アメコミサロンを高円寺に見た:翻訳コミック専門漫画喫茶「ACBD」さんに行ってきました!(☆☆☆☆)
ABCDさんでもなければACDCさんでもありません。ACBDさんです。アメリカンコミック&バンドデシネのACBDさんです(たぶん)。
そのACBDさんとはなにかと云うと、そのアメコミやバンドデシネなど、海外コミックの日本語翻訳版を専門的に取りそろえた、日本でも珍しい、と云うかたぶん唯一無二であろう漫画喫茶であります。
場所は東京杉並区、高円寺の駅前すぐ近く。さまざまな道の達人のつどう中野ともほど近い、古き善きアーケードの商店街があるような、中央線沿線のにぎやかな街並みです。
以前から事前申し込み制での営業をされていたとのことですが(その時代のことは伺った事がなかったのですが)、この11月24日より現在地にて、通常営業を開始されたとの由。たまたま月曜日は会社にお休みを貰っておりましたので、一日遅れではありますが、早速お伺いしてまいりましたー。
店長さんは従来より、アメコミファンの集いである「アメコミ懇親会」を開催されており、「マン・オブ・スティール」公開時の第三回のときには、自分もはじめて参加させて頂きました。
その時に秋頃に通常営業開始するかも、と云う話を伺っていて、おおこれは、と思ってお邪魔した次第なのであります。
そして写真は店内の様子。店長さんがお仕事なさってました。
店内は20席ほどで、こじんまりとしたサロンというか、おしゃれなロビーのような、清潔感溢れる雰囲気。
ちょっと、おおっ、と思ってしまうこじゃれた雰囲気です。おおう、マンションのモデルルームみたい(※職業病的な感想です)。
真ん中に円形テーブルがあって円形に席が配置されているほか、窓側にはカップルシートのソファが二つ、そして奥には小さなテーブルと一人用座席のセットがいくつか。
さて仕組み的なところなのですが。店内に入ったら、まず受付をお願いします。僕は初めての入店なので、まずは会員登録をお願いします。このとき好きなヒーローやチームのことを書くアンケート欄があるので、なるべく事前に考えてゆきましょう。僕は長考に入りそうになって空欄で出してしまいました……(笑)。
料金は後払いなので、お支払いは帰る時。入場時には基本的に受け付けしてもらう(あと入場記録のカードを借りる。帰る時に返す)だけなのですが、ここでひとつ、こちらのお店独自の決まり事があります。入場前に、ある程度の大きさのある手荷物は、ロッカーに預ける事になっているのです。
写真はカウンター下のロッカ-。奥行きが結構あるので、容積は駅のコインロッカーほどもあります。普通に出歩く程度の荷物なら余裕で入るのですが、旅行のカートをごろごろ押してくるなど、大荷物の場合は、別口で預かって貰うことになるのかも知れませんね。ちなみに、鍵はお店に預けます。
このシステムは防犯のためのもので、なるほど理に適っています。利用者同士のトラブルをあらかじめ避ける事ももちろんですし、お店の方からしても、邦訳アメコミやバンドデシネは判型の大きい本ばかりですからね。使わせて貰う方からしても、こういう形であらかじめ懸念を払拭してくれるのは、実際気が楽ですし、「荷物を預かってもらえる」って云うのは、思った以上に身軽な気分でありました。席を離れる時だって、気にすべきものがあるわけじゃありませんしね(もちろん貴重品は自己管理で)。
お飲み物コーナーはこんなかんじ。一杯20円のセルフサービス式であります。ティーバッグのお茶やドリップパックのコーヒーなどなど。おつりも自己管理なので、小銭は多めに用意していったほうがいいと思います。
自分は読むのに夢中になってしまって、途中から飲み物のことをほぼ忘れておりました……(笑)。
そして本棚はこんな感じ。そうそう、この本の並び方がモデルルームみたいだなと思ったんですよね(※職(以下略))。
ででんと鎮座するDC大辞典が眩しいですが、ラインナップはマーヴル・DCの、近年の邦訳作品が中心です。とはいえかなりの近刊まで取りそろえた、充実のラインナップ。
一方で絶版の古い作品では、「バットマン/パニッシャー」があって、喉から変な声が出ました。出版はなんと1995年! カプコンがX-MENの対戦格闘を出し、小プロがそのX-MENのシリーズを次々と出し、アニメが地上派で放映されていた頃でしょうか。まさに自分がはまりはじめた時期の作品で、むさぼり読んでしまいました。このマイクロとティムのハッキング対決がなあ……。
すいません完全に話がそれちゃいましたが、作品的には新しめの邦訳作品が中心というかんじですね。なかでも人気のありそうな大部作は二冊あったりもします。バンドデシネ作品のほうはざらっとチェックしただけなのですが、主立ったところはほぼカバーしているんじゃないかな、と思います。
おおうおおうと大喜びしながら本棚を眺めて、ああもうこれ読みたかったな、どれ先に読もうかな、と、にやにやしてしまう状態であります。
もちろん本には、邦訳コミックの名物である、例の白い解説冊子もばっちり完備です。なにが面白いって、邦訳アメコミは、これをつまみに読むのが面白くてですね……。
そんなこんなであれもこれもと、気がつけば二時間ほどがあっと言う間。これとこれは買う、きっと買う。と意識を新たにして、ご挨拶させていただいたあと、退出した次第でした。
ちなみに料金は時間制(前述の通り飲み物は別)。詳しくはお店のページにある通りですが、最初の一時間は600円、二時間目までは1000円…… と云う、時間ごとという形になります。期間限定かも知れませんが、特別割引もありますので、そちらもページをチェックして頂ればと思う次第。
そこで忘れていましたが、基本情報。営業時間は11:00~21:00、定休日は毎週月曜と第二・第四火曜日、ただし12月1日までは毎日営業されている、ということであります。
そんなこんなで、お邪魔させていただいたACBDさん。いわゆる漫画喫茶に持つようなイメージとはかなり異なる。アメコミ邦訳をお試しさせてもらえるサロンのような、そんな落ち着いた綺麗な雰囲気の場所でありました。
これは昔から云われていることではありますが、海外作品の邦訳は、いかせんどうしても高い。買う人が増えなければ高いままですし、高いものを、中身がどんなものか確かめる事もできないままに買う、と云うのも、(病状がかなり進行している人を覗けば)、なかなかに難しいものです。
邦訳コミックに興味はあるけど、買うのは敷居が高い、と云う方には、こちらのお店で、まずは試しに、邦訳コミックいかなるものか、というところに触れて頂いて。
すでにこの世界に慣れ親しんでいる人には、購入前に試読をさせてもらえる、気に入ったら(ここでではないですが)自分で購入する、そんなとっかかりになる。
そんなふうに、いろんな人にとって、アメコミへのトリガーになるお店なのではないかと思います。交通の便もいいところですし、料金も非常に良心的です。
映画で興味を持った方や、地方から東京へお越しのアメコミファンの方も。ぜひぜひこちらのお店、足を運んで頂ければと思います-。
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