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2012.01.29

「北京故宮博物院200選」を見る(☆☆☆)

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 所用あってあきる野まで出掛けた帰り道、ふと思い立って、中央線を気合い入れて乗ってみる事に。それも全部、一番前で。
 拝島から立川まで青梅線、立川から延々東京まで。一時間以上電車で立ってるってのもなかなか楽じゃないですな。と思いつつ、この光景をずーっと一番前で見ているのは、これ、なかなか面白い光景でありました。
 みっともない話ですが、この歳になってもなお地理にはうとく、なかなか中央線の駅の順番も覚えられていない有様だったのですが。これで少しは理解ができたかなーと思っております。

 さて、そんなことをして東西大移動したのち、すでに足腰痛い気分を抱えつつ、向かった先は上野であります。
 目当てはこちら。日曜美術館でこないだやっていた、北京故宮博物院200選です。

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 明の三代皇帝、世祖永楽帝の時代に遷都されて以来、後代の清王朝、そして現代に至るまで、北京は中国大陸の政治の中心でありました。清帝国が倒れ(たのち色々あり)、紫禁城は故宮とその名を変え、そこに集められた文物を含め、博物館として機能する事になったわけです。
 歴代皇帝の集めた膨大なコレクション、この展示が行われておりました。目玉は、北宋、亡国の文人皇帝として良くも悪くも名高い徽宗が作らせたと言う、みやこ開封の風景を詳細に描いた清明上河図。もっともインフルで倒れているうちに、本物の展示期間は終わってしまい、あったのはレプリカだったのですが。

 ともあれ、歴史を問わず、中国史の誇る銘品文物が続々と展示されているというこの展示。最初の第一部前半では、かなり珍しく、「書」が中心になって展示されています。いわゆる書道、それも四大書家の手による銘品、と言うことで。最初は書道って言っても、見てもよくわからないしな…… と飛ばしがちに見ていたのですが、北宋の黄庭堅と言う人の書を見てびっくり。
 宋の四大書家のひとりらしいのですが、なんていうか、字が、その、自由。書道がピカソっぽくなってる、みたいな感じです。この草書体を称して「狂草」と言ったそうなんですが、なんていうかそのとおりですねえ、と思っていたら、最後のまとめのところに書いてある字体が、同じ人の書いたものか、と思うほどかっちりしていて、二度びっくり。当時は唐の時代の決まり切った書体に対する遵守と反発の両方の精神が勃発しており、それがこういう自由な書体をも生み出していたのだそうです。なるほど、と思いつつ、びっくり。

 徽宗自らの手になる、力強く刻むような痩金体の文体を見、また徽宗への最近の評価などを見て。かと思えば、宋の皇族でありながら、亡国の憂き目に遭って元に仕え、その反動からか書聖・王羲之の書風を学び、後世に残す事に情熱を傾けた趙孟頫の話などを見。思うところも多く。
 また皇帝のコレクションである古今の文物のコーナーは、素直に楽しくて見物でありました。玉器、漆器、琺瑯、磁器、そして僕の大好きな青銅器であります。それも商の青銅器。たまりませんなあ。これがあるとは思わなかったので、正直ほくほくでした。

 後半は第二部、主に清の乾隆帝時代を中心に、世界帝国となった清の文化事業について、の話がまとめられています。制服王朝である満州族の立場からの、漢民族との融和と文化事業の推進。そして皇帝自身がなにより文物を愛し、広大な宮殿の中に、文物に囲まれたちいさな隠れ処を作っていた、と言う話。中央アジアとの融和の立場からチベット仏教を大きく受容し、また西洋文化を取り入れて、新たな文物を作っていく様が描かれています。

 とまあ、若干駆け足で見てきたわけなんですが、実物の確かな、そして迫ってくる存在感が数で攻めてくるだけあって、見ているとさすがに疲れてくるほどのもの。前半は書が多いですが、後半は衣類や仏像などバリエーションも豊かで、見ているとどこかしらに必ず引っかかるものがあるかと思います。いろいろメモしてきたので、関連図書を探して買ってこようかな、と思ったり。

 会期はまだ続いているので、機会がありましたら、こちらも覗いてみられると、と思います。
 水滸伝好きな人は、清明上河図をはじめとする北宋の文物は、なかなかに来るものがあると思いますよ-。

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