三条城のまぼろし。:新潟旅行2016二日目前編(☆)
新潟旅行二日目、夜明けとともに起床。
主に前日はやばやと戦闘不能になっていたのが原因で、ホテルにつくなり風呂にも入らずひっくり返っていたのが経過ですが、早起きは三文の美徳ということで納得したいと思います。すいませんでした。
部屋からは新幹線の高架をはさみ、越後山脈を遠くに望むなかなかの光景。泊まったのはビジネスホテルなんですが展望風呂があり、10階の風呂が開く時間に行ってみたら、ちょうど山脈の向こうから朝日が昇るころ。ご来光とはこのようなものか、と思いながら、のんびり風呂につかって。朝食はご飯までお代わりした挙げ句、優雅に二度寝としゃれこんでおりました。ふだんの二倍は寝てた。たぶん。
もう一回風呂に行こう、と思っていたのを二度寝しすぎて断念したほかは順調に推移。同じホテルに泊まっていた二人と合流し、三条観光へと繰り出します。
観光って言っておいてしょっぱなからなんですが、ホテルの近くにあったちょっとおしゃれな洋菓子屋さん。ポスターの文句が突破系の駄洒落で複雑な表情になっておりました。「これはPBMでよくあるキャラ立てに失敗した例では」「いやたぶん残念なキャラ立てに成功しているとも取れる」と大変失礼な会話を交わしつつ、いやこの話をしていたのは昨晩のような気もしますが、ともあれ、徒歩で北三条駅を目指します。
燕三条から北三条へ向かうには、どこかで信濃川を越えなくてはいけません。静かな川沿いをそぞろ歩くと、空には丸く円の虹。それをつらぬく飛行機雲。感動して写真を何枚も撮りましたが、案の定まっしろでなに映ってるのかわからないやつばっかりでした。
信濃川にかかる橋を渡ります。ちなみにこの橋、その名を瑞雲橋。
その瑞雲橋のたもとには、厩舎のような建物があり、帰りに同じ道を通ったときには奥で乗馬、というか馬の訓練らしきことをしていました。
で、その帰り道。石碑が建っているのを見て、はたと気付いたんですが。ここは三条競馬場の跡地。そして三条競馬場のあたりは、正確な場所こそ不明ですが、かつてこの土地の城、三条城があった場所と推定されています。
戦国時代、上杉謙信の時代の前から軍事基地として利用され、御館の乱のときにも一方の拠点として名のあがった三条城。成立年代が早いこともあり、石垣や城郭があるような要塞ではなく、堀を巡らせた中に館があるようなタイプの城だったようです。
この三条城、戦国末期から江戸初期にかけて、再建されては廃城になり、また利用されては廃城になり、と、これでもかとばかり繰り返し廃城になっている、年表だけ見ていると非常に不思議な城なのですが。
いずれの時期にせよ、信濃川の河畔にあったことは間違い無いようです。そして信濃川といえば言わずとしれた暴れ川。燕と三条が金属加工で名を馳せたのも、あまりに洪水がひどいせいで、農民の手に職をつけようと、代官が職人を招聘したのがはじまりと言います。廃城とは言いますが、戦闘の機会が失われていく江戸時代にあって、信濃川に近すぎる三条城は、いろいろと不便だったのかも知れません。
同じ信濃川沿いの城でも、長岡城は洪水を避けるためでしょうか、信濃川からだいぶ離れたところに築かれています。
ちなみに今いろいろ調べていたら、長岡城を築いた堀直寄と、三条の最後の藩主だった堀直清は兄弟。
当時は外様大名がいろいろ難癖をつけられてお取りつぶしになっていた時期で、堀直清は改易に。10年ほどして三条藩そのものが廃止となり、一帯は燕も三条も幕府の直轄領となりました。三条城が最後に廃城になったのもこの頃で、城そのものが不要になったのでしょう。金属加工がさかんになるのは、直轄領になった、このあとのこと。
さて三条町界隈ですが、一度代官領となり直轄地となりましたが、ふたたび支配地域の見直しがあり、越後村上藩と高崎藩に分割されることになりました。越後村上藩というのは、長岡城を築城した堀直寄が封じられた十万石の藩。
一方で高崎藩からすると、山をはさんでかなり飛び地っぽい雰囲気。一ノ木戸に陣屋を置き、そこを行政の中心としたようです。今回は行きませんでしたが、東三条の駅はもともと一ノ木戸駅と言う名前で、一帯の地名に名を残すほか、陣屋のあった通りが陣屋小路と言う名前だったのだとか。
明治のあとにも一ノ木戸村が一度成立したあと、三条町に合併されたと言うことで、歴史的には一ノ木戸と三条は別々の町だった時期が長かったのかも知れません。思わぬところで新潟と沼垂みたいな話を掘り返してしまいました。いや、三条市の史料館を見ていたら、三条と一ノ木戸がいろいろもめてたっぽい話が結構いろいろ書いてあったもんで……。
そんなわけで、このあと歴史資料館に行った話を書くはずだったんですが、今日はこのへんで時間切れ。
カレーラーメンの話もまたこんど書きます。
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