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2013.10.05

タイピスト!:ノルマンディーの娘、世界を叩く!(☆☆☆☆)

リンク: 映画『タイピスト!』公式サイト.

 1958年、わかりやすく言うと、東京タワーの完成した頃。フランスの地方都市ノルマンディーから、パリを目指して進軍するひとりの女性がおりました。
 こんな田舎なんてまっぴら! 都会に出て秘書になって、世界を飛び回る仕事をするの! 鼻息も荒いローズ・パンフィルに、保険会社の社長ルイの回答はお帰りくださいの一言。ところがローズは諦めない。彼女が披露したとっておきの特技、それがタイプライター。猛烈なスピードの一本指打法でタイプするローズを見て、ルイはとんでもない事を思いつく。
 かくしてルイとローズはチームを組む。目指すは大会-- 当時フランスで華やかに行われていた、競技タイピングの大会。一分間500文字以上を求められる過酷なスピード、技能、体力、そして牽制や攪乱、駆け引きといったありとあらゆる戦術を駆使するハードな叩き合いだ。
 だが、彼らの目標は優勝。地方、全国、やがては世界へ! 家族や知人、身近な人々も巻き込んで。若干思惑が食い違った形で、二人の快進撃は始まった!

 というわけで、終了間際ではありますが。オクトーバーフェストに行ったのとダブルヘッダー的な用事で見てきましたタイピスト! 50年代が舞台、都会を目指す女の子が主人公、そしてフランス映画と、これどう見てもロマンス映画だよなあ。と最初は思っていたんですが、完全に勘違いでした。まっしぐらにスポーツ根性ものです。少女漫画的スポーツ根性ものです。

 たったひとつの特技を元に、不退転の決意で田舎から出てきたローズに、忘れていた自分自身の夢を彼女に託し、ハードな指導を課する鬼コーチ的存在のルイ。
 まっすぐだけど強情な(そしていろいろ考えすぎな)ローズと、斜に構えきれないルイ。主人公それぞれが、お互いにとって意外な一面を覗かせたり、誤解でのすれ違いを起こすなどして、次第に関係を深めていく、と言うその傍らで。互いがコーチと選手として、睨み合いつつも真剣に(でも観客目線からするとちょっと面白に見えてしまう)トレーニングをしている、と言う筋運びは、王道に力強い展開。
 はしばしに出てきて、ローズとの関係も深めていく、それぞれがルイと旧友のテイラー夫婦や、頑固が形になったようなローズの父親、そしてルイの家族達など、脇役のちょっとした演出も楽しいところ。

 とはいえ、この作品の最大の見所は、競技タイピング大会そのものでありましょう。これがまたなんというか、言葉から感じるのんきなイメージからは想像できないほどにハードなのです。猛烈なスピードでのタイピングのスピ-ド、今で言うブラインドタッチなど技術的な面から、同じ会場で競技している他の選手への牽制…… 手動の改行動作の際の、ガシーン! と言う機械音を響かせて、後続のランナーに「これだけ引き離している」とアピールするとか…… などなど。かなり本気な駆け引きのあるスポーツなのです。

 そしてこれだけ色々な要素が、なんともキュートな50年代風のファッションとカラーリングでラッピングされているわけで。これはまあ、なんとも血マメ可愛らしい映画でありました。
 上映もすでに終わりごろかとは思いますが、これは見ていて損のない作品。ひとつ機会がありましたら、ぜひ。

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