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2015.08.30

弓矢男の難儀な休日:ホークアイ:リトル・ヒッツ(☆☆☆)

ホークアイ:リトル・ヒッツ(仮) (ShoPro Books)

 地球の危機でもない限り。地上最強のアベンジャーズにも休日くらいある。とはいえそれは、普通の日々とは言いがたい、ハードなものにはなりがちだ。
 アベンジャーズの一員ながら、超能力者でも天才でもない、人並み外れた、とはちょっと言いがたい、クリント・バートン、またの名をホークアイ。アベンジャーではなくひとりのクリントとして、静かに過ごすはずの休日は、次々に巻き込まれる、あるいは自ら引き起こすトラブルで、どんどんややっこしいことになっていく。
 住処のおんぼろビルを巡る地上げ屋たちの襲来、巨大ハリケーンの襲来、かつての恋人たちの一斉襲来。もうひとりのホークアイ、弟子のケイトとの関係も一層こんがらがって。
 いっそドゥームボットでも攻めてくればいのに。クリント・バートンの難儀な日々はまだまだ続く……。

 てなわけで、弓矢ヒーロー・ホークアイの、どうしてこうなるかな感あふれる日常生活を描く単独シリーズ。前巻「マイ・ライフ・アズ・ア・ウェポン」につづき、続刊「リトル・ヒッツ」も刊行となりました。

ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ア・ウェポン (MARVEL)

 ちなみにこっちが前巻。
 宇宙の果てにも異次元空間にも行くことはなく、太古の神々が攻めてくることもない。アベンジャーズの一員としてではなく、ひとりのクリント・バートンの、なんだかどうしてもごく普通にならない生活の日々を描いている、このシリーズ。
 舞台のほとんどは、クリントが根城にしている雑居ビルとその周辺。登場人物も、ときどきちょっとだけアベンジャーズの面々が顔を出すほかは、ほとんどがクリントと、二代目ホークアイである少女ケイト・ビショップのほかは、マンションの住人たちや、ロシア人の地上げ屋グループがメインとなります。
 片意地に近い強い正義感と、だらしないと言ってもいいような情への弱さを抱えたクリントは、このシリーズではかなりボンクラな感じの男として描かれています。そんなボンクラなクリントと、有能で裕福で、ヒーローとしての任務も華麗にこなすケイトの掛け合いが、全編通じての見どころ。
 自分でもどうしようもない、と言うような、おかしみと一種の悲哀が込められたストーリーラインに、削ぎ落とされシンプルで、どこか昔風の、ポップアートさながらのおしゃれなアートもとても印象的であります。

 作中のエピソードでお気に入りなのは、構成がすばらしい「クリント・バートンの6日間」。作中の時間軸がページごとに前後し、各ページの頭に「○曜日」と付与することで、物語の前後を行き来してストーリーを掴む、と言う作品です。それにしてもドクター・ドルイドの無駄使いよ……。
 もう一つのお気に入りは、巻末に掲載されている「ピザ犬の冒険。一話で登場し、以来クリントが飼っている犬のラッキーが主人公の作品。とにかく演出が独特。最初はどういうことかと思ったものの、こういう視点の描き方なのか、と解った時点で膝を打ちました。賞を取ったのも納得の一作です。

 単行本としては2冊目ではありますが、話はまだこの先続いていく雰囲気。
 続刊がまた日本語で読めるのを楽しみに、まずはこの一冊、もとい二冊、ご紹介したいと思います。

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