベンジャーズ。姿を消した脱獄犯を追って南極へ。シールドのエージェント達が不可解な行動を取っているのを目撃したことで、疑いはさらに深くなります。
ニューアベンジャーズの一連のストーリーは続けて邦訳されていて、続きは「セントリー」編になります。
セントリーとは、超人刑務所ラフトに収監されていた謎のヒーローの名前。無尽蔵の太陽エネルギーを持ち、空を飛び超怪力を発揮し、ファンタスティックフォーやハルク達とも古くから馴染みのある古参のヒーロー………… の筈なのですが、なぜか彼の存在を地球上の誰もが忘れていた、と言う、いろいろと謎の人物です。
結論から言うと、彼は「昔からいたけどみんなが忘れていた、と言う設定で、最近作られたヒーロー」と言う、ある種メタ的な設定の持ち主なのですが、そのセントリーのことを、皆がなぜ忘れていたのか。そしてセントリーことロバートはなぜラフトに収監されていたのか、と言う辺りの話が「セントリー」編。ストーリーラインはアベンジャーズですが、X-MEN、ことにエマ・フロストが大活躍している辺りがアメコミの面白い所。
ちょっと注目のポイントは、「セントリー」編の冒頭に出てくる頭脳集団イルミナティ。各チームのリーダーや、ヒーロー界の実力者揃いの面々です。
発明家にして大富豪アイアンマン、天才科学者Mr.ファンタスティック、地上最強のテレパス・プロフェッサーX、海底王国アトランティス王ネイモア、月の超人類インヒューマンズの王ブラックボルト、それに史上最高の魔術師Dr.ストレンジ…… と錚々たるメンバーなのですが、この人達がいろいろとやらかした事が原因で、のちのち地球はざっと2、3回以上大変なことになるのです。
この「セントリー」の後半と、続巻になる「コレクティブ」の前半は、珍しく日本、それも大阪を舞台に、忍者軍団とアベンジャーズ、黒ずくめの謎のヒーロー・ローニンが激突する「シークレット&ライズ」編。日本と言えばニンジャです。ニンニン。
そして丁度、この「セントリー」編と「シークレット&ライズ」編が進んでいる2005年後半頃、同時進行で進んでいたのが、X-MENとアベンジャーズのクロスオーバーである「ハウス・オブ・M」になります。「コレクティブ」本編は、この「ハウス・オブ・M」の後日談的なストーリーとなるので、またちょっと後で紹介を。
いや長々となりましたが、ここでようやく話は合流。「ハウス・オブ・M」となります。
ハウス・オブ・Mとは、マグナス王家、即ち磁界王マグニートーを支配者とする王朝の意。
このストーリーは、一種の異世界もの。意図せずしてアベンジャーズを壊滅させた、スカーレットウィッチの現実改変能力が再び暴発。今度は世界そのものが作り替えられてしまいます。
人類とミュータントの力関係が逆転し、ミュータント達が社会的な地位を得て普通に暮らしている社会。ジェノーシャは絶滅させられることなく、賢明な王マグニート-の元で今や世界の首都にも迫る繁栄ぶり。ヒーロー達もそれぞれ、内心の願いを果たし、誰もがほぼ満ち足りている偽りのユートピア。
……のはずだったのですが。ウルヴァリンの願望は、「失われたすべての記憶を取り戻す」事。その為にウルヴァリンはただ一人、この世界が偽りである事に気付いてしまい、そして綻びは、あれよあれよと言う間に燃え広がり、偽りの世界を崩壊させてしまうことになるのです。
そして何もかもが破綻する最後の瞬間、絶望したスカーレットウィッチはもう一度、世界を書き換えてしまいます。ミュータントなんかいなくなってしまえ、と。
……そして。世界は元の通り現実に戻りましたが。世界中にいたミュータント達、X-MENの教え子達も、そのほとんどがパワーを失い、ただの人間に戻ってしまいました。その中には、例えば、アニメ版でウルヴァリンの相棒を務めた少女ヒーロー、ジュビリーなども含まれています。
のちにM-デイと呼ばれることになるこの日以降、ミュータントは世界からほぼ消滅。さらに、新たなミュータントが生まれる事もなくなってしまい、X-MENはとんでもなく大きな影響を受ける事になります。
少し先のことになりますが、「シビル・ウォー」野時、X-MENはX-MENで大変なことになっていた、と言う事もご記憶下さい。
そんなこんなで現実復帰したのと前後して、ニューアベンジャーズはのびのびになっていた記者会見と再結成の発表を行いますが、主にJJ(頑固社長。スパイダーマンが大嫌い)のせいで、デイリー・ビューグルにさんざんな書かれようで皆さんおかんむり。そんな状況下で「コレクティブ」に突入します。
世界中のミュータントから引きはがされたパワーをすべて掻き集めた、ハウス・オブ・Mの落とし子。恐るべき存在「コレクティブ」(集積体)。
カナダを焼き尽くしながら移動するこの存在を前に、出撃したカナダのヒーローチーム・アルファフライトも、わずか1ページで全滅してしまう。ウルヴァリンがいたこともある名門チームなのに。マジだぜ。
それはともかく、この圧倒的過ぎるコレクティブとアベンジャーズの対決を、さらに裏からシールドが掻き回す、そんな筋運びとなります。
すでにアベンジャーズの記者会見の辺りでも伏線が張られていましたが、この「コレクティブ」を挟んで、話は再び大型クロスオーバー、「シビルウォー」 へとなだれ込んでいく事になります。
ということで、続きはまた後日に。
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