ダック・アンド・スカイ! 東京者の東京バスツアー(☆☆☆)
自分はわりと散歩が好きな方なのですが、なかなかこう、自分の住んでいる周りの名所を見に行くとか言うのも、普段行う機会の少ないことだと思います。東京に住んでて東京タワー行った事無いとか、そういう傾向ですね。
この夏休み。ちょっと面白そうなバスツアーがいくつかあったので、ちょっと一念発起して早速出掛けて参りました。それもハシゴで、と言う寸法です。
まず最初は、こちらのいかにも変わったたたずまいの車から。見ての通りの水陸両用車。
こちら、東京ダックツアーの水陸両用バスツアーになります。
水陸両用バスに乗れる、と言うのが魅力のこのツアー。コースは一時間ちょっと、船の科学館から出発してレインボーブリッジを渡り、芝浦あたりの桟橋(と言うかスロープ)から水上へ。ぐるっと回って岡に戻り、再び橋を渡って船の科学館で解散、とそういうコースです。
ちょっと心配な天気の下、有明に向かうであろう人々を途中まで見かけつつ、まずは久々の船の科学館へ。小さい頃はそれはしょっちゅう行ったものですが、足が遠のいているうちに、惜しくも閉館になってしまいました。ちょっと昔を懐かしみつつ、集合時間まであたりを散策する事に。
そのへんにあるものがいちいちかっこいいんですよ。
科特隊の装備って言われたら納得しそうなレベル。
こちらはかっこいい潜水作業服。どっちかと言うと宇宙人っぽい。
ただ、やはり長い月日と閉館による影響で、いろいろ傷ついているのは否めません。
こちらの像も、本体は大丈夫なんですが。
説明板はこんなかんじに。うーん。
場所にもよるんですが(陸奥の主砲とか宗谷のあるほうとか、営業している方は綺麗だったので)、元々が楽しい雰囲気だっただけに、余計につのる寂寥たる廃墟感。
具体的には、メタルマックスのダンジョンっぽい(※中に戦車があるみたいな)。
お隣のお台場合衆国をやってるあたりまで、ぐるっと回って戻ってきたら受付時間に。さあバスだ。
こちら1便は10時からで、すでに満席だったので、座席表が決まっておりました。運転席のすぐうしろ、なかなかいい席です。
前輪部を下のあたりから。箱形のボートみたいになった車体の下に、車輪とかが赤いフレームで出っ張るみたいについている、みたいな形になってますね。
これは後輪とスクリュー。スクリューが上を向いていますけど、これは水中に入る時にがくっとスクリューユニット全体が下に傾くみたいです。接地しちゃうので上向きに曲げて、ストラップで固定しているんでしょうね。
ちなみに駆動は後輪の二輪駆動で、同じエンジンからギアの切り替えで、スクリューと車輪を動かしているんだそうです。
運転席。ちょっとびっくりするほどの解け合っていない感。
もちろん正面のハンドルは自動車用、横の小さい舵輪は船用です。多目的な乗り物の操縦席って、確実に動くようにすると、どうしてもこうなるんですかね……。クラタスの「変形する操縦デバイス」って言うのを、ちょっと思い出しました。
テレビの取材っぽい人が、他のお客さんと話をしたり運転席を撮影していたりするのを尻目に見つつ。さあ、いよいよ出発です。
陸上のドライバーさんとガイドさんが乗り込み、いよいよ出発。あとでドライバーさんは船長と乗り換える事になります。このへん、ちょっと面白いあたり。
ともあれ、タラップから乗り込んで側面の登り板が閉じ、シートベルトを締めていざ出発です。
ガイドさんの名調子を聞きつつ、まずはレインボーブリッジを渡っていきます。顔には車の強い風。このバス、オープンカーというか、窓に窓ガラスがついていません。そのためかなり風が強く、帽子は脱いでおき、小物はしっかりキープするように、予め注意が行われます。もちろん窓から手を出すとかは厳禁です。
この窓がないおかげで、一年中運行している大阪などでは、夏は暑く(熱風が全力で吹き込んでくる)、冬は寒い、どころか、痛いのだそうです。外ですもんね……。
