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2012.12.11

I KILL GIANTS:巨人は、いつかやってくる

I KILL GIANTS (IKKI COMIX)

 バーバラ・ソーソンは、一言で言って孤独な少女だ。
 しかもかなりの部分、彼女自身が原因で孤独な少女だ。

 口が周り、機転と雑言に事欠かず、授業中でも趣味の本に耽溺するゴーインマイウェイっぷり。いじめっ子には相手が諦めるまで抵抗する鉄の根性を持ち、メガネの読書家のくせに殴り合いもこなす。
 強く、孤独な彼女には、なによりも大事な、神聖な責務がある。それは巨人を殺す事。巨人を待ち構え、巨人を罠にかけ、そして大業物、鉄槌コベレスキーで巨人を打ち砕くのだ。

 でも、彼女のその重大な責務を、彼女の周囲は誰も理解できない。しようとしない。先生達、大人達、そして周りの子供達、根性の強い彼女を目の仇にするいじめっ子達も。
 軋轢と衝突を際限なく生み出しながら、バーバラは苛立ちとともに待ち構える。まだ見ぬ巨人。彼女に倒されるべき巨人を。
 しかしある日。巨人を待ち受けるバーバラの前に現れたのは、思いもかけず、彼女を恐れず微笑みかけたのは。まだ見知らぬ、転校生の少女だった……。

 海外コミックとしては珍しいスタイルで、小学館IKKIコミックスから出版された、こちらの作品。
 アメリカの小学校と、そこに通う相当風変わりな少女・バーバラを主人公にした、ファンタジーコミック、と言うべきものなのでしょうか。海外作品ではあるのですが、主人公バーバラの姿は十二分以上に(特に人によっては)共感できるもの。なにしろ兄貴やその友達と一緒にTRPGのセッションをやっていて(しかもバーバラがGM)、セッションさばきでブチ切れされたりとかしているわけで……。

 多く語るのが、いろいろ難しい作品ではあるのですが。巨人がとうとう現れるシーンから、流れるようにラストまで辿り着く一連の流れ。重いなにかを残しながら、しかしなめらかに終息していく物語。
 気がついて読むのが遅くなり、なんとも不明を恥じる限りなのですが。多くの人に読んで貰って、この気分に染みてもらいたいな。と、そんな風に思ったお話でありました。

 絵柄に引かれて買ってもよし、それも後悔はしないと思います。ぜひひとつ。

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