鋼鉄の男には鋼鉄の心をこそ:マン・オブ・スティール(★☆)
リンク: 映画『マン・オブ・スティール』公式サイト.
はるかな宇宙の、かつて栄えた銀河。死に瀕した惑星で、一人の男の子が生を授かった。
その星クリプトンは、その時まさに引き裂かれようとしていた。星そのものも、そこに住む人々の心も。絶望に囚われた星から、彼ははるか宇宙へと解き放たれた。滅びに貧した星の、ただひとり最後の希望として。
……そして数十年後。遠い遠い地球と言う星で、彼は、クラーク・ケントは、ただ地上の上を、ひとり人々の中を彷徨っていた。未だ知らぬ真の名カル=エルと、己の真のルーツを捜し求めるために。そしてやがては、二つの名前と、二つの正体の間に、折り合いをつけて生きていくために。
だが、答えは空から降ってきた。武装し、敵対の意志を持つ、危険な存在として。危険な同朋として。
彼はカル=エルなのか、クラーク・ケントなのか。だが我々は知っている、彼の三つ目の名前を。鋼鉄の男であることを。スーパーマンであることを。
やがてスーパーマンとなるべき、宿命を背負った男の初めての戦い。その結末たるや、果たして。
今回は2Dで見てきました。夏休みヒーロー映画祭りも大詰め登場、スーパーマン映画の最新作マン・オブ・スティール。
バットマンシリーズを成功させたクリストファー・ノーランに、300にウォッチメンのザック・スナイダーが監督。シャープですっきりしたコスチュームやデザイン、さらに敵役としてゾッド将軍を出してきた、と言うのが注目点。
このゾッド将軍、スーパーマンと同じクリプトン星人。ということは、スーパーマンと互角の、超級パワーの持ち主と言う事です。
しかしなぜクリプトンの崩壊を逃れ、なぜ地球へとやってきたのか。そのへんの事情はスーパーマンとは全く異なる。言うなれば善と悪とのスーパーマン同士の対決であり、それぞれのパワーとあり方が、真っ正面からぶつかっていく物語でもあります。
……では、あるのですが。個人的にはちょっとうーん。残念。と言う感じの感想でありました……。
ゾッド将軍と、その一派のキャラクターは(作中で明かされるクリプトン星の秘密と併せて)かなり魅力的なものなのですが、それに相対するスーパーマンに、なんていうか。どうにもならない芯の弱さを感じまったのが、なんともこう残念なところ。
ストーリー的に、これはスーパーマンになる前の話であって、スーパーマン誕生の物語なのだ、と考えれば、確かにそうもあろう、とも思うのですが。これは、誰でも、お気に入りのキャラならそう思っちゃう症状ってあると思うんですけども。まとめてしまうと、「僕のスーパーマンとなんか違う」と言う印象が、どうしても拭えなかったのです。
それに対する、ゾッド将軍とか、女戦士の副官ファオラ(アクションシーンが妙に多くて印象的)の、行動は間違っているけど目的のために邁進する姿が、なんともバランスがとれていない気がするのが、どうもなんとも。
アクションはといえば、これはもう期待した通りの迫力。戦っているのが人間サイズ同士にもかかわらず、重さやパワーといったものの存在を強く感じる演出ぶり。
ぶつける、吹き飛ばす、つかんで回して叩きつける。さっきも言った通り、クリプトン人同士の殴りあいなのですから、そこは当然といえば当然なのですが、おりおりに米軍の通常兵器が介入してくると、ここに一気に重さの存在感が増してくるのです。中盤の三つどもえの戦闘、そしてラスト間近の高速空中戦など、目がまわる演出で見せてくる感じ。
そんなこんなで、人によって受け取り方はさまざまだと思うのですけれど。残念ながら。僕の打点とはちょっとずれてしまっていた感のある、スーパーマンの新作でありました。
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