ニンジャスレイヤー・ネオサイタマ炎上2、復讐の炎は揺らぐことなく(☆☆☆)
というわけでというわけで。買ってきましたさっそく発売日に。ニンジャスレイヤー第二巻。
まだ途中までしか読んでいないのですが、でも追加エピソードは読みましたけども。追加エピソードが冒頭に載っていたのは嬉しいサービスでありました、ともあれ、webで先に読んでいたので、ちょろっと各章、内容のさわりの紹介などなど。
冒頭は追加エピソード、「パンキチ・ハイウェイ・バーンナウト」。
webでは第三部が連載されているので、第一部の雰囲気とかを若干忘れそうになりますが、変な言い方ですけど、いかにも第一部のエピソードっぽい追加ストーリー。
ネオサイタマでの生活描写がわりと多めで、その中にあれこれ素っ頓狂な部分が入っていて、ディティール好きには非常にたまらない話でした。あとサタスペ好きな人は大好きだと思います。
「チャブドメイン・カーネイジ」は前巻のラスト、「フィスト・フィルド~」に直接続くストーリー。この話は2巻のメインストー的な感じで、このまま「スシ・ナイト・アット・ザ・バリケード」へと続きます。
その「スシ・ナイト~」と、「アット・ザ・トリーズナーズヴィル」は、一種前後編とも言うべきストーリー。この二つの話では、ニンジャスレイヤーとソウカイヤとの戦いに、第三の組織イッキ・ウチコワシが絡んできます。
第一部のほとんどはニンジャスレイヤー単独vs敵のニンジャ、と言う図式で、三つの勢力のニンジャが争い合う、と言う図式は、わりと珍しいと思うのですが、第二部以降で一般化する、複数vs複数、と言う図式の先駆け的なものが、ここで現れています。
また、「スシ・ナイト~」で見逃せないのは、名脇役・モーターヤブが初登場する点。
このモーターヤブをはじめとするモーターシリーズは、オムラ社の作った戦闘ロボット。すでに登場しているクローンヤクザと並んで、主にばったばったと薙ぎ倒される雑魚として、このあとのエピソードでも欠かせない存在になっていきます。
そんなオムラとモーターシリーズに脚光が当たるのが、巻末の「オウガ・ザ・コールドスティール」。暗黒メガコーポの二大巨頭として、ヨロシサン製薬と並ぶ存在であるオムラ社。そのオムラ社が作った新型ロボットが、タイトルの通り冷血の悪鬼として登場する事になります。まあスシ食うんですけど。
話は戻って、「グランス・オブ・マザーカース#1」は、これはかなり特殊なエピソード。
そこそこ長いエピソードの、冒頭部分だけが公開されている感じになるのですが、この話の全貌が明らかになる、というか、理解できるようになるには、第二部の後半くらいまで行かないといけない、と言うくらい、スパンが長いエピソード。とりあえず、ここでこういうことがあった、と言う事だけ覚えておけばいいかと。
あとあと、非常に重要な意味を持ってきますが、それには第二部のかなり後半まで待たないといけません。
続いては、口絵とかイラストとか独占状態の人気者、薄幸の少女ニンジャ、ヤモト・コキが主人公となる「スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ」。
第一部の「ラスト・ガール~」もそうだったんですが、ヤモトの視点から描かれた、外伝的要素の強いエピソードです。「ラスト・ガール~」の後、消えたヤモトがどこでどうしていたのか、を描く物語。
2巻ではほぼ最長となるでしょうか、非常に力の入ったエピソード。ちなみに公開タイミングはこの巻の話の中では(「パンキチ」は例外として)もっとも後、第二部が始まってから公開された話です。
「フジ・サン・ライジング」と「ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ」は、独立性の高いエピソード。
どのエピソードもそうですけども、特に「フジ・サン~」は、珍しい戦場設定と、敵ニンジャ・サボターの強烈なキャラ立ちが見所。
一方の「ユーレイ~」は、ちょうどパンキチ~と対になるような、退廃的なアッパークラスの一旦が見所。またこのエピソードでは、のちのちニンジャスレイヤーの強力な敵となる存在が、不気味な雰囲気で初登場してきます。
恐らく(未掲載のエピソードから考えるに)、3話は彼らの話が中心に据えられるのじゃないかなあ、とか……。
「ジ・アフターマス」は、これも前巻掲載の「サプライズド・ドージョー」に直接続くエピソード。
あの破滅的なラストから、どういうことが起きたのか、が描かれる話です。ちなみに、2巻には載っていないものの、この話に直接続くものとして「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」と言うエピソードがあるのですが…… これ、今後の書籍版に載るかどうか、微妙なところ。なにしろヤクザ天狗が登場するエピソードなので、出てほしい、とかなり思うのですが。
さて、残るは「ア・カインド・オブ・サツバツ・ナイト」。これは2巻収録エピソードの中では、一番お気に入りの話。ニンジャスレイヤーの第一部は、さまざまな視点から語られる物語群である、と言う話を確か前に書きましたが、この話もそんな物語の一つ。主人公は、ニンジャスレイヤーに追われる、ソウカイヤのニンジャ・レオパルド。
これまでのエピソードにも、その後のエピソードにも、山ほど出て来るようなニンジャの一人を主役に据えた話。こういう話を書ける、こういう話でぐぐっと読ませる、と言うところが、なるほど、テクスチャが愉快なだけじゃなくて、幹がしっかりしてるんだな、と、非常に納得した次第で。読まれたほかの方も、気に入って下さるといいなあ、と思う次第です。
忘れないうちに、3巻掲載エピソード予想大会とかしたいものです。
とはいえ、消去法で行くと、ほぼ固い線は見えてしまう気はしますが(汗。むしろ「掲載されないエピソード」推測大会のほうが楽しいかも。
(「ジ・アフターマス」のことを忘れてたので追記しました)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 2020年読書録(一部その他含む)(2020.12.31)
- あるいは謎を語る者の覚悟について:「死に山」(☆☆☆)(2019.01.24)
- 奇譚を売る店(☆☆☆)(2019.01.17)
- 湖を越えて行け、海原の覇者となれ:新・水滸後伝(☆☆☆)(2018.09.21)
- 星を渡るは九重の塔・天駆せよ法勝寺(☆☆☆)(2018.07.09)
コメント