アリスと蔵六:神様幼女とラスボス爺い(☆☆☆)
研究所から逃げてきた超能力少女が追っ手から逃れ、日常の中に飛び込んで、生きていこうとする物語…… なのでしょうが、外の世界で少女が出会うのが、男の子ではなく頑固爺、と言うところからも判るように。世に数多ある類似の世界観を持つ作品に対し、確信犯的にずらしてきているかのような印象のある、ちょっと妙な味のある作品であります。
超能力バトルの飛び交う非日常である、殺伐とした紗名の世界。それに対比されなくてはならない「日常」は、通常であれば穏やかでなにもない世界であるほうが望ましいはずです。
しかしこの作品における「日常」、頑固親父の蔵六の世界は、新宿の歌舞伎町のど真ん中。なんとも生々しく、地から足が離れてくれない世界です。冒頭、歌舞伎町のコンビニ店員と蔵六の会話で、実に手際よくこのあたりが切り取られているのだと思います。
そんな中での、蔵六の石頭ぶりと、紗名のプライドの高い子供っぽさの対比が、判りやすく対比されて描かれていく作品。
一巻終了時点でも話が綺麗にまとまっていて、第一部完みたいな印象もあるので、この巻だけでもお勧めできるかと思います。
あと印象的なのは、食べるシーンが多く、かつ印象的なところでしょうかね-。食べ物もおいしそうですけども、紗名が食べるシーンがまたおいしそうなんですよ。
紗名と蔵六、と言う両極端のキャラクターの間を埋める脇役達が出揃ってきて、これからが楽しみ、と思える展開であります。
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