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2014.06.27

母とkindle。(☆)

 なんかだしぬけに母が問われたのは、「お前は電子書籍とかに詳しいか」という質問で。
 まあkindleとかなら持ってるよ、と自前のpaperwhiteを見せたところ、いろいろあって気に入られてしまい、母用のkindleを調達することになりました。

 そうは言っても、携帯電話が、正々堂々、ガラケー版のらくらくホンを愛用している母のこと。
 携帯のメールはかろうじて打てますが、パソコン? なにそれおいしいの? と言う世界。もちろんamazonのアカウントなど持っているはずもありません。
 大体がなんで、電子書籍とかいきなり言い出したのか聞いてみたところ。「テレビでやってた」と言う実にコンテキストの美しいお答えが。ああ、まあ、そうですよね、と言いかけたところで、それに、と付け加えて一言。

 母が食卓に置いていた分厚い本は「村上海賊の娘」の上巻。「のぼうの城」を(僕から借りて)読んで以来、母は和田竜のソフトなファンなんですが、ハードカバーの単行本です。内容に不満があるわけではありませんが、母からはやはり、「どうにも重い」の一言が。それに、字が小さい、とも。

 ふむ、と考え込みました。本は、つまり、物理書籍の重い。本は字の大きさが変えられない。当たり前といえば、あまりにも当たり前ではあります。しかしその当たり前だと思っている事が、母みたいな高齢者には結構なハンデであることは、こうして聞いた通り、気にする人がいても気にしない人がいても、自明のこと。
 本の重さ、と言うのは、重病の読書病罹患者にとっては、何冊持ち歩けるか、何冊部屋に保管できるか、と言う問題なのですが、母にとっては、一冊の本を(それも家の中で)持って歩けるかどうか、そもそも持っていて疲れずに読めるか、と言う問題でもあります。字の大きさも、そりゃあ眼鏡かけて頑張って読めば読めるでしょうけど、疲れず、ストレスにならずに、長時間すいすい読めれば、そのほうがいいに決まっています。

 ストレスがあっても本を読むような人間は、物理だろうが電子だろうがほっといても本を読むので、自力で解決のメソッドを見いだすでしょう。そもそもそういう人間は、本を読まないとしなびて死んじゃうタイプの人間でしょうから、自分の命を救うためにたゆまぬ努力をするものです。

 しかし、そこまで本読みじゃない。流行り物は読みたい、楽に読めればそれに越したことはない。そういう母みたいな人達にとって。意識していなかったのは、僕だけなのかも知れませんが、「あきらめなくてもいい読書」、「もう一度挑戦できる読書」のツールとして、実に意義のある。大袈裟に言えば、一定数の人間に生きがいを取り戻せるくらいのツールなんじゃないかと。手の中の漫画ばっかりのkindleが、なんだか急に立派なものに思えてきたのです。

 ただ、母にamazonで本を買え、と言うのはたぶん無理です。クレジットカードの登録はしないほうがいいでしょうから、ギフトカードを調達してポイントを充塡して、本を探して買って、と言う作業は、まあ全部僕がやることになるんでしょう。もちろんkindleの初期設定も。
 まあ僕がやるのは、別に構わんのです。機械の設定なんてのは、趣味でもあり仕事でもありますし、頼まれごとでPC使ってなんかやる、なんてのは、いつでもやっていることです。

 そこは別にいいんですけども。ネットワーク回りの初期設定含む、各種設定もさることながら。「kindleで本を買う」と言う作業のハードルは、先程のメリットを相殺してなお余りあるデメリット、と言うか、そもそもメリットを得られる条件を発動させられない、強烈なハードルと言えるでしょう。そもそも、「検索」と言う作業のハードルの高さは、人によってぜんぜんまったく異なるのです。

 通常の書籍においては、この手の、本を探す、取り寄せる、時にお勧めする、そして販売する、と言う作業を、黙々と、ほぼ無償で担ってきたのは、大小を問わず、街の本屋さんでした。母の買ってきた本も、駅前の本屋のブックカバーがついていたので、たぶん店員さんに聞くかなにかして買ってきたのでしょう。
 もしkindleを、本当に高齢者でもなんとなくで使えるデバイスにしようとしたら、「amazonを案内する店員さん」が必要になってくるのでしょう。初期設定サービスはむろんのこと、電話などで購入代行を行うような、そんなサービスも必要になってくるのでしょう。
 そして、たぶんそんなサービスは、有償で行うと、だいたい割りが合わないわけで。結論としては「そういうことに詳しそうな家族」でもいない限り、高齢者は電子書籍の恩恵にはあずかれない、と言う事になってしまうのでしょう。

 ともあれ、せっかくやる気になっているわけですから、これは後押ししておかなくてはいけません。
 過去に同じパターンでニンテンドーDS(脳トレをやりたいって言ってた)とか電子辞書とかお蔵入りになってきましたが、そのことは忘れましょう。
 そんなわけで、自分が使っているのよりバージョンのいいkindleを探しにいこうと。そう思っている昨今です。

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