ネオサイタマが、炎上していた。~ニンジャスレイヤー第二部・ザイバツ強襲(☆☆☆☆)
ラオモトの横死と言う好機に乗じ、ネオサイタマの裏社会を制圧すべく猛威を振るうザイバツニンジャ。そして否応無しに戦いに巻き込まれたフジキドは、彼らと自らの間の因縁に気付くことになる。
復讐は続いている、ニンジャ殺すべし。敵地キョートへと潜入し、戦いを再開するニンジャスレイヤー。華やかな上辺の足下、地下深くに暗闇の広がる虚栄の古都。だが、彼はもはや孤独ではない。同志ナンシー・リーの導きは、風変わりな、心強い味方のもとへとフジキドを誘う事になる……。
帯には「ここから読んでも問題なし」とありますが、さすがにそれはちょっと無理じゃないかと思う、通算5巻目の書籍版。この巻から第二部に突入、主にキョートを舞台に、新たな敵ザイバツと、ニンジャスレイヤー達の戦いが描かれていきます。
第一部同様、作中の出来事が前後して語られるカットバック手法は健在とはいえ、この第二部、第一部に比べると、いくぶんか肌合いの変わった雰囲気で、ぐっと普通の小説に寄っている雰囲気があります。
ニンジャスレイヤー対敵ニンジャ、敵はそのエピソードで死亡、と言う一話完結が基本構成だった第一部に比べると、敵も味方も、登場人物が、特に複数のエピソードにまたがって登場する人物がぐっと増えており、その意味では、第一部は肌に合わなかったけど…… と言う人が、ここから再トライしてみるのも、いいことではないかと思います。
書籍版の注目点、新エピソードはなんと三本。「ロンサム・パイン・アンド・ツー・ニンジャズ」と「ソード・オブ・ザ・ビトレイヤー」は、キョート入り、あるいはザイバツ入りしたフジキドとダークニンジャの、それぞれの初期の出来事を描く挿話的なエピソード。「キックスタート・ア・ニューデイ」は、第一部決着直後からのフジキド達の動きを描くエピソードで、電子版の「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」に大幅加筆を加え、二本のエピソードに分割した、と言う雰囲気。
既存のエピソードでも、第二部後半から登場するニンジャ達が序盤から顔見せをしたり、人気のある敵ニンジャの描写が増えていたりと、やはり前後のつながりやキャラクターの掘り下げに注力している方向性です。
次巻発売は8月末とのこと。第二部も長丁場ですが、完走を期待したいところです。
あ、付録のCDドラマは、MP3を2本収録。どちらもプロの声優の技量を感じる、迫力あるできばえでした。
演技がうまい人がやると、トンチキな台詞でもかっこよく聞こえるんだなあ…… と、かなり感動した次第。
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