8月の読書録。(☆)
翻ってみると、あまり読んでいません。
休み途中はあんまり本読まなかったんだなあ。と、他人事みたいな感想を漏らしつつ。ともあれ、先月8月の読書録ですー。
ヒッグス粒子の本は感想を書こうと思ってて書けていないので、これもまとめて早めになんとかせねばです。いつものことながら積み残しが多い。
8月 の読書記録
【読書状況】 6 冊読了 / 6 冊購入
「強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く」
幻冬舎
読了(2013-08-9) ☆☆☆☆★
「KEYMAN 5 (リュウコミックス)」
わらいなく 徳間書店
読了(2013-08-15) ☆☆☆☆★
キーマンの首魁フランク、ついに現る。一同に会するキーマン事件の関係者たち、相対するネクロとフランク、敵対する二人の口から告げられる一つの真実。敵味方の定義すら揺らぐ衝撃の告白に、サリー達は、ネクロは、そしてアレックスが選ぶ正義とは。これまで起きた事件の裏側と真相が急ピッチで語られる、半解明編とも言うべき最新巻。やや説明過多な感はありますが、スケール感の大きい仕掛けは外連味に溢れる展開。これから決着編となるのか、それとも新たな展開に持ち込むのか。期待の高まる一巻です。巻末の付録編も嬉しいところ。昔はあんなだったのね……。
「英国一家、日本を食べる」
マイケル・ブース 亜紀書房
読了(2013-08-21) ☆☆☆☆
この本の面白さは、やはり家族での旅行の記録、と言う点に集中できるんじゃないかな、と思います。氏の視点はあくまでジャーナリスト的なものであり、日本料理界や、たとえば日本酒などの姿を、外側から、ある程度(完全に、ではなさそう)冷静に捉えています。しかし、同時のその視点はシームレスに、夫の視点に、二人の男の子に振り回される父親の視点に、あるいは慣れない環境でまごまごしてしまう、時にはそれを逆手に活用してしまう、外国人の立場へと、次々とスムーズに切り替えられていきます。それは合わせて、一緒に旅をしている家族の見た、外から見た日本の姿へと重なっていくと思うのです。
一歩引いた、と言うか、時々踏み込みすぎてるんじゃ、と思うこともありますが。外側からの視点から見た、カリカチュアされていない、良くも悪くも、少し前の…… 東日本大震災以前の…… 日本の姿を、イギリスへと紹介しているこの一冊。僕らの知らない、僕らの姿として、笑ったり、衿を正したりしつつ。一読する価値のある本だと思います。
「マーベルズ (ShoPro Books)」
カート・ビュシーク 小学館集英社プロダクション
読了(2013-08-21) ☆☆☆☆☆
「ヒーローのいる世界」の、「市井の人々」の物語。見上げる視線の先にあるからこその、それもアレックス・ロスの描いている。ヒーロー達の恰好良さと言ったら、もう。
物語を担当しているカート・ビュシークは、こういった、ちょっと一歩視点を引いたような作風が多く。最近新シリーズが始まった「アストロシティ」は、その流れの名作でもあります。
そんなわけで。もうこの言葉もずいぶん繰り返しましたが、アメコミ映画がすっかり定着してきた感のあるこの昨今。王道やちょっと変わった作品に混じって、こういった、しみじみと読ませてくれる作品も出版されたり再評価されたりするようになってきました。
読みたい作品、お勧めしたい作品は数々ありますが、この一冊はその中でも群を抜く。むしろアメコミに限らず、読んだ事のあるすべての本の中でも最上位級に属するお勧めの一冊なので。ぜひぜひ選んで頂ければ、と思います。
「伊勢神宮」
UnitedWorks
読了(2013-08-26) ☆☆☆
伊勢神宮の成り立ちと地理、建物の由来などについて、写真や図版などを大目に使って説明している、ガイドブックと言うかハンドブック的存在。内容はパンフレット的な域を出るものではないですが、包括的で「ちょっと見」には必要充分。逆にこれってなんだっけ、が探しやすい手頃さがあります。参拝の作法がきちんと紹介されているのは安心感があります。ご旅行の前にお手元に。
「ヒットマン1」
ガース・エニス エンターブレイン
読了(2013-08-31) ☆☆☆☆★
ネットの一部で大流行した、あの犬溶接マンが登場するシリーズ! と言う事でかなり話題を呼んだ作品。自分も正直、セクション8(と犬溶接マン)が登場する特別編「ヒットマンロボ」目当てで買ってきたような感じだったのですが。本編の血の通う面白さに、すっかり持って行かれてしまいました。そしてすっかり持ってかれた頃に、ブーメラン的にセクション8が登場してきて、一粒で二度不意打ちを貰った次第なのですが。
主人公ヒットマンことトミーは、ガラの悪い風貌の通り、いわゆるヒーローとはあんまり言い辛い性格の持ち主。呑み友達と行きつけのバーでダラダラしているのが大好き。好みの女性と見ると、テレパシーで相手の考えを読みつつ口説いたりもしちゃう。
ひらたく言うとだめな感じの人の彼なのですが。善人は撃たない、と言う自分自身に課したルールを、これでもかとばかりに頑固にしがみつく。そしてそれを誇りでもプライドでもなく、どこか自己憐憫を持って見ているような様が。もの悲しくもあり、同時に魅力的でもあるのです。
地に足がしっかりついて、時々は空を見上げているような、トミーの姿と台詞回し。これが存分に楽しめる本編もさることながら、徹頭徹尾、完全に西部劇になっちゃってる特別編、さらに宇宙暴走族ロボと(実にレベルの低い)喧嘩になってしまい、ゴッサムをブッ壊されつつ逃げまわる羽目になった挙げ句。フランス人マンや窓から投げ捨てるマンなど、セクション8が実にひどい大活躍を見せるスペシャル、さらにはトミーが超能力を持つに至る物語を描く誕生編まで、物語はバラエティ豊か。
アメコミ好きな人ももちろんですけど、クライムアクションもの、ハードボイルドものが好きな人にも一読してみてほしい、と思う一冊です。続刊も楽しみであります。
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