【ロボットイベントレポート】ROBOT JAPAN 9TH観戦記【フリースタイル】
続いてはROBOT JAPAN名物、通称「一発芸」ことフリースタイル部門です。演技は自由、内容も自由。評価は審査委員長の独断と偏見で決まります。
順番の説明と、選手の皆さんの準備に、ちょっと時間がかかっております。自由なだけに大がかりなものが多いのです。
No.38 Black Swan(RND)
一番手は韓国チームのブラックスワン。チャレンジは自動ボーリング。
画像認識でボーリングのピンを認識し、自動でボールを投げてストライクを狙います。リング上にはピンとロボットのほかディスプレイが並べられ、画像認識の様子が表示されています。
一度目のチャレンジでは7本を、そして二度目のトライ、機体が位置を取りますが、ちょっと調整が取れ切れていないか、機体が位置調整を続けてしまうところに、強制で位置を再度調整。機体が投擲に入り、これでボールが転がって行く。ピンに見事に命中し、倒れたピンは9本。
見事にスペアを取り、演技終了となりました。
No.20 Raptor(加藤純平)
続いての演技はラプター。演目はクリフハンガー。さしあたされたアルミの横棒にぶら下がり、雲底の要領で、そのまま片腕ずつ腕を外して、アルミ棒を腕だけで渡っていきます。
巨大な腕と爪のパワーを遺憾なく発揮し、全く危なげなくぶら下がったかと思うと、そのまま2m近くがしがしがしと横移動。
これで終了となりました。
No.39 まつりくん(川崎工科高校)
続いての登場はまつりくん。リング上には…… どうなんでしょう、カメロボットが2体。風船を乗せたカメロボットと、甲羅を背負ったカメロボットが。シートの裏で準備が行われていますが、「なんだろうあれ」「なんでしょうね」と、ちょっと見えてしまいつつ、準備が進みます。
「最近のロボットは、バトルができます。ダンスができます。ボーリングができます。そして…… 狩りができます!」と、シートの影から現れたのは、弓矢を抱えたロボット! なるほど、これでカメロボットを打つ、とそういうことのようです。
ゆっくりと滑らかな動作で、弓を持ち上げ、やや斜め上に持ち上げてから、すうっと矢を引いて、撃つ!
矢は見事に放たれたものの、なかなか届かない。一回目は届かず、「じゃあ予定通り二回目で」と二回目。そして「これは予定外です」と三回目。
最後に「これまでのことはなかたことにします」と、放った四回目は、風船に矢が当たったものの…… ぼよん、と跳ね返ってしまう。
ともあれ、矢は放たれた、そして当たったわけで。まつりくんのデモ、終了となりました。
No.40 バニラピロ(川端利弥)
No.41 バニーブレード(川端利弥)
続きは名古屋からやってきた川端さん。たまたまインドのロボット大会に行ったMCのバシリック和子さんと大会会場で知り合い、その縁で今回参加していただいたのだそうです。
二機のロボットのデモのうち、バニラピロのbluetoothによるコントロールを演技。2頭身のラピロ、歩いてるの初めて見ました。
続いてはバニーブレード。一昨年のロボ剣に登場し、賞を獲得した機体です。対戦相手がいないため動作のデモンストレーションに。面を打つなどの攻撃のデモですが、面を打ったときに「メェーーン!」と言う(甲高い)声が響き、会場に若干の動揺が。
音声付きで、胴、小手、とデモを繰り出し、バニーブレードのデモの方も終了となりました。
No.42 逡巡(山口自動機械)
続いては、山口さんの機体。こちらもROBO剣の機体ですね。実際にバニーブレードと対戦もしたのだそうです(バニーブレードの圧勝とのこと)。
剣の切っ先を上に向け、きりっと構えた逡巡。目の前には、細長いスポンジの棒があります。頭には赤い丸がついていて、これは攻撃の標的ですね。
逡巡のデモは画像認識。まず赤い標的を自動認識させて、剣先でこつんと小突く。本体の方を動かしても、認識をしなおして、赤い玉を狙い直します。
さて解説の間に、逡巡が腕先を換装します。筆をつけた逡巡が、リングに置かれた半紙に書道を書いていきます。一度リングに書きそうになってしまって再度チャレンジ。止め跳ね払いまできちんと行い、「友」の一文字がリングに書かれます。
