キャップもトニーもみんなゾンビ! 死んでる奴等のマーブルゾンビーズ!(☆☆☆)
というわけで。
刊行予定を見た瞬間にえッと思い、本当に書店に並んでいるのを見てなんてことすんのよこのバカー!と大興奮してしまった。本国ではまさかの大人気で続刊がいまも刊行されていると言う、なんていうか、アメリカ人ほんとゾンビ好きだなと言うか。謎の人気シリーズなのです。
(ちなみに本編とは別のパラレルワールドの話、と言う設定なので、いろいろ心配な方はご心配なく。もっともその設定のとばっちりで、ゾンビデッドプール(の頭だけ)は本編世界に飛んできて、本家デッドプールとチーム組んだりしましったが)。
ほとんど一発オチと言うべき展開を、グロく腰入れて描いているこちらの作品。第一話のラストで、よりによってシルバーサーファーが飛んできちゃうので、なんだ、あとは判るな? と言う感じ。
で、この作品がなんともブラックかつユーモラスなのは、ゾンビとなった彼等が、完全な怪物となったわけではなく、実に中途半端な人間性を保持している点です。
猛烈な飢餓に苦しんで(楽しそうなんですが)、なにかの肉をすごい勢いで取り合ったり(ちなみにゾンビの肉は不味くて食えないんだそう)、肉体の損壊やらの現状に不平を言ったり、食後に(食後にだ)だらだらしたりしている様は、なんていうか妙に生々しい感じで。台詞の端々で、彼等が普通の基準からするとかなりとんでもないことやらかした事が伺えるなど、詳しいと詳しいだけ、唖然とできる設定になっています。
満腹になっている間だけは頭脳の活動が正常化するらしい、と言う仮説を導き出した、トニーやハンク・ピムなどの頭脳派チームの皆さんが、実に頓狂な事をし始めるのも、なかなかすごいところで……。
あ、巻末に掲載されている「アメコミの歴代名カバーのゾンビバージョン」の羅列は、それだけで一見の価値ありです。なんていうか、よくもまあここまでやってくれる、と言う感じで。
そんなわけで、映画化で勢いづく邦訳アメコミにいきなり投げ込まれた魔球的存在マーブルゾンビーズ。
アメコミとゾンビが好きな人がどのくらいいるか判りませんが、その輪の片方に引っかかる人にはお勧めできる…… たぶん…… と思います。
ちなみに5月くらいに、このマーブルゾンビーズの新刊が(アメリカで)出るそうです。
なんでも、ゾンビを兵器にするナチスドイツの陰謀に、ハワード・ザ・ダックが立ち向かう話なんだそうで……………… い、いいぞ、その。もっとやれ(視線を泳がせながら)。
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