敵は眼下、味方は背後:蒼き鋼のアルペジオ7(☆☆☆)
硫黄島撤退戦を経て、舞台は再び海へ。第二ラウンドのカードは、重巡タカオvsU-2501!
作戦上のハンデを負いつつ、島からの出航を計るタカオに、群狼戦術を駆使する新鋭艦・U-2501とそのドローン群が迫りくる。
人間と『霧』の混成からなる2501と、人間との戦いで経験を積んだタカオの、推論と経験が織りなす壮絶な頭脳戦。そして想像を絶する火力と音量が飛び交う、眼下の敵との死闘の行方や如何。重巡タカオの運命やいかに……。
というわけで。この巻は徹頭徹尾、タカオ主人公回であります。
自らの意志で引き受けた、作戦上の不利と言うハンデキャップを抱えつつ。所在と戦力を隠したまま、冷徹に追い詰めていくU2501クルーと演じる死闘。時に罠を仕掛けて誘い込み、時に圧倒的な不利に追い詰められて自らを鼓舞する彼女の姿は、これまでの登場人物でも珍しいほどにヒロイック、。その戦場にそれぞれの意図で介入する、イ401クルーや霧の艦隊達の動き振りは、さすがの歯ごたえのある読後感です。
なにより面白いのは、この巻のバトルの攻勢そのもの。
潜水艦であるイ401が主人公なだけに、これまでのバトルでは潜水艦vs水上艦、潜水艦vs潜水艦、と言う艦船同士の戦いが描かれて来ましたが、今回はこれまでとは攻守ところを変えて、水上から水中を攻撃し、姿の見えない水中の敵を探り当てて回避する、そういうバトルの展開となります。これまでの戦い振りとは、攻め所守りどころが正反対になる展開には唸りが出るところ。超兵器が出て来る展開になっても、きちんと考えて繰り出す、と言うところが崩れないところは、さすがの骨太さだと思うのです。
今回描かれなかった登場人物、それぞれの動きの続きが描かれ、新展開に手がかかったところでの幕引き。早くも続刊が楽しみであります。
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