ウェブ・トゥ・ヘル（ウソTM）（☆）

　さあさあ、これから語るのは僕の考えたウソスパイダーマンですよ。

　正体不明の集団が徒党を組み、町外れの倉庫で夜な夜な儀式を行っている。と言う怪情報を追っていたスパイダーマン（ピーター・パーカー）は、思わぬミスから、用心棒を務めるヴィラン達と遭遇戦をする羽目になる。なんとか敵を追い散らしたものの、ライノに一撃を貰ったピーターは路地裏で昏倒してしまうのだった。
　スパイダーマンを追いかけていた、儀式に参加していたチンピラ・フィズは、好奇心とボスへの義務感に駆られ、ノックアウトされているスパイダーマンのマスクに手を伸ばす。しかし以前、つまらない喧嘩で殺されかけた際にスパイダーマンに助けられた恩を思い出した彼は、スパイダーマンを廃屋の中に隠すと、朦朧としながらも礼を言う彼をそのままに、黙って仲間達のところへと戻るのだった。

　なんとか回復したスパイダーマンは、儀式を率いていた謎の影の人物について調査を開始する。マット・マードック達に協力を仰ぎ、儀式の参加者の調査や、割り出した倉庫の所有者へと接触を図ろうとしたところで、マダム・ウェブが出現し、制止を受ける事になる。
　倉庫を所有し儀式を行っているのは、はるかな古、仏教から離反した邪教集団の呪術師であり、倉庫はかつて、彼らが清めた聖なる地だった。彼らは街の邪悪を払うためと称し、地獄界との門を開こうとしていたのだ。
　マダム・ウェブの加護を得て、スパイダーマンは再び儀式に乗り込むが、邪教徒達は儀式を完成させ、悪人を地底へと引き込むナラク・ピットを完成させてしまう。しかし儀式を完成させた当人達が、恐怖の声とともに、真っ先にナラク・ピットへと引きずり込まれてしまうのだった。

　マダム・ウェブが儀式を強制的に終わらせようとしている間、スパイダーマンは落ちていく邪教徒達を一人でも救おうと糸を伸ばす。スパイダーマンの伸ばした糸を掴んだのは、チンピラのフィズだった。
　しかし体を支えたフィズに、自分達も助かろうと、呪術師も、他の邪教徒達も我先にと群がり、巨大な人間の固まりと化していく。
　支えるスパイダーマンも、自分がぶら下がっている糸も限界だと見たフィズは、ナイフを取り出し、自分のぶら下がっている糸を切る事にする。驚愕するスパイダーマンに、フィズはにやりと笑いながら、他の邪教徒たちともども落ちていくのだった。

　ナラクピットを封印したマダム・ウェブは、あれは自業自得ってものさ、と、肩を落とすスパイダーマンを優しく諭す。
　一方で、落下はしたものの、奈落からはじき出されてしまったフィズは、首をさすりながら、警察が来る前に、とその場を逃げ出すのだった。
　スパイダーマンに貸しを作るのも、悪くない気分だと重いながら。

----

　しばらく前から、家の玄関先に立派なジョロウグモが巣をかけてまして。これがまた台風にもびくともしないで生き延びたど根性クモなもんですから、まあ冬になるまでは、と同居を決め込む事にした次第。若干空き屋っぽいけど気にしない。
　まあさすがに、玄関を出入りするのに不便な糸は切らせて貰いましたけど、そのときもかなりの粘りで、なるほどクモの糸ってすごいんだな、と納得した次第。

　……で、芥川龍之介とスパイダーマンを混ぜてみたら、なんかこんなかんじになりました。って、それだけの思いつきであります。はい。