天むすの要領で艦むすを作る。(☆)
最初にお断りしますが、タイトルでほぼ全部です。すでにオチです。
竜田揚げをこしらえておむすびに入れたら、これがほんとの艦むすじゃないのーハハハー。などと言う事を考ていて、ついうっかり実行に移してしまった次第です。
近所のスーパーで、鶏のむね肉が安かったので、一枚買ってきまして。皮をはいで、おおむね一口サイズにカット(取った皮はあとでパエリアに入れました)。
塩コショウを振ってごりごりしたあと、小さいポリ袋に鶏肉を入れ、醤油とみりんを大さじで二杯、料理酒をちょろっと入れて、袋ごとごりごりと揉み込み。そのまま二、三時間放っておきます。
取り出したら一回水気を良く切って、竜田揚げなので片栗粉をまぶします。作った事がないので要領が解らないんですが、先程とは違う袋に粉と肉を入れて、ふたたびごりごりしてみます。ごりごり。
ここで取り出しましたるは、御存知かんたん揚げ物作成機・ノーオイルフライヤー。予め5分予熱しておいた金網に、ごりごりした鶏肉を取り出して並べます。このあと10分、210度で加熱。しばし待機の時間です。
そもそも、竜田揚げ、と言うのは、小麦粉ではなく片栗粉を使った揚げ物の総称。竜田揚げ、と言う名前の由来には各種あり、そのうちの一つが、旧海軍の軽巡洋艦・龍田に由来する、と言う説。艦内で、貴重な小麦粉のかわりに片栗粉を使った揚げ物を開発し、それが龍田式として海軍からご家庭に広まった、と言う説です。正しくは龍田揚げ、と書くべきでしょうか。他にも諸説はあるようですが、これはちょっと魅力的な説ですよね。
そんな考察をしているうちに、さらっと仕上がりました。
細かめにしたせいか、かりかりの仕上がりです。味もしみていて、いい感じ。
そんなこんなしているうちに、結構時間も経ちまして。丁度ご飯も炊きあがりました。
ご飯をボールにあけて熱を取り、持ち前のいまいち器用じゃなさを発揮して拵えたのが、冒頭のおむすびになります。再録。
龍田揚げ入りのおむすび。つまり龍田おむすび。これがほんとの艦むすってわけですよッハハー。
……いや、ご機嫌になろうとしてみたんですが、自分で想定していたのよりも、もっとなんかひしゃげた恰好になってしまって、なんていうかちょっと不器用すぎてショックを受けている自分です。いやあんまり準備してなくて出来合いのもので作ったからなんですけども。しかしなあ。
考えてみると、龍田の服装は黒地に白っぽいので、もっと器用な人が同じことをしたら、きっとキャラ弁みたいなものをこしらえてくれると思います。と、知らない人に丸投げの構えを見せつつ。
ともあれ、具はさっき味見してなかなかでしたし、普通に作ったおむすびが手酷い味になる道理もありません。むしむしと一つ頂きまして。はてと考える。
この状態で、もちろん艦むす(この場合の言葉の定義は当エントリの記述による)としては完成なのですが。なんていうか外見が大破しているのが、やはり非常に気になるところ。いや冷静に考えてみると、大破どころの騒ぎではありません。これは衣がついていない状態です。衣がないと言う事はもはや轟沈すれすれです。この写真は載せても大丈夫だろうか。近年のネットの世間、一寸先はかなりの闇。どんな理由で手が後ろに回るかも解りません。しかし自分で作ったおむすびがなんらかの規制に引っかかったりしては、御先祖様にも勤務先にも申し訳が立ちません。いや海苔が巻いてあるから大丈夫か。しかし衣がない状態に海苔と言うのもこれは非常にその。
どこが冷静なんだと言うべきか大破してるのはお前の論理か脳だと言うべきか、と言うところですが。ともあれ、衣がなくて困っているのなら、衣をつければいいのです。
このままだと油分がなくてうまく揚がらないので、ごま油を全体に軽く塗布して、その上からもう一度、片栗粉をつけて、再び熱っぽいままのノーオイルフライヤーへと投入。加熱は軽めで5分。
これでどうだ。龍田揚げの入ったおむすびを、さらに龍田揚げにしました。おむすびの龍田揚げ、龍田の艦むすびと言うわけです。今度は衣もつきました。写真だとよくわかりませんが。これでもう大丈夫です! 色々となんか!
ちなみに、表面がかりっとして、揚げおむすびはなかなか面白い食感でした。ただちょっと油をつけすぎた感はあるので、今度同じ事をするときはオイルスプレーみたいなものが欲しいところですね。
そんなわけで、思いついて取り憑かれてしまった駄洒落ネタ。ようやく実践することができて、心安らかになることが出来ました。
普通においしいので、なにかのときにはまた作りたいなあ、と思いつつ。
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