八百八町のカーナッキ、ゴミソの鐵次調伏覚書(☆☆☆)
てなわけで、大江戸ゴーストハンター的な話ですけど、主人公であるゴミソの鐵次の行動がミステリ的なところがなんとも素敵。 例えば悪霊の祟りとあたりをつけると、悪霊の動機を調べに行く、みたいな感じで。短編なのでひとつひとつが読みやすいのも有り難し。
鐵次の能力がなんでもありと言うか、それ絶対ゴミソ違いますよねと言うくらいの万能っぷり(むしろ読んでいると、ありすぎる能力を鐵次が持て余しているようにも見えたり、あるいは話によってはそうでもなかったり)なのが、気になると言えば気になるところですが。こういう見せ場は、時代劇での斬り合いのようなもの。
地味な探り合い、心理戦から、派手な呪術合戦、鐵次とワトソン役となる孫太郎(のちの五代目鶴屋南北)の台詞の掛け合いも面白い。なにしろあらゆる調伏の呪文を繰り出す鐵次の万能っぷりを目の当たりにして、「お前さんは節操がない」と思わずツッコミ入れちゃうくらいですから。
作品中ではタイトルにもなっている「萩供養」がやっぱり一番好きかなあ、と。「鈴虫牢」と「妖かし沼」も好きな一作です。どれも事件が解決したあとの、ほんとになにげないやりとりが、余韻があって心に残ります。生死の果て、恩讐を超えた問題を解き明かしたあとの、なにげない会話にほのかに香る、平穏な生と言うものの喜び、とでも言うような。
気になる引きをいくつも残したままで、一旦は幕引きとなる連作なのですが。続きが出るといいなあ、と楽しみにしております。
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