これは山口さんが控え室で書いていた文字を教えさせ、そのままロボットがトレースしているとのこと。
書道ロボットのデモは、これで終了となります。
No.43 MK2(神奈川工科大学ロボットメカトロニクス学科兵頭研究室)
続いては登坂さんの関わっている、厚木市の記念事業で製作された2体の機体の一つ。2号機であるロボコロちゃんがPR事業に用いられ、主に操縦で運用されているのに対し、本日登場した一号機は、自律などの研究目的に用いられています。
ステージの上に持ち上げられ、登坂さんの解説のもと、前進、後退と歩行を披露。つくばチャレンジの中では唯一の二足歩行ロボットだそうです。
今日のチャレンジは、通常の歩行に加えて、観客席のスロープを上る、と言うもの
スロープの角度は、だいたい5度。
歩き出しましたが、ちょっと脚が引っかかってしまった、体の角度を再度調整し、再度歩き出す。どうも腕先が観客席の椅子にぶつかってしまい、それが原因で角度が曲がってしまうようです。
ただどうにも膝のサーボの調子がよくないようで、ここでデモンストレーションは終了に。「東京オリンピックの聖火ランナーになることを目指していますので、関係者の方がいらっしゃったらお願いします」と登坂さんでした。
No.44 ダイダラボッチ(剣崎純)
これはまた強烈なデバイスが出てきました! 剣崎さんが背中に背負っているのは、木製の外骨格、その上半身部分。腕先指先などの赤い部分は違う素材のようですが、大部分が木製の構造。背中と両腕が蝶番で繋がっており、畳むと小さく、伸ばすと大きく伸びる精密な構造です。譜面台と言うかイーゼルと言うか、どこかそんな感じの構造。
「これを使って、頭の上の窓を拭けます」と入り、「しかしそれなら長い棒でもできますが、両腕を使っての作業が可能です」と、両腕を上げて、それぞれを同時に動かします。ワイヤを使って指先を動かす動作を繰り出します。「これでトンカチ使うとすごいんですよ」とも。
会場が狭いため上半身だけですが、下半身も存在するようです。そんなダイダラボッチのデモでした。
No.45 多脚くん(高橋ちゃん)
続いての登場は高橋ちゃんと多脚くん。
「こんにちわー!」と蝶ネクタイで勢いよく登場する高橋ちゃん、我知らぬ顔で、操縦なしでリングを闊歩する多脚くん。出だしで解った通り、ロボットを操縦する、ロボットを使ってデモをする、と言うよりも、ロボットと一緒にデモというかステージを行う、そんなスタイルの高橋ちゃん。
「ペットって可愛いですよね、僕のペット、ロボットなんですよー!」という紹介でステージに登場する、四脚構造ににわとり頭の乗っかった多脚くん。熱心にお手を迫る高橋ちゃんを翻弄して、自由きままにステージをうろつき廻ります。
「これは…… お手をする一歩手前のポーズだ!」と期待を持たされつつ、まるで意地のよくなさを感じる多脚くんに翻弄される高橋ちゃん。一人一機のライブステージでありました。
No.36 テルル(A4)
さて最後の選手は。ひときわ小さな可愛い機体、テルルがリングに登場。箱四つがリングの上に乗せられています。
テルルのデモは、この立方体を積み上げる、姫路ロボチャレンジでの競技の再現。軽快な動作音とともにてくてくと歩き、キューブを持って積み上げます。一つ目を積んだところで腕の外装が取れてしまいますが、「この腕の部品は3Dプリンタで出来ています。この部品を……」 かちりと嵌めて、「ロボットに嵌めることで外見を作ると言う、非常に高度な技術を用いております! ほんとは両面テープが痛んでました」とA4さん。
続いてはさらに小さな正一二面体が登場。これをさらに積み上げるテルル、ちょっと持ち上げでA4さんが手助けしつつ。箱をもう一度積み、その上にちょっと危ないバランスで多面体を積み上げますが。最後に「胸で押します」と安定させて。これでテルルのデモは、全編終了となりました。
このあとは休憩、そしてバトル競技の決勝戦です。
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