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2013.08.11

唸れ鉄拳轟け巨砲! 肉弾相打つパシフィック・リム!(☆☆☆☆)

リンク: 大ヒット上映中! 3D/2D同時上映|映画『パシフィック・リム』公式サイト.

 怪獣! 奴等は海からやってきた!
 街を蹂躙し命を踏みにじる、得体も解らぬ巨大な悪魔達。だが人類は怯えなかった。逃げなかった。犠牲を払って、彼らは知ったのだ。怪獣は殺せる、殴り殺せる。悪魔であっても、不死身ではないと。
 必要なものはただひとつ、奴よりも大きい拳、奴等よりも堅い拳。重量で殴れば、どんなものでも死ぬ。
 かくて人類は作り出した。鋼の大巨人、怪獣を屠る狩人イェーガーを。二人の操縦者が心を合わせ、鋼鉄の巨人とひとつとなるとき、イェーガーは無敵の存在に、怪獣を殴り殺す天敵となるのだ。

 だが、人類は追い詰められた。ほんの一握りのイェーガーと、ほんの一握りの戦士達が、敗北を前にしてなお、最後の戦いを挑もうとしていた。
 再起せる巨人・ジプシーデンジャーと僚機達、襲い来るは未知の大怪獣。巨人対巨獣、人類の命運を賭けた、時間無制限デスマッチのゴングが鳴り響く!

 というわけで、と言うか、もうなんていうか。楽しかった! くそう! 洪水のようにサービス精神ひたひたな、爽快なまでに娯楽に徹した、超バトル映画でありました。
 なんかエンターテイメントなSFのことを「ロボットプロレス」と評する事があるそうですけども。ロボットプロレスって、(現実である「できんのか!」を別にすれば、)これだよな。と。パシフィックリムまでしてくれたらもう、ロボットプロレスと言われてもいいと思いますし、ロボットにもプロレスにも失礼じゃない、と思います。

 主人公機ジプシー・デンジャーを初めとした、ストライカー・エウレカ、チェルノアルファ、クリムゾンタイフーンといった世界ロボット軍団である各機が繰り出すのは、特殊なギミックもありますけども、基本的には肉弾戦。それもびっくりするほど洗練とは無縁そうな、まさしく怪獣大喧嘩。組み付いて頭を抱え込み、殴るわ蹴るわ凶器は出るわ(怪獣が先に凶器を使ってから、イェーガーが凶器で反撃する、と言うあたりの演出も心憎い)。
 コクピットの中の重機感溢れるデザイン(確かにマスタースレイブシステムを正直に作ったら、あんなふうになりそう)に、時々思い出したように繰り出されるメカニカルな描写。これまた重厚に展開して発射されるミサイルやプラズマキャノン、みんな大好きエルボーロケットといったギミックの数々。

 それがビルの都会の街中で、80mくらいのでっかいの同士、どうにも中に人が入っていそうなデザインのロボットと怪獣が、取っ組み合って殴り合うわけで。この途方もないデカさと、とんでもない重量感がぶつかりあう様を、しっかりきっぱり描ききっているのが。なんていうかもう。
 やりたいことはこれです、自分が見たいのはこれです、皆さんもこれが見たいでしょう、と、全力で訴えている感がひしひしと訴えてきていて。好きで作っている、と言う熱気と愛情が、びっくりするほどの娯楽精神、楽しませよう楽しいよ、と言う感じに満ちあふれている。その横溢さ加減が、この作品のなんといっても最大の魅力だと思うのです。

 ストーリー的には見るべきものはない、と評されがちなこの作品ですが、僕は結構話の運び、と言うか、もって行き方が捻ってて好みです。
 特に序盤から中盤にかけての、どうしてこういう状況になったのか、と言う背景説明が、強烈な悲哀感を持って押し寄せてくる。それはこの手の作品につきものの、なぜイェーガーが戦うのか? イェーガーだけが戦っているのか? と言う根本的な疑問に対して、ある程度の回答を用意している、してしまっているし、不思議なところで
スーパーロボット大戦の精神にも、一脈通じているところがある、と思ったのです。

 人によっては余計と感じる向きもあるとは知れませんが、コメディリリーフ的な怪演を見せる、主人公達をサポートしたりしなかったりする、怪獣博士達の存在も嬉しいところ。彼らの活躍というか活動が、「怪獣が日常的に出現するようになった世界」が、どういうふうになるのか、と言う当たりの一端を覗く糸口になるのも、設定好きにはたまらないところだなあと。虫出しすぎだろとは思いますが。

 そんなこんなで、どこを切ってもかなり楽しい、ビールとか飲みつつ、映画館でウォー!とか言ったり吹き出したりしながら、とにかくてんでに楽しめる娯楽大作でありました。パシフィック・リム。
 ボンクラ仲間と一緒に見に行くのを最大にお勧めしますが、よほど気難しい人ではない限り楽しめる一作のはず。この夏並みいるお勧め映画の中でも、ことに見逃せない一作であります。ぜひにぜひぜひ。

 ちなみに僕が見たのは時間の関係で字幕版でしたが、吹き替え版もまたぞろ豪華なのだとか!
 ぜひもう一回は見に行きたい見に行くべき、と思っております。ふむー。

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