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2013.09.30

古典派アップデート。(☆)

星を継ぐもの 1 (ビッグコミックススペシャル)

 ちょっと前に完結した作品なのですが、ここのところちょっと熱がぶり返してひさびさに通しで再読しておりました。SFの名作をコミカライズした「星を継ぐもの」です。

 月に進出した人類が発見した、五万年前の死体。
 あまりにも強烈で印象的な開幕から始まり、人類の起源に迫っていく、と言うこの作品及びシリーズ。J.P.ホーガンによる原作が刊行されたのは、もう今から40年弱も前の1977年のことになります。

 今読んでも充分すぎるほど面白い原作のこのシリーズを、星野之宣がコミカライズしたのが、リンク先のシリーズです。原作「星を継ぐもの」にとどまらず、続刊である「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」までの内容をすべてカバーして、全四巻で刊行されています。
 このコミックシリーズの魅力は、原作に誠実な再構成と言うべきか、原作への挑戦状と言うべきか、忠実でかつ大胆な、原作の再構成ぶりでありましょう。次々と驚愕の事実が明らかとなる大唸りな展開はそのままに、様々な筋を大幅に整理して読みやすく、ビジュアルイメージで強烈に印象づけてくれるのも嬉しいところ。

 そしてなにより、ハイライトは中盤での展開だと思うんですけども。原作の時点ではあまり突っ込まれていなかった、「この前提であれば起きるであろう」種々の問題について。いかにも原作的な雰囲気で、それぞれの分野の学者達が議論して、判明していない謎に(作中基準での)回答を与えていく。と言う、このあたりの所作が、なんとも原作への敬意を感じ、喜びを感じるところなのです。

 ラストあたりの、触れられなかった事実にからめての展開も、心温まると言うか、実にエモーショナルで。
 贅沢を言えば、原作を三巻まで読んでから、あのコミック版の最終回を見て欲しいなと。そんなふうに願う作品でありました。
 いにしえの、巨人のごとくありますように。

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