ちなみに後ろの方の席は、エンジンの騒音がして振動が来る上に、風もかなり来てきびしい条件なのだそう。「その代わりに若干長めがいいかも知れませんよ!」と、ガイドさんの説明はなかなかにシニカル系。
ぐるーっと回転しながら下がっていく。あの一回転しているあたりです。
このあたりから、芝浦の海に突入するスロープが見えてきます。本当にスロープと言うかランプと言うか、とにかく斜めに海に突っ込んでいる道で、そこをそのまま突っ込んでいくのだそうです。
サイズとしては大型観光バスとぎりぎり同じくらい、と言うこちらのバス。まずは普通に一般道を通り、スロープまで辿り着きます。
ここでドライバーさんが降り、船長と交代。「ここまでは自動車、ここからは船」と言う事で、船としての運航の注意が改めて行われます。お子さんには救命胴衣を着用、浮き袋の位置を確かめ、また、船として積んでおかなくてはいけないよう、法律で決まっているもの、具体的にはロープとかの積んでいる場所が説明されます。
で。自動車ではない、と言う事で、ここからはシートベルトを外してもOKと言う事に。うん、確かに船でシートベルト着用はないな、とは思うのですが、この、なんていうか。ものそのものは一緒だけど、法律の運用上トランスフォームする、みたいな感覚は、なかなかないものです。
さて、ガイドさんのサジェストと、乗客の掛け声で、いちにのざぶーん、で、勢いよく、本当に結構な勢いで、船となった自動車は、東京湾に突入します。
窓からの風景がそんなに変わるわけでは、もちろんないのですが。波に小刻みにつねに揺れている、船と言うか自動車と言うか、ともかくなにやら、不思議な光景と言うか体感です。見ると、そのへんにカモメが波に揺れていて。いつもこんななのか、大変だなあ、と、なにやら不思議な気分に。
さて、この日は波はそうとう穏やかな方で、波の具合によっては海に入れなかったり、湾に出なかったり、と言う事もあるそうなのですが、今日は普通に東京湾に出る事になります。
とはいえ、揺れる。船はわりと大丈夫なほうのつもりだったんですが、小刻みにかなり揺れます。それは確かに、構造を考えれば、箱が浮いている感があるのでむべなるかな、と言う感じなんですが。この水陸両用バス、さすがに波には弱いようです。
さきほどから乗っているこのトラック、もともとはダイハツのトラックを改造して製造されたもの。その水陸両用トラックを、さらに改造して水陸両用バスにしたと言う事みたいです。改造費用は、お値段一台あたり一億円ほど。一億円の高級車に乗った、と自慢できますよ、とはガイドさんの弁。
アメリカを中心に、同じタイプが30カ国ほどで運用されており、大阪では一年中ツアーが行われているのだそうです。
ただ大阪では川での運行、その他のところも湖などの運航がメインで、このバスが海に入るのは、東京湾のこのツアーだけだそう。この運用形態からしても、波は避けたい感じが伺えます。
なかなかない角度とシチュエーションで。
橋の周りを回ったりしながら。
このあたり、船内ではグッズの販売と、わりと謎のかっぱのテーマソングが流れておりました。かっぱー かっぱー かっぱのあたまー♪ みたいな感じ。あれはなんだったんだろう。
さて、ぐるり回って同じスロープから丘へと戻ります。海に出るときは斜面を下ればいいのですが、登るときはどうするんだろう、と思っていたら、全速で斜面に突っ込んで車輪をかませ、勢いで押し上げたところで、ギアを車輪に切り替えて、そのまま走り登るんだそうです。力技だなおい。
船長を応援しましょう、と言うガイドさんの声の飛ぶ中、プレッシャーがかかった船長は危なげなく一発で成功。再び船長がドライバーさんに交代し、陸上走行の準備に取りかかります。この間に、シャワーで車体の洗浄も。塩水ですからねー。
