トニー・スターク、黄金のアベンジャー!:アイアンマン3(☆☆☆☆)
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あのニューヨークの大決戦、アベンジャーズ集結から一年。
異星人が再び訪れる事はなかったが、トニー・スタークの脳裏から、懸念が去る事はなかった。激闘の後遺症に苦しむトニーは、スターク・インダストリーのCEOの座を恋人ペッパー・ポッツに譲り、来るべきさらなる敵へと、さらなる戦いへと備えようとしていた。次々と作り上げられていくアーマーは、すでにマーク42にも達しようとしていた。
取り憑かれたかのように、眠ることさえ恐れてアーマーの開発に没頭し、ペッパーや親友ハッピーとの関係もぎくしゃくさせてしまうトニー。しかしそんな彼を横目に、世界の情勢は大きく動いてゆく。
無差別テロと強力な電波ジャックで、アメリカを恐怖に陥れるテロリスト集団・テンリングス、その正体不明の首領マンダリン。彼らと戦うために、愛国ヒーロー・アイアンパトリオットとして祭り上げられてしまう、ウォーマシンことローズ大佐。不意にトニーのもとを訪れる旧知の植物学者マヤ、そしてスターク・インダストリーを訪れる、頭脳集団AIMを率いる若き科学者キリアン。一見ばらばらに起きたいくつもの事件がひとつにまとまり、巨大な衝撃となりトニーを襲う。
味方はなく、鎧さえなく。トニー・スタークは、しかしただひとり。恐るべき敵に、恐るべき謎に。恐るべき陰謀に立ち向かう。シニカルな笑みと皮肉とともに、勇気と頭脳を振り絞り。
剥き出しのアイアンマン、剥き出しのトニー・スタークは、それでもなお戦い続ける。
というわけでアイアンマン3、見てきました! なんだこれ面白い……!結論から言うといや満足でありました。
いきなり読めない方向から開始したあと、トニーの現在の状況の解説から、ストーリーは大盛り気味に開幕。
大盛りすぎてシリーズとアベンジャーズを見ていない人にはなにがなんだか、くらいの勢いで突っ走っていきます。しかしまあ、アーマーとか設定とか、なんていうか、映画を観る前に事前にいろいろ情報を仕入れたり推理したりしていて、「ああこの話、きっと後半で出て来るんだろうな」なんて風にあてこんでた設定が、まあ冒頭しょっぱなから出るわ出るわ。え、このネタここでもう使っちゃうの!? と思っていた話を一気に突っ込んできてですね。
さて今回、面白いところはいろいろありますが。アクション的な見所は…… ラストの超ド派手な大決戦(だいたい解りますよね皆さん)も勿論ですけども。アイアンマンスーツを着ていない、生身のトニー・スタークの立ち回りが、非常に多い事があげられるんじゃないかと思います。
これまではシリーズ通じて、アベンジャーズではもちろんのこと、トニーがバトルをするときは、アーマーを着てアイアンマン状態でのアクションがほとんど。空を飛びユニビームを放ち、派手な空中戦と銃弾を弾き返す無敵ぶりが見所なのですが。今回はいろいろな事情があり、アーマーを着ていないトニーがバトルに巻き込まれる事になります。
生身のトニーとはいえ、相手もただのチンピラではありません。詳しい事は述べませんが、アイアンマンアーマーを着ていて互角かそれくらい、と言うくらいの相手です。
そんな強敵との戦いに、準備もない状況で襲われたトニーが見せるのは、その優れた頭脳と、ギーグなDIY精神での反撃。その場にあるものを即興で組み合わせ、反撃の手段を組み上げて、強敵と渡り合ってみせるのです。しかも途中にアクションと、アメコミヒーローの魅力である軽口をも挟みつつ。ピンチに陥ってからの反撃も、予め伏線を張っておいて、なるほどこれがこう使われるのか、と、きっちり反撃の切り口になっている。
このあたりの組み立ての上手さと、かと思うと豪快に伏線もなにもなく突っ込んでくるパワー展開もあったりと、読めたり読めなかったりなのです。
頭脳で思い出しましたが、今回は1さながらに、トニーが機械いじり屋の面を多く見せてくれるのが嬉しいところ。逆境の中、必要なものを自力で作り出し、あるいは修理して戦い続ける様は、トニー・スタークならではの職人ヒーローの味わいが出ていて楽しいところ。こういう面は2では控え目だったので、正直嬉しいですねー。
シニカルで強がりなトニーの、とくにペッパーとの丁々発止の言葉のやりとりに、CMでも流れている衝撃のシーンに隠れて入ってくる、もの言わぬものの哀愁。見れば解る、新たなギミックを縦横無尽に駆使して、非常に拡大されたアーマーバトルの数々に、そこかしこに仕込まれた、深刻な、しかし笑うしかないウィットの数々。そして、なんとも言えない気持ちの悪さを感じる、トニーが戦うべき「敵」の真実。
見るべきものの多く、詰め込み過ぎなくらいにサービス精神に満ちあふれた娯楽作品。詳しい事は言えないものの。アーマー好きな人にはひょっとしたら首肯しかねるところもある作品かとは思いますが。非常に楽しませていただきました。僕はもう一回くらい、見に行きたいと思っております。
ちなみにもちろん、シリーズ定番のおまけは今回も健在。ああそういうことだったのね、と色々腑に落ちる設計です。見逃すとちょっと損するので、ぜひ最後まで。ソーの予告編もついてますよ。
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