行きとは逆のコースを、東京タワーやスカイツリーを撮影しつつ、バスは船の科学館へ。一時間ほどのツアー、これにて終了となりました。
ちょっと揺れるのは我慢しなくてはなりませんが、なかなか面白い乗り物に乗れる珍しい機会。思い切って行ってきて、正解だったと思いましたよ。
さてさて。お台場をうろうろしてバットマンミニフィグを手に入れたりして、そのあと行ったのは丸の内。
この日二つめのツアーは、スカイバス東京です。都内を散歩していると、よく見かける真っ赤な天井解放のあのバス。前々から見かけるたびに一度乗ってみたい、と思っていた野ですが、本懐遂げてようやく乗って参りました。
行ってきたのは一番短いコース、皇居と銀座丸の内のまわりをぐるりと回るコースです。所用時間は50分ほど。2階立てのバスですが、一階は荷物置き場などに使われて、座席はすべて二階です。
座席から見た光景は、こんなかんじ。真上の景色のいいこといいこと。高層ビルの中を走り回っている時は、視点の高さもあいまって実に快適。ガイドさん(一番後ろに座っていた)の説明も、立ち上がると交通標識とかにぶつかる危険性がるので、と、なんだか普通とちょっと違う感じです。交通標識って。ぶつかるって。
東京駅のすぐわきからスタート。銀杏並木を突っ切って皇居方面へ。滅多に見られないものが見られますよ、と言われて出てきたのは、解説によると旧枢密院庁舎。もちろん昔、枢密院で使われていた建物で、改装工事の関係上、今は外から見えるようになっているのだそうです。もうすぐ木が植えられちゃうので、見られるのは今だけなんだとか。へえー!
標識もすぐそこっぽい感じ。
比較的狭いエリアのはずなんですが、右に左に見るべきものが次々出てきて気ぜわしい感じ。傾いちゃってますけど、こちらはイギリス大使館だったかな?
こちらはガイドさんの言っていた「このツアーでしか撮れないカット」。
国会議事堂と信号を両方納めたカット。うまくいってませんね。
霞ヶ関の一角、交差点のあたりには反原発テントがちらりと見えました。
霞ヶ関から日比谷へ、有楽町のガードを抜けて、銀座へと入っていきます。
ソニービルの隣にあるエルメス、このビルの屋上には騎士像が。こちらの掲げている旗は、なんとエルメスの新作のスカーフなんだそうですよ。
大通りが歩行者天国なので、銀座西通りからぐるりと回って東京駅の前を通過、再び皇居へ。帝国劇場から丸ビルのあたりをぐるりと周って。出発地点に戻っての解散となりました。
途中、わざざ高さ制限ぎりぎり3.8mのガードに突入してみたりと、なかなかにサービス精神に満ちた、こちらのバスツアー。気軽に参加できて、ちょっと時間が開いた時に乗ってみるのはお勧めだと思いますよ。
そんなわけで、夏休みに東京者が東京見物に行ってきた、と言うような。そういうお話でありました。
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コメント
ロボット研究会(名前検討中
ウェーブで ロボット で 検索して クレタスの記事を 見つけまして、動画など見ました。
それで クラタス で プログ検索中です。
解体ロボとか いろいろできるかなぁ。殺人ロボは やめてほしいなぁ
ガンダム ボトムス 時代の人達の 作り上げたロボットですね。ジャイアントロボ時代の 人がロボット作れたらナァ。鉄腕アトムも できるのかなぁ。
スターウォーズのc-3p0できるかなぁ
投稿: 村石太キッド&ポセイドン | 2012.11.04 21:35
コメントいただき、ありがとうございます。
クラタスは生でみるとやはりすごいものがありました。モチーフはやっぱりATですよね(メロウリンクの恰好をした人と一緒に写ってた写真の説得力といったら)。
次は12月あたまの科学未来館のMakeイベントにまた来て下さるそうなので、肉眼で目視できるチャンスだと思いますよ。
投稿: sn@散財 | 2012.11.10 22:47